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【MD】令和の結界ジョウゲンシステム【アナコンダ粛声】


粛声なる守護者 ロー&ジョウゲンガーディアン

0. はじめに

みなさんはじめまして。金井凛(かねい りん)と申します。

先日、マスターデュエルに実装された新テーマ【粛声】《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》を利用するギミックを採用したデッキを組んで遊んでいました。

そしたら・・・

偶然にも一時間だけレート一位になってしまい、粛声デッキにおけるアナコンダギミックが一気に広まることになりました。

デッキの回し方を知りたいというつぶやきが多い一方で、このデッキの一次情報がほぼ上記の画像しかないことから、【アナコンダ粛声】のnoteを書くに至りました。

全文無料です。長文ですがよければお読みください。


おことわり

なお、本文に入る前に、以下の2点をご了承ください。

1:いわゆる純構築の【粛声】デッキについては、ある程度理解しているものとして、新たに追加したギミック中心に書いていきます。そのため、粛声のカード紹介や基本の展開は詳述しません。粛声の基本を詳しく知りたい方は、やまきゃさんのnoteがおすすめです。

2:このデッキは、「対策が困難な状況を作り出すデッキ」「早期決着によりデュエルの駆け引きの要素が著しく損なわれるデッキ」にあたります。そのため、リミットレギュレーションの変更により、デッキとして成立しなくなる可能性が高いです。使うなら早めに使いましょう。

(2024/10/03 追記)
そのため、リミットレギュレーションの変更で、《昇霊術師 ジョウゲン》が10/10より禁止カードに指定され、デッキのコンセプトが崩壊しました。

粛声が実装されてからの2ヶ月間使うことができた、MDオリジナル構築の記録・歴史として、この記事をお楽しみください。


1. デッキ紹介

完成盤面

では早速、【アナコンダ型粛声】が目指したい先行展開盤面を提示します。

自分のターンの終了時
相手ターン開始時に、真炎竜アルビオンの効果で、ジョウゲンを蘇生

通常の粛声の基本盤面に加えて、こちらの場には、《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》《真炎竜アルビオン》《昇霊術師 ジョウゲン》が追加されています。

これがどのような盤面かというと、

《昇霊術師 ジョウゲン》の永続効果で、お互いに特殊召喚ができない。そのため、大半のデッキは、ジョウゲンを除去しないとまともに展開ができない。

《粛声なる結界》の永続効果で、フィールドの光属性モンスターには対象耐性があり、相手は儀式モンスターしか攻撃対象にできない
つまり、相手は《昇霊術師 ジョウゲン》を効果の対象にできず、攻撃対象にもできない。

《粛声なる守護者ローガーディアン》の無効効果により、《墓穴の指名者》などの解決札を一度無効にできる。

となります。除去が極めて困難なジョウゲンにより、解決札を引いていない相手の手数を全否定し、楽に勝つ。《隣の芝刈り》で相手のデッキ30枚くらいが墓地へ送られても、ユベル関連カードがどんなに破壊されても、何も起きません。

粛声が苦手としていた、「手数で盤面を返される」という弱点をケアでき、先攻を勝ちやすくするのが、このデッキの最大の特徴になります。

他のデッキで例えるなら、【六花】が使う《サボウ・クローザー》【ヴァリアンツ】が使う、《フォッシル・ダイナ・パキケファロ》《魔法族の里》あたりでしょうか。最近も、他のデッキで聞いたことがあるような・・・。

誘発受けがいいミッドレンジテーマでありながら、誘発を打たず自由にさせたら、ジョウゲンによるロックで詰ませにいく。性質の異なる2つのデッキタイプがコンパクトにまとまっているのが、このデッキの魅力です。

画像はしらこさん(@peroshirako)よりお借りしました

カード紹介

通常の粛声と比較して、新たにデッキに入ったカードについて簡単に解説します。

《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》

効果モンスター2体で出せるリンクモンスターです。
このデッキで使用するのは②の、融合関連カードの効果をコピーする効果で、これで《烙印融合》の効果を使用します。


《烙印融合》

基本的には、アナコンダの効果で墓地へ送られ、その効果を使用することになります。

また、このデッキはEXデッキに頼らない展開が可能なため、融合モンスターしかEXデッキから特殊召喚できない制約が気になりません。素引きしたら、好きなタイミングで発動して使うことができます。


《真炎竜アルビオン》

《烙印融合》から主に出すことになる融合モンスターです。融合素材は《アルバスの落胤》+「魔法使い族・光属性モンスター」であり、後者は、このデッキでは《昇霊術師ジョウゲン》の他に《エフェクト・ヴェーラー》が該当します。

主に使用するのは②の効果で、これで融合素材にした《昇霊術師ジョウゲン》を蘇生することで、お互いの特殊召喚を封じることができます。

①の対象耐性、効果外の融合素材不可制約もしっかり強く、メタビやR-ACE対面でかなり活躍します。


《アルバスの落胤》

《烙印融合》を使ううえで必ずデッキに入れなければならないカード。
融合素材として墓地へ送られるのが基本の使い方ですが、このデッキでは、召喚権が余れば召喚して①の効果を使用することも可能です。

