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病院日記@11/8
本日薬がもう少しでなくなるため、病院へ行ってきました。
といっても本日は薬はチェンジなしでお薬もらうためのみに行きました。
理由は前回お話したように、まだ自分の中で減らしても大丈夫という確信がないので、先に観察をもう一か月してから主治医にもう一段階減薬を進めるか機構と思ったからです。
今回見た病院の景色
カウンターで必死に訴えてるおっちゃん
私が行っているのは中国の病院(精神科)ですが、大病院のここでは患者が多く、患者同士、のみでなく患者と医者間もお互いがぴりぴりしています。
カウンターで予約した患者がどの医者にかかるかを分けるとこがあるのですが、そこで一人のおじちゃんがすごい剣幕でカウンターの看護師の人に訴えていました。順番がいつまでたっても呼ばれないとか、毎回ここではトラブルが多いです。
このおっちゃんの感情の吐露の仕方には周りも影響されるぐらいでしたが、一緒に隣に患者本人らしいおばさんもいました。もしかしたら自分の妻のために怒っていたのかもしれません。そう思うと、もう誰が悪者なのか、何とも言えない気持ちでした。
そもそも予約は毎朝8時頃に三日後の予約が開放される形で、早くとればとるほど、病院に行った際に呼ばれる順番も優先される、という二重のシステムを取っています。でも私の経験からしても、病気の人が朝8時に起きてネットの遅さに切れながら予約取るのも大変だし、今まで100番いないに取れた事がないです。皆さんどうやってスタンバイしてるのか不思議です。
陽気な書道おじちゃん
ここではマイナスな気分に陥ることも多いので私は本を読みながら並んでいました。そしたら私に「ここならんでる?」と聞いてきたおっちゃんがいました。もうすごい笑顔でへらへらしてました。その後私が読んでいる本を指して「日本語を読むのか」と聞いてきました。「そうだよ、私は日本人なんよ」と言ったら驚かれて「見えない!日本には3回行く機会があったよ!」と。そして「俺は書道をやってるんだ、それが専門だ」と言っていました。
おじちゃんからにじみ出る気の良さと、書道という日本と中国の共通の芸術に親近感を覚えて一気に楽しい気分になりました。その後私は自分の番が来てそれきりになってしまいましたが、良き出会いもあるもんだ、と思いました。
本日読んだ本について
ちょうど今日読んでいた本が柳澤桂子さんの「癒されて生きる」(岩波現代文庫)です。
こちらは、原因不明の体調不良によって何十年も闘病を余儀なくされていながら、必死に毎日思考を繰り返してきた生活が綴られています。
「心因性」という言葉がいとも簡単に身体的症状に対して使われること。一度心因性と診断されると、患者の訴えの信頼がなくなること。この悔しさは私も今年初旬の体調不良で味わいました。
精神疾患を認めたくないというわけではなく、患者の訴えに真摯に向き合おうとしない医師の多さに私も本当に声を上げたい気持ちです。
私の友人には2人の医学生がいます。一人はとても良い医師になると思っていますが、もう一人は正直医師になってほしくない人です。技術はもちろん大事ですが、技術信奉が社会に根強いというか、命を扱う職として人格も多いに養ってもらうことを願うばかりです。
最後に
毎回心の準備が必要な診療ですが、無事に終えられてよかったです。毎日の行動と感情の記録も続けていますが、特に大きな波はなくこの調子だと1か月後の再診ではもう一歩進められそうです。慎重に、でも朗らかに頑張ります。