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子育てってなんてエキサイティング

自分の考え方が変わることは多々あれど、私にとってこれまで経験した一番の変化は「子供に対してのスタンス」である。

タイトルそのままなのだが、私は昔(それもつい二、三年前まで)、どうしても子供という存在が苦手だった。
色んな意味で子供は「妨げ」という印象が拭えなかったからだ。

それはたとえ身内の子供、つまり甥や姪に対しても同じだった。

例えば姉が2歳の息子を置いて、私に「留守番頼んでいい?」とスーパーに買い物に行こうもんなら、私はすかさず「ごめん無理!私が買い物に行く!」と言ったし、年末年始に子供達が集まってギャーギャー騒ごうもんなら、私は実家から飛び出して祖母の家に避難した。

興味はおろかもはや「嫌い」だったのである。

それが一転、今や「子育てほどエキサイティングなものはない」と思っているから面白い。


この変化には、思い当たるきっかけがいくつかある。

まず、数年前から人事部で研修担当として色んなメンバーとコミニュケーションを取るようになったこと。
メンバー個人の特性や成長曲線を見ていく中で、「すべての行動において、人にはそれぞれ内部の情報処理の傾向があって、それは概ね幼少期の経験や環境によって形成されていることが多い」ということを知ったからだ。

「人格を形成する」ということについて、子供は私の研究対象になった。


次に、実際に子育てを経て、変わっていく大人たちを目の当たりにしたから。
例えば私の会社の役員。

今では珍しくないことだけど、その役員の髪の毛の色は白に近い綺麗な金色だ。その人は昔から金髪がトレードマークで、たとえクライアント対応が入ろうと、周りから「もっと暗い色にしなよ」と言われようと、決してその色を変えようとはしなかった。

そんな人がなんと奥さんの出産を機に、髪の色を一気に暗くしてきたのだ。思わず見た瞬間に「何があったんですか!?」と声をかけてしまった程である。
「子供生まれたし。そろそろ落ち着いた色にしようかと。」

そうか、子供は人のアイデンティティをもこんなに簡単に変えてしまうのか。と思った例。

もう一人例を出すと、私の先輩。今は転職して別の会社にいるが、その女性は私の100倍、仕事人間だった。上昇志向というか明確に役職に就きたいと考える方で、出産前は「出産しても絶対仕事は続けたいし諦めたくない」とずっと言っていた。

その人に先日会いに言ったとき、
「産む前はそう言ってたけど、今はもはやこの子がいれば何でもいいや。この子を最優先にしたいし、この子と一緒にいれる時間をもっと確保したい。

と、180度考え方が変わったと自分でも言っていた。

もしかしたら母になったらその感覚は当たり前なのか、これが母性というものなのか、も私にはわからないけど、あの先輩がここまで変わるとは、と思うくらいには衝撃的だったのだ。

とにかく「子供」という存在は面白い。

別の先輩のところの3歳歳児なんかは特に、「好き」「嫌い」の意思表示の仕方も、公園で初めて友達を作るときのアプローチの仕方も、すでに個性があって本当に見ていて飽きない。

公園で走り回っている知らない子供たちの後に何も言わずくっついてって、ぬるっと仲間に入っている。

何だそれ。どこで覚えたそれ。

拙い日本語で「もりいざきぃ、またねー!いっしょにおかいもの、いこうねー!」というのを聞くのも嬉しい。
(おそらくすでにお財布扱いなのも笑う)


とにかくなんだかもう、メロメロなのである。
誕生日には何を買ってあげようか。
お年玉をいくら包もうか。
考えるだけでホクホクしてしまう、そんなおばの変化の話。




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