誘発で展開を弱めた炎王、センチュリオン、ユベルの妥協盤面に対して何度か使う場面がありました。

また、このデッキで最も攻撃力が高い下級モンスターでもあるため、メタビ対面でもそこそこの仕事をします。


《昇霊術師ジョウゲン》

永続効果で、お互いの特殊召喚を封じる効果を持っています。
主に《真炎竜アルビオン》の効果で自分の場に特殊召喚することで、相手の特殊召喚を封じ、動きを大きく制限することができます。

また、起動効果にはターン1制限がなく、ジョウゲンに対する除去や効果無効がケアできれば、後攻のまくり手段としても利用できます。


《氷剣竜ミラジェイド》・《撃鉄竜リンドブルム》・《鉄駆竜スプリンド》

《アルバスの落胤》の①の効果をして出す融合モンスター、およびアナコンダから融合召喚可能な融合モンスターの第二の選択肢として、これらのカードを採用しています。

基本的には、

  • 《氷剣竜ミラジェイド》の②の効果で、《撃鉄竜リンドブルム》をコストで墓地へ送り、フィールドのモンスター一体を除外

  • 相手ターンに、墓地の《撃鉄竜リンドブルム》の②の効果を使用し、《アルバスの落胤》を墓地から特殊召喚

  • 特殊召喚した《アルバスの落胤》の①の効果で、相手フィールドの特殊召喚されたモンスターと自身で《鉄駆竜スプリンド》を融合召喚

  • 《氷剣竜ミラジェイド》の③や、《鉄駆竜スプリンド》の①で、相手の盤面を荒らす

という使い方をします。能動的な除去が少ない【粛声】において、主に後攻のまくり手段の一つの選択肢になります。


では、これらの新たに追加されたカードを使用した、【アナコンダ粛声】の展開を見ていきましょう。

なお、これ以降カード名は以下の略称を使用します。
《粛声の祈り手ロー》→ロー
《粛声の竜賢姫サフィラ》→サフィラ
《粛声の竜賢聖サウラヴィス》→賢聖サウラヴィス
《古聖戴サウラヴィス》→儀式サウラヴィス、サウラヴィス
《粛声なる守護者ローガーディアン》→ローガーディアン
《粛声なる祈り》→祈り
《粛声なる結界》→結界
《粛声なる祝福》→祝福
《粛声なる威光》→威光
《宣告者の神巫》→神巫
《トリアス・ヒエラルキア》→ヒエラルキア
《捕食植物ヴェルテ・アナコンダ》→アナコンダ
《昇霊術師ジョウゲン》→ジョウゲン
《真炎竜アルビオン》→白アルビオン


2.【アナコンダ型粛声】の展開方法

基本展開

展開系デッキのような複雑な展開はありません。

1:ローガーディアンとローを揃えながら、追加で2体のモンスターを場に出す

これが

2:ローガーディアンとロー以外の2体でアナコンダをL召喚

こうなって

3:アナコンダの効果を使用
デッキから《烙印融合》を落とし、融合素材として、《アルバスの落胤》とジョウゲンを墓地へ送り、白アルビオンを融合召喚します。

こう

4:相手ターンに、白アルビオンの効果を使用
こちらの場にジョウゲン、相手の場に任意のモンスターを特殊召喚します。(私は、手札誘発か、《アルバスの落胤》を守備表示で出すことが多いです。)

これで完成

以上が固定された展開ルートです。ね?簡単でしょ?。

要は、ローガーディアンとローに加えて、2体のモンスターを場に揃えることさえできれば、ジョウゲンになります。

では、どのようにして追加で2体のモンスターを場に揃えるのか?
実はこれには、決まった展開ルートはありません。対戦ごとに、手札の状況や打たれた誘発、(マスターデュエル特有の)ラグを見ながら揃えます。

というのも、粛声の完全一枚初動である、ローや神巫だけでは、盤面に2体のモンスターを追加することはできません。必ず2枚以上の展開カードが必要になります。

よく起きる2枚、3枚初動の展開パターンについては、先にまとめてくれた方がいたので、展開ルートを暗記したい方は、こちらを参考にしてください。

しかし、このデッキはそれ以上に、「どうすればモンスターがフィールドに追加されるのかを把握すること」が大事だと思っています。
今の手札の状況からみて、結界やローやローガーディアンでどのカードをサーチすれば、場のモンスターの数を増やせるのか。
これを都度考えながらやっていればだんだん感覚でできるようになるはずです。

というわけで、【粛声】デッキができる、盤面へのモンスターの追加方法を確認していきましょう。


モンスターの追加方法

・①召喚権を余らせる
手札のローを儀式素材にすることで、召喚権が余ります。2体目のローや手札誘発を召喚すれば、一体増やすことができます。

・②宣告者の神巫を使用する
《トリアス・ヒエラルキア》
が追加され、一体増やせます。

・③ローガーディアンの儀式素材を手札から供給する
フィールドにローが存在し、かつ、手札から儀式素材を供給できる場合、
1. ロー1体で《リンクリボー》をL召喚
2. ローガーディアン儀式召喚。この際、手札のカードを儀式素材にする。
3. 儀式召喚成功時、墓地のローの効果で、ローを蘇生
で、《リンクリボー》一体分モンスターを追加できます。

・④祝福でローを儀式素材/召喚権の利用枠として墓地から回収する
祝福を、素引きしたり結界でサーチしたりすれば、①③の行動ができます。《リンクリボー》一体分モンスターを追加できます。

