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【白き森ホルス】構築紹介【MD】
みなさんこんにちは。金井凛(かねいりん)です。
今回は、遊戯王マスターデュエルの2024年12月環境(天盃龍環境)で使用したデッキ【白き森ホルス】について紹介します。
全文無料です。
1. 構築
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遊戯王ニューロン: 5gyhv0m
2. 実績
デュエリストカップ(2024DEC)
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レート戦(season 36)
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構築が定まりきってない初期の段階で一度暫定一位を、その後1700台後半を達成しています。
弱くはないが、結果を残せるほど強くもない、という評価です。伸びしろがあります。
3. 先攻展開
先攻理想盤面
このデッキが目指す先攻盤面は以下の通りです。
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<妨害>
・《魔法族の里》による、魔法発動不可状態
・《フルール・ド・バロネス》による、なんでも無効
・《白き森のわざわいなり》から出される《白き森の魔狼シルウィア》による、相手モンスター全裏守備
<リソース>
・《白き森の妖魔ディアベル》が回収した魔法罠
・わざわいなり発動による、墓地のリゼットの回収
→フィールドのシルウィアとリゼットでディアベルをS召喚、わざわいなり回収で、次のターンもわざわいなりの使用が可能
展開例
まずは、以下の中継盤面を目指します。
<初動>
・《白き森のアステーリャ》+魔法罠コスト
・《白き森のリゼット》+魔法罠コスト×2
・《白き森のいいつたえ》+魔法使い族モンスター(召喚権不使用)+魔法罠コスト
<中継盤面>
・モンスター:《白き森の妖魔ディアベル》、《白き森のルシア》、《白き森のアステーリャ》or《白き森のリゼット》
・魔法罠:《白き森のわざわいなり》
・墓地:《白き森の魔性ルシエラ》、《白き森のシルヴィ》
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ここまでは白き森の一般的な展開のため省略。
次に、以下のようにして理想盤面へ展開します。
白き森のいつもの盤面からの展開
— 金井凛 (@rin_reincarnate) December 13, 2024
魔法族の里+バロネス+ルシア(シルヴィ)+わざわいなり pic.twitter.com/fG5TIL9zX9
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とても強い
なお、他のカードや素引きで《魔法族の里》へアクセスできた場合は、中継盤面で、ルシアとリゼットで《I:P マスカレーナ》をL召喚、ルシエラをEXに戻してルシアかシルヴィを蘇生して展開終了です。
この場合、ディアベルの効果で相手ターンにバロネスorアンヘルを出すことになります。通常の展開から、マスカレーナの分1〜2妨害が追加されます。
この他に決まった展開ルートはありません。
4. 構築思想
上記の展開には大きく2つのメリットがあります。
①展開にサブギミックが不要
里+バロネス+わざわいなり の盤面は、コストを除き、白き森の動きだけで完結します。トイボックスを絡めたり、センチュリオンやスプライトを絡めたりする必要がありません。メインデッキも、魔法族の里以外の余計なカードはこの段階では入りません。
②天盃龍に(ほぼ)勝てる
2妨害+1永続ではやや強度が足りないように見えますが、天盃龍に対してはこれで必要十分な妨害となっています。
・《魔法族の里》によって、《燦幻開門》《盃満ちる燦幻荘》の2枚の展開札が使えず、《ライトニングストーム》《禁じられた一滴》などのまくり札が使えない。
・相手の召喚権によるチェーン解決後に、《白き森のわざわいなり》を発動、シルウィアで相手モンスターは全て裏側守備表示に。
・わざわいなりに対するうららは、バロネスでケア。
