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本物の味覚を教えたい!

「お袋の味」とは何か?

「お袋の味」とは、親が家族のために日常的に作る料理を指します。それは特別なレシピや豪華な料理ではなく、家庭の温かさや愛情を感じさせる毎日の料理です。

子どもの頃に食べ慣れた味は成長後も記憶に残り、忙しい日々の中でふとした瞬間に懐かしい気持ちを呼び起こします。そんな「お袋の味」は、心の拠り所であり、家庭の象徴ともいえるもの。

しかし、最近では冷凍食品や加工食品の手軽さから、「お袋の味」が失われつつあります。特に加工食品に頼りすぎると、子どもたちの「お袋の味」が市販品の味、つまり添加物や濃い味になってしまう危険性があります。

家族でごはん

添加物がもたらす影響

私たちの保育園では、保護者に前日の夕食や当日の朝食をアプリで送ってもらっています。その内容を見ていると、料理が苦手で市販品や加工食品に頼りがちな方もいらっしゃることが分かります。
例えば、「朝は菓子パンとジュース」という食生活が続くと、以下のような発達の問題がうっすらと見えてきます。

じっとしていられない

・目が合わない

・落ち着きがない

これらは、小さいうちから摂り続けた添加物の影響が一因となっている可能性があります。


味覚は3歳までに育まれる

味覚の土台は、脳の発達と深く関わっています。
特に脳の中にある「海馬」は、記憶や食べ物の情報を司る重要な部分で、3歳までにほぼ完成すると言われています。

生後6ヵ月頃から始まる離乳食の時期は、味覚の発達を促す絶好のチャンス。この時期にどれだけ
**五味(甘味、塩味、酸味、苦味、うま味)**
を感じ、さまざまな食材や味を経験するかが重要です。
これにより、幅広い味を記憶し、味の違いや複雑な味を理解できるようになります。


薄味で育む敏感な味覚

日本の伝統的な味である「だし」は、薄味で味覚を育む理想的な方法です。特に、かつお節と昆布のだしは相乗効果が高く、うま味の基盤を作ります。離乳食からこのだしの旨味を知ることで、大人になっても濃い味に頼らない味覚が育ちます。

反対に、乳幼児期にファストフードや濃い味の加工食品を与えると、

「お袋の味=添加物」

という記憶が脳に刻まれ、濃い味でないと食べられなくなります。

ある日の給食

食事がもたらす3つの発達効果

食事は、栄養を補うだけでなく、子どもの発達全般を支えます。

  1. 体の発達
    必要な栄養素をバランスよく補給し、成長を支える。

  2. 心の発達
    五感を使いながら、家族や友だちと食事を楽しむことで、心が豊かになる。

  3. 機能の発達
    手づかみ食べやスプーンなどの道具を使うことで手指の発達を促し、噛むことで咀嚼力が育まれる。


親が知ることで回避できること

3歳で「ポテトとナゲットしか食べない」子どもがいるのは、それ以前の食事でファストフードを与え続けてきたことが原因かもしれません。これは、親が食の大切さを知っていれば回避できたこと。

また、「手づかみ食べ」をさせなかった結果、潔癖に近い状態になっている子どもも多く見てきました。幼少期の体験は、その後の人生に大きな影響を与えます。


本物の味覚を教える未来へ

乳幼児期に正しい味覚を育むことは、子どもたちの未来を明るくするために必要不可欠です。親が「本物の味」を提供することで、子どもたちに健康で豊かな味覚を贈ることができます。

「お袋の味」を作るのは、特別なレシピではありません。日々の積み重ねです。
子どもたちが本物の味覚を知り、健康的な未来を歩めるようにしていきたい。


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