・⑤威光を利用し、モンスターを特殊召喚する
結界
を素引きしており、ローの効果で、威光を表側で置ける場合です。大抵の場合は、儀式召喚後に墓地に祈りがあるので、それを使って任意の粛声効果モンスターを特殊召喚できます。なんでもいいのですが、私はサフィラを特殊召喚することが多いです。

・⑥賢聖サウラヴィスを特殊召喚する
《儀式の下準備》、《金満で謙虚な壺》、《墓穴の指名者》などの魔法カードを使用した際は、ローガーディアンの儀式召喚時の効果で賢聖サウラヴィスをサーチし、自身の効果で特殊召喚することで、モンスターが一体増やせます。祈りを使用するため、威光と併用する際は祈りが複数枚必要なことに注意してください。

・⑦テーマ外の特殊召喚可能なモンスターを特殊召喚する
ビーステッドクシャトリラなどがこれにあたります。雑にモンスターが追加できるので、(粛声テーマカードと一緒に引くことができれば、)とても優秀です。

他にも、《三戦の才》で相手モンスターを奪う、2回目の儀式召喚を行うなどがありますが、よく使うのは大体上記の通りです。

上記の増やす方法、あるいはそれ以外の方法で、2体追加できるか?
可能であればアナコンダへ向かい、不可能なら普通の粛声の展開をする。それがこのデッキの回し方になります。

では実際に、どのように盤面を作っていくのか、いくつか展開例を用意したので、見ていきましょう。

なお、このnoteでは、MDで使用されることを想定して、ラグによる展開の分岐を詳述します。OCGではできない構築ですが、MD特有のプレイングであることにも注意してください。


展開例1:神巫+サフィラ

まずは以下のような手札から。2枚初動で説明したいため、素引きしたローガーディアンをないものとして考えます。

神巫+サフィラの2枚展開

1:サフィラの効果を発動します。

1-a:手札誘発を受けた場合

このタイミングで受ける可能性があるのは、《灰流うらら》《ディメンション・アトラクター》です。

《灰流うらら》:神巫
nsから普通の粛声の展開をします。結界ローガーディアンをサーチすれば、ロー+ローガーディアンになります。(実際は、今回は手札にすでにローガーディアンがあるため、アナコンダまで到達できます。)

《ディメンション・アトラクター》:あきらめましょう。

1-b:相手のラグが発生した場合
→考えられる誘発は、《灰流うらら》《増殖するG》《psyフレームギア・γ》、あとは《炎王神獣キリン》などのフリーチェーン効果です。このうち、うらら・γ神巫の召喚に当てられるとどうしようもないので、増殖するGを最大のケア対象として展開を考えます。ローガーディアンをサーチします。
その後は、神巫ns、ヒエラルキアを墓地に送ってレベル上昇。サフィラの墓地効果で神巫素材で儀式召喚することで、Gに対して2枚ドローで、ローガーディアン+ローと威光を構えます。アナコンダは諦めます。
(なお、この手札なら、すでにローガーディアンを引いているため、サフィラの効果で儀式サウラヴィスをサーチしつつ、サウラヴィスを素材にローガーディアンを儀式召喚、ローをサーチして召喚すれば1ドローで済みます。)

1-c:相手のラグが発生しなかった場合
《灰流うらら》《増殖するG》《psyフレームギア・γ》を相手の手札から否定できます。このとき最もケアするべきは、神巫nsに対する、《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》です。儀式サウラヴィスをサーチします。

サウラヴィスサーチまで

2:(1-c続き)神巫を通常召喚します。

2-a:《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》を受けた場合
サウラヴィスで無効にしましょう。2枚持たれていたら諦めましょう。
サウラヴィスを使用した場合、アナコンダ成立にはカードが1枚足りなくなります。(今回は、手札にローガーディアンがあるので可能ですが)
諦めて普通の粛声で戦いましょう。

2-b:相手のラグが発生した場合
→考えられるのは、《エフェクト・ヴェーラー》《無限泡影》の温存か、深淵の獣カードです。前者は対策ができているため、ここでは、深淵の獣をケアします。神巫から、ヒエラルキアを落として、一旦優先権を放棄します。
相手視点、サフィラ儀式サウラヴィスをサーチしているため、すでにローガーディアンが手札にあると思うことでしょう。(実際今回はそうですが)
深淵の獣があり、相手が上手なプレーヤーならば、このタイミングでサフィラを除外するはずです。
このタイミングでサフィラが除外されなければ、このラグは無視で良い可能性が高いです。
一方、実際に深淵の獣で、サフィラが除外されてしまった場合、このターン中のローガーディアンの儀式召喚は難しくなります。この場合、

  • 神巫リリースでヒエラルキアss、神巫効果でローss

  • ローで結界設置、結界で威光サーチ

  • ヒエラルキアとローでアナコンダL召喚、白アルビオン融合召喚

  • 相手ターン、メインフェイズの2回行動を許すものの、賢聖サウラヴィス経由で、ローガーディアン+ロー成立

  • その後、白アルビオンの効果で、ジョウゲンを蘇生

とすることで、ロックが成立します。隙が多いものの、これでもロックが成立してしまうのが恐ろしいところですね。
なお、サフィラのサーチ後に《ドロール&ロックバード》を受けた場合も、ロー威光を直接置けば、この動きができます。結界は相手ターンに貼りましょう。

