デブでブスな令嬢は英雄に求愛される 第6話
ジュリア・レーゼルバールの人生はある程度の波乱を有している。
その波乱の幕開けは齢12歳にして両親を崖からの転落事故でそろって亡くす、という不幸から始まった。
それによってこれまで辺境伯の一人娘として婿を取ってそちらを後継とすることがほぼ決まっていたジュリアが、それまでそこそこの経営の勉強と花嫁修業しかしたことのなかったジュリアが、突然伯爵として皆を率いる立場になってしまったのだ。
つまり予習も何もなく、いきなり一人で領地の舵取りをするはめになったのである。