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ドイツ1 父なる川・ライン川クルーズ(コンチキツアー1-7)
<訪問国14 ドイツ>
ずっと参加したかった、英語を使った国際ツアー「コンチキツアー」での思い出です。
旅にまつわる音楽を聞きながら、記事をお楽しみ下さい♪
色々な方面で栄えている、ドイツ
たくさんのクラシック作曲家の母国・ドイツ。
芸術だけでなく、サッカーなどスポーツ大国でもある、ドイツ。
テディ・ベアが生まれた国、ドイツ。
父なるライン川を持つ、ドイツ。
こんな興味深い国に2日しか滞在できないのは残念だったが、
「今回はコンチキツアーに参加をすることが目的だったから、ドイツはまた、じっくり来よう……」
と、自身に言い聞かせた。
それでも、さすがはコンチキツアー。
ドイツに入国して早速、私達はドイツといえば必見の「ライン川クルーズ」を体験出来た。
地理でも出て来る「ライン川」クルーズ
オランダは晴れていたが、ラインクルーズが始まる始発のリューデスハイムは、生憎の曇り時々、雨。
それでも私達は、天気など関係なく気持ちは浮き立っていた。
楽しみにしていたクルーズ船が、いよいよ動き出す。
船はそれなりに大きく、乗船客は室内で優雅に、食事も楽しめるようだった。
でも私達は適当に軽食を買って、寒さに負けず外で、景色と川の流れを感じ、楽しんでいた。
「父なるライン」と「母なるドナウ」の違い
ウィーンを流れるドナウ川は「母なるドナウ」と言われているが、このライン川は「父なるライン」と言われている。
「なんで、ライン川は“父“なんだろう?」
「そうねえ……ライン川は主に、ヨーロッパの経済を発展させたからじゃない?」
さすが、オーストラリアで教師をしているケイト。
この日も、私達全員を納得させてくれる。
「でも、ドナウ川だって経済発展に貢献してない?」
アメリカのルームメイト・ジュリーはまだ、疑問が残っていた。
「ドナウ川はさ、たくさんの町を“産んだ“ってことで母なんじゃない?ウィーン娘、実際ドナウ川とライン川は違う?」
アメリカの野球選手の卵、マットに話を振られ、返答に困る。
「うーん……まだ住み始めて2ヶ月だからなんとも言えないけれど、オーストリアに限って言うなら、この川の流れが、ラインとドナウじゃ違うと思う」
「興味深いね!ドナウはもっと、穏やかなの?」
「ウィーンやオーストリアはね。ハンガリーで見た時はもうちょっと、ダイナミックだったけど。このラインは、川の流れがドナウより速い気がする」
「確かにお天気も悪いし、ますます機嫌が悪そうよね!」
ワーグナー『ニーベルングの指環』や、ローレライの舞台
私達は笑い、厚い雲に覆われる中も、勢いよく流れているライン川の写真を撮った。
とにかく、可愛らしい街並みと古城が、このクルーズではたくさん見渡せた。
ワーグナーの『ニーベルングの指環』シリーズの第一作『ラインの黄金』が、まさにこの場で上演できるのでは、と思うほど、壮大かつ美しいおとぎ話のような景色が、そこには広がっていた。
「ワーグナーかぁ!さすが音楽専攻、私の授業では取り上げないけれど、ドイツでは欠かせないよね。私はどっちかというと、ローレライのメロディーが出て来たよ!」
ケイトはここでも幅広い知識を持っていて、尊敬する。
「ローレライ、ザンクト・ゴアールに着く前にきっと見れるよね!」
「ローレライの歌詞、ドイツ語のテストで覚えさせられたよ」
「僕らは、音楽の授業で歌ったな。懐かしい!」
みんなそれぞれにドイツの歌『ローレライ』にまつわる思い出があり、タイムスリップできそうな町や古城を見ながら、それぞれのローレライを懐かしんだ。
曇ると夏でもとても寒い、ドイツ
また新しい古城が登場し、喜んでシャッターを押そうとしたら、手が寒さで震えていることに気付く。
オーストリアでも雨が降ると、日本では考えられないほど夏でも寒くなったから、ちゃんとジャケットを用意していた。でも、その見栄え重視の半袖パフスリーブジャケットではどうにもならない程、ドイツはオーストリアのウィーン以上に、寒さが深刻だった。
かけられた、パーカー
「本当にここ、夏なのかな」
そう思いながら、震える手でなんとか古城を撮影していたら、後ろからパーカーがかけられた。
「……あったかい!え、ルイス、どうして?」
「あまりにも寒そうだから。僕なくても大丈夫だから、Rinaに貸すよ!」
オーストラリア・シドニーのルイスとは、大人のケーキを食べた後のアムステルダム・クルーズで仲良くなったようだった。
景色に魅了されていて忘れていたが、実際に身体は冷え切っていたようで、この分厚いパーカーは、救世主になってくれた。
「最高のタイミング!まるで弟みたいに、気が効くね!」
「僕、お姉ちゃんがいるからね!メンズのパーカー、予想以上にいい感じに着こなせてるよ」
ウィーンでのドイツ語学研修で出来た、スペイン、セルビアの弟に続き、コンチキツアーでは、オーストラリアの弟が出来た。
嬉しい限りだ。
持つべきものは、友
「Rina、どうしたの?そのパーカー?」
反対側に写真を撮りに行っていたジュリー達が、私の新しいファッションに早速気付く。
「あまりに寒そうだから、僕のを貸したんだ。Rinaに、似合うよね!」
「Rinaとカジュアルファッションって想像つかなかったけれど、すごく似合ってるじゃない」
「……本当?!とにかくこのパーカー、すごくあったかい。ありがとう、ルイス!」
「良かった!寒くなくなるまで、ずっと着てたらいいよ」
おかげで私は、凍えずに目的地・サンクト・ゴアールに到着できた。
彼らがいなかったら、ここまでクルーズが楽しめなかっただろうし、寒くなってからも、凍えて話にならなかっただろう。
持つべきものは、素晴らしい友人達だ。
ライン川クルーズは、万が一雨や曇りでも、父なる川の壮大な流れや指環シリーズに出て来そうな景色で、まさにドイツに来た!という気分を味わわせてくれる。
ドイツに行ったら、友人や大切な人と、短いものでもいいので体験して頂きたい。