なお、今回はローガーディアンを素引きしています。これなら、ローガーディアン+ロー+アナコンダは以下のように成立します。

  • 神巫リリースでヒエラルキアss、神巫効果でローss

  • ローで結界設置、結界で祝福サーチ

  • ローでリンクリボーL召喚、祝福でロー回収

  • ヒエラルキアとリンクリボーでアナコンダL召喚、それに反応し、祝福の効果で手札のローを儀式素材にローガーディアンL召喚

  • ローが蘇生してロー+ローガーディアン+アナコンダが成立


2-c:相手のラグが発生しなかった場合
《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》および深淵の獣を否定できるので、残る可能性で危険なのはほぼ《原始生命態ニビル》のみです。
ニビルに対しては、たとえ受けてもローガーディアン+ローは成立するため、ここからは最大値を狙いにいきます。ヒエラルキアを落としましょう。

神巫リリースでヒエラルキアss、神巫の効果でローをssします。ローの効果で、結界を設置しましょう。

結界の設置まで

3:(2-c続き)結界の効果で、ローガーディアンをサーチします。
(今回はすでにローガーディアンを引けているためここは飛ばします。)

4:ロー1体で、リンクリボーをL召喚します。

ローの蘇生効果を利用するため、一旦ローを墓地へ

5:墓地のサフィラの効果で儀式召喚
手札の儀式サウラヴィスを素材に、ローガーディアンを儀式召喚します。その後は、

  • 墓地のローを蘇生

  • ローガーディアンで2体目の儀式サウラヴィスをサーチ(結界が剥がされても、ジョウゲンへの対象をとる効果をケアするため)

  • (今回は)余った結界のサーチ効果で、威光をサーチ(相手ターンに特殊召喚をしないので、アナコンダ型では、威光祝福よりサーチの優先度が高いです。結界を剥がされても、相手のnsしたモンスターを威光で破壊すればジョウゲンを守れます。)

として盤面を固めましょう。これで、ローガーディアン+ロー+モンスター2体が成立しました。以降は基本展開と同じなので省略します。


展開例2:結界+儀式の下準備

続いては以下のような手札です。非常に誘発受けが良い、手札のローを儀式素材とした儀式召喚から始める展開の場合は、大抵の場合にアナコンダが成立します。特に、結界を素引きした場合は、効果が全て通れば必ず成立します。

結界を含む、ロー素材儀式スタートの展開

1:結界と儀式の下準備の効果を使用します。

1-a:いずれかに《灰流うらら》を受けた場合、結界に《幽鬼うさぎ》を受けた場合
片方が不発なだけなら、ローガーディアンを素引きしたこの手札であれば、ローガーディアン+ローは成立します。アナコンダは諦めて、通常の粛声で戦いましょう。

1-b:《ドロール&ロックバード》を受けた場合
儀式の下準備を先に使用した場合は、ローにアクセスできなくなります。この場合は儀式サウラヴィスの1妨害か、ドロバかGを召喚してアナコンダを作りましょう。

結界を先に使用した場合は、儀式ができなくなります。今回はローガーディアンを素引きしているので、

  • ローを召喚して威光を設置

  • 威光で手札のローガーディアンをデッキに戻し、賢聖サウラヴィスを特殊召喚

で、相手ターンにローガーディアンを出しましょう。アナコンダへ向かうことも可能です。

1-c:誘発を受けなかった場合
手札に、祈り、ロー、ローガーディアンを揃えましょう。今回はローガーディアンを引けているので、《無限泡影》《エフェクト・ヴェーラー》をケアできる、儀式サウラヴィスをサーチします。

サーチ効果の使用後まで

2:(1-c続き)祈りを発動、ローを素材にローガーディアンを儀式召喚します。

※ここで《増殖するG》をチェーンされた場合
2ドローで、ローガーディアン+ローを成立させて、ターンを返しましょう増殖するGを無視してアナコンダへ向かうことは、解決札を2枚持たれる確率が飛躍的に上がるため、非推奨です。
今回は、手札の儀式サウラヴィスを素材にすることで、1ドローに抑えることもできます。

3:ローをチェーン1、ローガーディアンをチェーン2として、効果を使用します。

3-a:ローの蘇生を深淵の獣などで止められた場合
ローガーディアンでローをサーチ、召喚しましょう。2体余らせることはできないので、通常の粛声で戦います。

3-b:ローガーディアンに誘発を受けた場合
《無限泡影》などで、ローガーディアンの効果を無効にされた場合は、アナコンダへ向かうことは非推奨です。
手札のドロバかGを召喚することでアナコンダを作ることはできますが、ローの蘇生効果が使用済みのため、ニビルが上手にケアできません。
《灰流うらら》を受けた場合は、ローガーディアンの無効効果が使用できるため、ニビルをケアしつつ、Gかドロバを召喚して、アナコンダへ向かうことができます。

3-c:効果が全て通った場合
・ローガーディアンの効果で、2枚目のロー(召喚権を使用できるカード)をサーチします。既に召喚権を使えるカード(ロー、神巫、かぶった誘発)がある場合は、サフィラか儀式サウラヴィスをサーチすることが多いです。
・ローの特殊召喚時の効果で、威光を設置します。

