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【ネタバレ含む】『雨夜の月』の登場人物一覧

rinです
いつも私のnoteにお越しくださりありがとうございます。

昨日に引き続き、障がいとセクシャルマイノリティを扱った漫画『雨夜の月』について解説していきます。

『雨夜の月』は恋愛に関して大きなコンプレックスを抱えた金田一咲希と、聴覚障がいをもつ及川奏音の2人を中心とした物語です。

もちろんその他にもたくさんのキャラクターが登場します。

今回は、舞台を彩る脇役たちについて解説していきたいと思います。

また、最新5巻までの内容になっていますので、まだ読んでいないという人はこちらもチェックしてみてください。


雨夜の月の登場人物

雨夜の月の登場人物は決して多くはありませんが、それぞれが違った個性を持っていますが、咲希と奏音の2人の関係をライトアップする役割を持たされています。

そのため、フルネームが登場するキャラクターは稀で、ほとんどがあだ名や役割、苗字のみで呼ばれます。

この漫画が、いかに咲希と奏音の関係を丁寧に扱おうとしているのかがわかります。


及川凛音

奏音の妹で、家族愛の強い女の子。昔から奏音と仲がよく、ピアノの上手い下手に関わらず奏音のことを尊敬している。
奏音以上にピアノの才能に恵まれていたようだが、奏音が耳が聞こえなくなりピアノが弾けなくなったため、本人もピアノをやめてしまう。
奏音と読唇術のレッスンをしたおかげで、凛音も読唇術を使え相手の表情や仕草から、考えていることを読み当てるのを得意としている。
そのため、最初のうちは奏音に特別な感情を抱いている咲希のことを警戒し、かなりきつい言葉を浴びせて遠ざけようとしていた。その後和解したが、咲希の奏音に対する気持ちをなんとなく理解している作中でも珍しい人物。

咲希の母

咲希の母親で金田一家は母子家庭。父親について明かされていることは少ないものの、女手一つで咲希を育ててきた。
さらには、咲希が小さな頃は祖母の介護も行っておりかなり忙しい日々を送っていた様子。そのため、咲希のことをあまりみてあげられなかったことを少し申し訳なく思っている。家族仲は良好。

奏音の母

咲希の母で及川ピアノ教室の講師。高校に入ってからの咲希のピアノの先生でもあり、スパルタなレッスンで咲希や奏音からは「鬼」と呼ばれる。
しかし、ピアノを離れれば良い母親でピアノの才能以上に奏音のことを愛していることがわかる。
友達のできない奏音のことを心配していたが、咲希が遊びに来るようになり、感謝や安心を感じている様子。

奏音の父

単身赴任中の奏音の父親。ドイツのオーケストラで常任指揮者を勤めており、日本にはコンサートの時にしか帰ってこないが、離れた場所から奏音たちのことを案じている。
奏音に友達ができたことを素直に喜んでいる。

三浦先生

咲希たちが通う高校の現代文の教師。
物語から1年前に妻を失っており、娘と二人暮らし。
父親1人になってしまったことに強い負い目を感じており、慣れない生活にも悪戦苦闘中。
論理的な思考の持ち主で、教師としては生徒たちにも慕われており奏音も信頼を寄せている。
奏音と同じく、あまり人間関係は得意ではないが奏音を文芸部に勧誘する。

梅原先生

咲希が中学生の時に通っていたピアノ教室の先生で、咲希の初恋?の相手。
物語の最初に自身が妊娠していることを咲希に伝え、咲希は失恋することに。もちろん、咲希の気持ちには気がついておらず、恋愛やプライベートの話はあまりしていない様子。
登場回数は少ないものの、咲希がセクシャルマイノリティであることを示した重要な人物。

関口先生

咲希と奏音の担任。生徒の心の機微には疎く、耳の聞こえない奏音をサポートしようとしているものの、なかなか歯車が噛み合わない。

富田

奏音に否定的だったクラスメイトの1人。軽音部に所属しており歌が上手いそう。実は、小学生の頃ピアノコンクールで、奏音と競っておりその時の行き違いから奏音を嫌っていたことが後で判明。また、作中で片耳が不自由になり否定していた奏音の気持ちを、身をもって感じることになる。カラオケボックスでの奏音との対話をきっかけに過去の誤解も解消される。
奏音が自らの同じ立場の人に共感し支えるという、奏音の成長を読者に伝える役割を果たす。

仲良いクラスメイト(田辺、村中)

物語にはあまり絡んでこないものの、クラスの中で咲希と奏音とよくつるんでいる二人組。田辺が奏音が読んでいるライトノベルに反応したことで、咲希を通して打ち解けていく。田辺は奏音と同じ文芸部に所属しており、ネットに自作小説を投稿している。

綾乃

中学時代の奏音の親友。大家族の長女でバイトをしながら家事を行っており、多忙な毎日を過ごしている。
奏音が耳を悪くする前から仲がよかったものの、家族の面倒と奏音のサポートで板挟みになり、限界を迎えた彼女は奏音と仲違いし遠ざけてしまう。
その後、関係は修復されていないものの、奏音との諍いには後悔しており咲希に助言する。

咲希が通う美容室のアシスタントで登場からまもなく美容師になる。セクシャルマイノリティに理解があり、咲希から相談を受け彼女の初めての理解者となる。まだ、登場したばかりなので今後の活躍に注目。

まとめ

『雨夜の月』に登場する脇役たちを紹介してきました。

くずしろ先生の漫画は、他の作品をみても扱うテーマがしっかりとフォーカスされており、余分な情報があまりありません。

その反面、ひとつひとつのコマはほとんどが意味のあるもので、キャラクターの心情やその場の情景をシンプルかつ的確に表現しています。

主要人物以外の登場人物たちも、物語の中で明確な役割を持たされて登場します。

主人公2人の関係の変化に、今後も注目です。


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