これで相手ができることは何もなくなり、あとは適当に打点を出せば勝ち。そうでなくとも、白き森特有のリソース回復で、全く同じことが次のターンもできるため、特に問題はなし。
その他の環境デッキも、いくつかの例外を除き同じようにして勝つことができます。
つまり、「アステーリャさえ通せば勝つ」がこのデッキの考え方になります。(他のカードも初動になりますが、以降は、「白き森初動を通す」の意味合い・象徴として、「アステーリャ」を使います。)
そのため、「アステーリャ以外のカード全てで、相手の誘発を受けたり防いだりしつつ、最後にアステーリャを通す」。今回のデッキはこれを目的にしています。
この考え方は、特にトイボックス型やスプライト型と異なっています。「アステーリャへの誘発を他のギミックで貫通する」「他のギミックで先行盤面を補強する」という考えは、このデッキにはほぼありません。
5. サブギミックについて
とはいえ、「白き森」は弱点が多く、純構築では、
「アステーリャ以外のカード全てで、相手の誘発を受けたり防いだりしつつ、最後にアステーリャを通す」
というプランの達成が難しくなっています。
そのためサブギミックの採用が検討されるのですが、「白き森」のサブギミックには以下のようなことが求められます。
<初動の補強>
・初動カード(アステーリャ、リゼット、いいつたえ)へのアクセス
・魔法罠コストの供給(アステーリャ、リゼット初動)
・召喚権を使用しない魔法使い族、幻想魔族モンスターの供給(いいつたえ初動)
<誘発受け>
・白き森より先に動き、無効系誘発を受けることのできるギミック
・白き森より先に、相手の効果を無効にできるカードの成立
・《増殖するG》に対する回答
・《ドロール&ロックバード》に対する回答
・《ディメンションアトラクター》に対する回答
<誘発貫通>
・レベル4チューナー、レベル2非チューナーの特殊召喚による供給
・サブギミックによる白き森に頼らない展開
以上を満たすことのできるギミックをいろいろ試した結果、「ホルスギミック」「救いの架け橋ギミック」をサブギミックとして今回は採用しました。
ホルスギミック
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ホルスギミックは、初動の補強、誘発受け、長期戦のリソース、後攻時の捲り手段、手札を墓地へ送る手段という役割があります。
<初動の補強>
・《ホルスの栄光 - イムセティ》のドロー、および《真血公ヴァンパイア》の効果により、擬似的に初動にアクセスすることを目指します。白き森ギミックに確定でアクセスすることはできませんが、初期の5枚に追加で5枚のカードから初動を探せるため、高確率で白き森展開を始めることができます。
・《王墓の石壁》《王の棺》は、白き森の魔法罠コストになります。また、一度コストにしてしまっても、必要であればディアベルで回収することもできます。
・イムセティは魔法使い族であり、簡単な条件で特殊召喚できていいつたえの発動条件を満たします。また、石壁初動の場合、イムセティの②を無効にされてもイムセティの特殊召喚ができるため相性が良いです。
<誘発受け>
・イムセティの②は、《灰流うらら》の絶好の打ちどころになります。
・《真血公ヴァンパイア》は《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》の絶好の打ちどころになります。
・誘発を投げられなければ《No.90 銀河眼の光子卿》で、モンスター効果を一度止めることができ、次のターンの妨害にもなります。
<長期戦のリソース><後攻時の捲り手段>
・ホルスギミックがロングゲームに強いです。
<手札を墓地へ送る>
・後述の《救いの架け橋》を、白き森ギミック以外で墓地へ送ることができます。
・《白き森のアステーリャ》を墓地へおくることができます。これにより、シルヴィ召喚で白き森の動きを行う際に、本来は絡むことのないアステーリャを、自身の蘇生効果でフィールドに出すことができるため、最大展開はできないにせよ、盤面強度を上げることができます。
救いの架け橋ギミック
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救いの架け橋ギミックは、ホルスギミックへのアクセス、Gへの回答、ドロバへの回答という役割があります。