儀式召喚後のチェーン解決まで

4:(3-c続き)召喚権でモンスターを召喚、威光の効果でモンスターを特殊召喚します。

・召喚権で、先ほどサーチした2枚目のローを召喚します。
威光は、基本は墓地の祈りを使用することになります。なお、墓地の祈りはさまざまな除去カードをケアできることから可能なら残したいため、今回は手札のサウラヴィスをデッキに戻します
・威光で特殊召喚するモンスターはなんでも良いです。墓地効果のある、サフィラを選ぶことが私は多いです。

場に2体のモンスターを追加

これで、ローガーディアン+ロー+モンスター2体が成立しました。以降は基本展開と同じなので省略します。


展開例3:ダイナモンド+アナコンダ展開

粛声の展開のなかには、ローガーディアン+ロー+2枚が無理でも、ダイナモンド+2枚であれば展開可能な場合があります。
動画を見てもらった方が早いので以下で確認してください。

なお、滅多に起きないのと、起きても基本手順が異なるため、展開方法は詳述しません。

この、ダイナモンド+アナコンダの盤面の特徴として、「墓穴の指名者を1枚までならケアできる」というものがあります。
たとえダイナモンドに墓穴の指名者を受けても、白アルビオンの効果でローガーディアンを蘇生すれば、ローガーディアン+威光の2妨害が成立します。ジョウゲンは諦めることになりますが・・・。

とはいえこの展開は、ニビルや墓穴の指名者2枚持ち、超融合など、リスクが大きくなります。ロー+ローガーディアン+威光で止まることも可能なので、好きな方を選びましょう。
この動画の試合では、相手から一切のラグがなかったことから、ニビル以外をケアする必要がなかったうえで、「手札6枚から大量に動かれて盤面を返される」という負け筋と、「ごく一部の誘発・まくり札によって、ローガーディアンで止まった場合より弱くなる」という負け筋の2つを考え、負け筋がより細そうな後者を選択しました。


展開例4:粛声の動きができない場合

これまでの展開例で誘発を受けた場合にも時々書かれていた、「最低限アナコンダは成立」という状況です。

まずはこちらの動画をご覧ください。

うわこれマジ粛声でレート戦楽勝じゃん宣告者の神巫使ってロー特殊召喚してあああああヴェーラーくらっちゃったああああマジ無理ゲーTVじゃん
でもサーチしたサウラヴィスで無効にすれば貫通じゃんマジプレイゲーTVかよあああああ無限泡影くらっちゃったあああ

こういった場面も、フィールドにモンスターが2体並べば、アナコンダから烙印融合をコピーすることができます。

盤面がアナコンダのみの場合は、《真炎竜アルビオン》の他に、《氷剣竜ミラジェイド》の融合召喚も選択肢に入ります。それぞれのメリットデメリットは以下の通りです。


《真炎竜アルビオン》を出す場合
メリット
・耐性のないジョウゲンだけでも、相手次第では勝つことができる
・相手の特殊召喚効果にチェーンしてジョウゲンを蘇生
することで、《ティアラメンツ・ルルカロス》のような、特殊召喚無効効果として擬似的に運用ができるうえ、バトルフェイズを強要できる
・効果を温存し、エンドフェイズにジョウゲンではなくローや神巫を蘇生することで、リソースとしても運用できる
場合によっては、相手フィールドにジョウゲンを守備表示で特殊召喚することで、相手の展開を止めつつ、1ハンデス+盤面一掃をしてもらうことができる

デメリット
墓穴の指名者深淵の獣に非常に弱い
・1妨害にしかならないことが多く、相手に手数があればどうしようもなくなることが多い


《氷剣竜ミラジェイド》を出す場合
メリット
・妨害数が多い
(ミラジェイドの除外効果、リンドブルムで蘇生した《アルバスの落胤》の融合効果)
・フィールドと墓地から妨害を行うため、カード1枚で0妨害になる可能性が低く、リスク分散ができる
・ミラジェイドの③やスプリンドの①により、相手の盤面を壊してから、次の動きをしやすい

デメリット
・ジョウゲン蘇生と比べると、妨害の質は低い
・アルバスの効果に手札コストが必要
後続のリソースは確保できない


この2体のどちらがより良い選択なのかは、私にもまだよくわかっていません。現状は、

・次のターンの初動やリソースがない
・手札誘発で複数回の妨害が可能
という場合は、《真炎竜アルビオン》を、

・次のターンの初動はある
・手札誘発が少なく、妨害の絶対数が足りない
・手札に《増殖するG》がある
という場合は、《氷剣竜ミラジェイド》を、

出すことが私は多いです。上に挙げた動画では、3ターン目の初動カードを引けていない一方、手札誘発が豊富なため、白アルビオンをたてていますね。


ここまでいくつか展開例をのせましたが、粛声はキッチリと決まった展開ルートがあるわけではありません。

その都度適切な選択をすることによって、勝率は上がっていくはずです。

そんな粛声のアナコンダ型のデッキを回す上で、私が大事にしていることをまとめます。


3. 対戦するうえで意識すること

アナコンダは上振れである

これまでの展開例でも、相手に誘発を打たれた際、「アナコンダを諦める」という選択が数多く登場しました。
私は、このデッキにおけるアナコンダは、「手札が上振れたときの、盤面の最大値の強化」と考えています。
そのため、ローや神巫の1枚初動だったり、誘発を受けたときは、素直にロー+ローガーディアンでターンを返しましょう。

私の経験上、ローガーディアンと威光の妨害の他に、自分の手札誘発の数、相手に使わせた手札誘発の数、その他の妨害、の合計が2以上であれば、大半の相手に勝つことができます。ローや神巫の1枚初動の場合、かなりの確率で残りの手札4枚に手札誘発があるはずです。手札が上振れてもアナコンダへいけない場合、相手が手札誘発を使用していて、相手の後手の手数は少ないことが多いはずです。

粛声は粛声だけの盤面でもしっかりとした強さがあります。明確な理由がない限り、あえてローガーディアン+ローを崩してまでアナコンダを作る必要性は低いと私は考えています。


誘発受けを常に意識 / 最低限ローガーディアン+ローは成立させる

【粛声】デッキの魅力の一つは、増殖するGを含む相手の手札誘発に対する耐性の高さにあります。そうした誘発耐性を捨ててまで、最大値を取りにいく必要はありません。
幸いにして、遊戯王マスターデュエルでは、ラグによって相手が持っている手札誘発をある程度推測することができます
粛声の着地点である、ローガーディアン+ローが成立できなくなる誘発・誘発の組があるとすれば何か、ラグから判断して、それを持たれている可能性はあるのか、ケアはできるのか、それらを常に考え、まずはローガーディアン+ローの成立を目標にしましょう。
[展開例1]でも、《増殖するG》が疑われるならGをケアできる展開を、サフィラの最初のサーチも、無効系誘発をケアできるサウラヴィスにしていますね。


ジョウゲン成立後は、ローガーディアンや威光は、ジョウゲンや結界を守るために使う

結界ジョウゲンを解決できるカードは限られています。普段は怖い《隣の芝刈り》や、相手の《粛声なる結界》など除去したくなる永続魔法なども、基本はスルーしましょう。

現環境で採用されるカードで、ジョウゲンを解決できる可能性があるのは、《冥王結界波》《三戦の才》《サンダーボルト》や、それらをサーチできる《三戦の号》、ローガーディアンの無効効果にチェーンする《幽鬼うさぎ》です。
なお、《禁じられた一滴》はどうしようもありません。

可能な限り何もせず、相手が苦しみながらサレンダーするのを待つ。《三戦の号》など解決できるカードを使われたら、そこをマスカンとみて、ローガーディアンを使う。素引きの《冥王結界波》や《禁じられた一滴》は、相手が満足に展開できないのを祈りつつ、威光や手札誘発で戦う。
そんな感じでOKです。無闇にローガーディアンを使ってはいけません。

一方、結界には何の耐性もないため、そちらを先に除去されることは多いです。《炎王神天焼》《壱世壊を揺るがす鼓動》がこれに当たります。
しかしこの場合も、次のターン結界を張り直せるならスルーしましょう。そのターンの戦闘破壊は、相手が通常召喚したモンスターを威光で破壊すれば防げます。


さて、ここまでで、【アナコンダ粛声】の展開方法やプレイングを見てきたので、改めてこのデッキの純構築の【粛声】と比較した強み、弱みをまとめます。

4. 【アナコンダ粛声】の【粛声】と比較した強み

ジョウゲンのロック性能、除去耐性の高さ

ジョウゲンのロックが決まった際の制圧力は極めて高いです。手数で盤面を返されるという、粛声の弱点の一つをかなり克服することができます

また、純構築の粛声では、マスカンに妨害を当てる必要がある一方で、ジョウゲンロックは、決まってしまえばそれらを処理するカードに破壊や無効を使うだけでよくなるので、非常にプレイが楽になります。

マスカンの見極めが苦手で、強みを押し付けて勝ちたい人にはおすすめできます。(尤も、そういう人は粛声以外にもっとおすすめできるデッキがありそうですが)


アナコンダギミックの素引きがそこそこ強い

他の多くのアナコンダ出張と違い、このデッキのアナコンダギミックのカード《烙印融合》《アルバスの落胤》《昇霊術師ジョウゲン》は、いずれも手札で役割を持つことができます。

《烙印融合》
【粛声】は《天底の使徒》が初動補助として採用できるレベルでEXデッキを使用しません。そのため、《烙印融合》の融合縛りがほぼ気にならず、好きなタイミングで使用することができます。《烙印融合》の素引きは、先攻の場合は最強のサブギミックカードになります。
後攻も、最後の蓋としての役割の他に、白アルビオンの対象耐性が活きる場面があります。例えば【R-ACE】対面では、まず烙印融合を使い、《召命の神弓 アポロウーサ》を戦闘破壊してから粛声を展開する、ということができます。

《アルバスの落胤》
召喚権を使用しますが、後攻の場合は効果を使用して《氷剣竜ミラジェイド》などを作ることができます。
先攻では本当に役割がありません。手札かフィールドに残さなければならないので、アナコンダのために召喚することもできません。

《昇霊術師ジョウゲン》
先攻で、召喚権をつかわずにローとローガーディアンを揃えることが可能な場合は、ジョウゲンを召喚することでアナコンダを経由せずロックを作ることができます。
また、後攻でもジョウゲンを召喚して起動効果を使うことで、予想外の後攻捲りを行うことができます。
特にユベル対面では有効で、《破械唱導》をケアできれば、状況をひっくり返すことができます。