<ホルスギミックへのアクセス>
《王墓の石壁》をサーチすることで、ホルスギミックへつなげ、ホルスギミックのメリットを享受することができます。
<Gへの回答><ドロバへの回答>
基本的に白き森は、Gやドロバに極めて弱いですが、《魔法族の里》をサーチすることができれば、ターンを返してもらえる確率が上がります。特に、《白き森のわざわいなり》へアクセスできていれば、多くの対面で勝負へ持ち込むことができます。
また、救いの架け橋採用にあたり、《おろかな副葬》も採用したのですが、それに合わせて《嗤う黒山羊》も1枚採用しました。先攻時に伏せても捨てても強いカードでありつつ、後攻でもメインの動きを行う前に墓地へ送ることができれば、盤面を返せることが多くなります。
救いの架け橋でサーチするフィールド魔法は、
ホルスギミックへアクセスできていたら魔法族の里
G、ドロバを受けたら魔法族の里
そうでなければ王墓の石壁
としました。特に、アステーリャで架け橋を捨てた初動の場合、シルヴィのサーチ後にドロバがなければ、一旦白き森の展開を中断してホルスの動きを行いフォトンロードを作ることで、ニビルケア、クロウ・マグナムートケアができます。魔法族の里へはヘルホーンドザウルスでアクセスすれば問題ありません。
これらのサブギミックにより、白き森の弱点の多くを補うことを目指しました。
なお、ディメンションアトラクターへの回答、サブギミックのみでの展開は用意しませんでした。
ディメンションアトラクターは割り切り、サブギミック展開はなくても白き森展開が通れば問題ない、というのがそれぞれの理由です。
6. この構築の弱点
この構築の強いところについては構築思想のところである程度書いたので、DCを走って弱かった部分について挙げていきます。
参考として、このデッキでDCを走った際の記録を出します。
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弱点①:誘発
良くも悪くも「アステーリャ」に強く依存するデッキとしたことで、複数枚の誘発に対してかなり弱くなっていました。
戦っていても、ホルスにうらら→アステーリャにヴェーラーで負け、というような試合が多く、竜剣士をはじめとする他の先攻番長デッキより明確に劣っていたと感じています。
それでも天盃龍対面の勝率はほぼ五分ですが、結果を出した先攻番長デッキは天盃龍対面に7割近い勝率を出していることも珍しくはなかったので、明確な差だと思います。
そもそもホルスも架け橋も素引きできていなければ、白き森カードをどれだけ持っていようと誘発が貫通できないことに変わりはありません。
弱点②:素引きしたくないカード
《宝玉獣コバルトイーグル》《ホルスの先導 - ハーピ》がこれにあたります。デッキパワーを上げるためには仕方ないですが、素引きしたうえでこれらが試合に関わらないと、負けることが多くありました。
とはいえ、このデッキでは《王墓の石壁》でこれらをデッキに戻したり有効に活用したりできること、《王墓の石壁》は、《ヘルホーンドザウルス》でアクセスできることから、”展開が通れば”、腐ることは少ないです。
弱点③:霊獣
《魔法族の里》も《白き森の魔狼シルウィア》も大して刺さりません。こちらの先攻展開が通った場合は、バロネスなどもあるため、それでも勝負ができるのですが、問題はG、ドロバ、アトラクターを使われた場合。
妥協盤面をそもそも作れなかったり、作っても全く刺さらなかったりで負けてしまうことが多かったです。
似たような理由で、モンスター展開が主体かつ早々にリングリボーを作ることのできるサイバース対面、カルテシアやクエムで里を無力化しやすい烙印対面も苦手寄りでした。
7. まとめ
通れば多くのデッキに勝てる先攻番長、要求値も低め
1誘発程度なら貫通できる場合が多い
妥協盤面も手札が良ければ用意できる
2誘発、不利対面など弱点は多い
現段階での白き森でDCで銀アイコンを取るために作り上げたデッキなため、次以降の環境でも通用するかはわからないですが、一定の強さはあると思います。
ヘルホーンドザウルスで魔法族の里を張った瞬間全てを察してサレンダーするのを見る快感は他の型にはないと思うので、ぜひ組んでみてください!
最後まで読んでいただきありがとうございました。