いただいた動画ですが、この対戦の対面が私です。


後手の蓋として活用できる

後手まくりがある程度うまくいき、相手の盤面が半壊したときにもアナコンダは有効です。

最近のデッキは墓地にリソースを抱えることが多いですが、ジョウゲンを出すことができれば、相手の次の動きを封じることができます。

例えば、以下の動画では、最後にジョウゲンで蓋をすることで、3ターン目の
《ファントム・オブ・ユベル》の展開を許さず、《ユベル》を時間をかけて処理できるようにしています。


5. 【アナコンダ粛声】の【粛声】と比較した弱み

アナコンダギミックの素引きはそこまで嬉しくない

あれ?さっきと違うこと言ってない?と思った方、まさしくその通りです。
《烙印融合》は別として、《アルバスの落胤》《昇霊術師ジョウゲン》は、あくまでも「役割がある」だけで、「手数になる」わけではありません

召喚権を使えば役割があるというのは、他のデッキのアナコンダ出張と比較すると強いのですが、【粛声】デッキは召喚権が大事なことが多いデッキなので、素引きしたアルバスやジョウゲンは、限られた場面でしか召喚できず、役に立てません。

例えばジョウゲンは、先攻で召喚できれば強いのは確かです。しかし、先攻でジョウゲン以外の手札4枚で召喚権を消費せずローとローガーディアンが揃う手札はどのくらいの確率でくるでしょうか?

例えばアルバスは、効果を通せれば強いのは確かです。しかし、後攻で、《アルバスの落胤》が除去されたり効果を無効にされたりせず効果が通ることはどれくらいあるでしょうか?

少量の外部ギミックを混ぜた構築は、その外部ギミックの素引きがあまり嬉しくない、というのは、このデッキでもそこまで変わりません。


一部のドローソースが入らない

アナコンダ型の粛声は、EXデッキのカードそれぞれを必要なときに適切に活用するデッキになります。そのため、ランダムにEXデッキを除外してしまう《強欲で金満な壺》や、EXデッキの展開を制限する《天底の使徒》のギミックは採用がしづらくなっています。


初動が減る、手数が増えない、事故率が上がる

アナコンダのギミックは、初動や手数を増やすものではありません。特に、《強欲で金満な壺》《天底の使徒》ギミックの代わりに、《烙印融合》《アルバスの落胤》《昇霊術師ジョウゲン》を採用しているため、純構築とくらべ少し手数が減って事故率が高くなっています。


苦手なまくり札が変わらない / 妨害の分散ができない

【粛声】はまくり札に対して比較的耐性がある一方で、《冥王結界波》《禁じられた一滴》といった、極めて苦手なカードも存在します。
アナコンダ型の粛声は、この「極めて苦手なカードがそのまま刺さってしまう」という弱点が存在します。
ジョウゲンは、《冥王結界波》《禁じられた一滴》という、一枚で戦況を変えてしまうカードをケアできるギミックでは一切ありません。

最近は、この構築を組んだ際の仮想敵であった、手数の多い【烙印】【60GS】がこれらのカードを採用していることが多く、
あれ?結局最も勝率を変えたいデッキにそこまで勝てていないのでは?
となっています。


6. まとめ:結局【アナコンダ粛声】ってどうだったの?

つまりアナコンダ型の粛声は、

  • 手札が上振れたときの最大値を大きく伸ばすことができ、ほとんどの相手に楽に勝つことができる

  • 初動やドローソースの一部をデッキから削るため、純構築と比べ、事故率は上昇する

  • 代わりに、《烙印融合》のような新たな手数や、《アルバスの落胤》《昇霊術師ジョウゲン》のような、特定の場面でのみ大きな仕事をするカードがデッキに入る

  • 《禁じられた一滴》のような弱点は変わらず、妨害箇所の分散はできない

という特徴を持ったデッキでした。

では【アナコンダ粛声】”強い”デッキ、純構築から切り替えて”組むに値する”デッキだったのでしょうか?


当時の私のスタンスは、「悪くはない」でした。

一時的にレート戦で一位になれるくらいには明確な強みのあるデッキではある一方、手数や初動率と弱みが多いデッキであるのも事実です。

アナコンダは、全くのナンセンスなギミックではないものの、粛声というデッキに革命を起こせるほど持ち上げるようなギミックでもないです。(話題にはできますが)

純構築と比較しても、長所と短所がはっきりしているので、どちらが好みかは人により違うと思っています。

とはいえ、アナコンダ粛声自体は、回していて全然飽きがこない楽しいデッキです。カードを持っていたらぜひ一度組んでみてください!

「対策が困難な状況を作り出すデッキ」「早期決着によりデュエルの駆け引きの要素が著しく損なわれるデッキ」は、使う側は最高に楽しいです。

使いましょう。使えなくなる前に。

(追記)実際、デュエリストカップ 2024SEP では、純構築、アナコンダ型どちらも100位以内への入賞報告がありました。
また、Xを見る限り、100位を目指した人だけでなく、2nd進出、銅アイコン、自己最高記録更新などを目標に粛声を使用した人でアナコンダ型を使用し、結果を出すことができた人が多かったようにも感じます。
マスカンの見極めに相手デッキの知識や練度が必要な粛声というデッキに対して、比較的簡単な展開で相手にほぼよらず詰みを作ることができるのは使いやすかったようです。

短い期間でしたが、この記事を参考にデッキを組んで遊戯王生活を楽しんでくれたのであれば、とても嬉しいです。

もうつかえなくなっちゃった

おわり



7. よく見る疑問・質問への回答

最後に、XなどのSNS上で見られる、このデッキに対する疑問、質問に対して、私なりの見解・スタンスを書いていきます。


Q1. 《金満で謙虚な壺》のコストで除外するカードは?

先攻では、《氷剣竜ミラジェイド》《撃鉄竜リンドブルム》《鉄駆竜スプリンド》《セキュア・ガードナー》《サクリファイス・アニマ》《閃刀姫-アザレア》を除外することが多いです。

なお、後攻でこれらのカードを使う可能性がある場合は、《虹光の宣告者》《厄災の星ティ・フォン》《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》《カオス・アンヘル-混沌の双翼-》などを代わりに除外しています。

《旧神ヌトス》《リンクリボー》《大灘主水》《S:Pリトルナイト》は、すぐ使うことはなくても、後から必要になることが多いのでなるべく残しています。


Q2. 冒頭の構築の、各手札誘発の採用枚数・採用理由を教えて

この構築に採用されている手札誘発は、
《増殖するG》× 3
《灰流うらら》× 3
《無限泡影》× 3
《エフェクト・ヴェーラー》× 1
《ドロール&ロックバード》× 1
《幽鬼うさぎ》× 1
《深淵の獣マグナムート》× 1

です。

  • 《増殖するG》はほとんどの対面に有効なので3枚入れています。

  • 《灰流うらら》もほとんどの対面に有効かつ、相手の《増殖するG》に対しても有効なため、3枚入れています。

  • 《無限泡影》は、モンスターカードではないこと、自分のターンにも使えることが2024年8月の環境では強いと感じ、3枚入れています。特に、ユベル対面では、途中のどこに使っても貫通されることがあり、その場合は相手ターンの初めに《召命の神弓アポロウーサ》へ使った方がむしろ楽になることがあります。

  • 《エフェクト・ヴェーラー》は、モンスターであり、《墓穴の指名者》《三戦の才》《ファントム・オブ・ユベル》など多くの裏目があること、相手メインフェイズにしか使えないことから、無限泡影より評価は低いです。ただ、《真炎竜アルビオン》の融合素材にできるため、《烙印融合》の使い勝手をよくするためにも1枚は入れておきたいです。

  • 《ドロール&ロックバード》は、ユベルや炎王対面に対して上手く使えれば大幅に盤面を弱くできること、60GS対面のGツッパLOを防げることから、1枚入れていました。ただ、基本的にはこちらの手数が1つ減ってしまうことからこのデッキにおいてはそこまで強いと感じず、今は抜いています。

  • 《幽鬼うさぎ》は、粛声やユベルに対して強いことから、1枚試しています。腐ることもそこまでなく、悪くはないかなと思っています。変えても問題はなさそう。

  • 《深淵の獣マグナムート》は、ティアラメンツ・ユベル・粛声対面で有効になることが多いほか、初動の確保、盤面のモンスター追加によるアナコンダ成立の補助の役割も重視して採用しています。

正直なところ、手札誘発の採用カードや採用枚数を数字で考えたことがなく、いつも感覚で決めています。
こうした方がいいよというのがあれば教えていただけると嬉しいです。


Q3. クシャトリラなどの、手数を増やせる他のギミックはどう?

クシャトリラ、深淵の獣、PSYフレームギア・γ、のギミックをそれぞれ試しました。代わりに抜いたカードは、ドロバ、墓穴の指名者などです。

ただ、これらの中で明確に強さを感じたものは一つもありませんでした。

理由は以下の通りです。

  • どのギミックも必ず単体で仕事をしないカードが一枚入ってしまう(PSYフレームドライバー、クシャトリラ・バース、復烙印)。このデッキにこれ以上仕事をしないカードを入れる余裕はないと感じた。

  • 事故率が増加した。これらのカードを入れてデッキを少し膨らませると、初動率がかなり悪くなった。墓穴の指名者を抜いて誘発を防ぐ手段が減ったことで、ロー+ローガーディアンが成立しないことが多くなった。

そのため、手数を出したい場合は、墓穴の指名者や誘発ではなく、アナコンダギミックの方を抜いて、その枠にクシャトリラなどの手数が出るカードを入れる方が良いと思います。

なお、あえて共存させるなら、クシャトリラが一番相性が良いと思っています。


Q4. ゴミ多すぎない?

おっしゃる通りです。

メインデッキに追加した3枚がゴミではないかというのは、このデッキに対するもっともな評価だと思います。(なお、EXデッキを5枠圧迫することには全く不便を感じていません。)

この3枚がなかったら、あるいはかわりに《強欲で金満な壺》や《オッドアイズ・ペンデュラムグラフ・ドラゴン》や他の誘発が入っていたら、先攻や後攻の勝率は上がっていたかもしれません。

しかし、アナコンダギミックを入れたことで勝つことができた試合が多いのも事実です。

どちらの勝利をとりたいか、あるいは敗北のストレスを軽減したいかは人によると思います。私は、先攻盤面を返されて負けるストレスが減るこのギミックに一定の価値を見出しています。


Q5. 別にアナコンダ作らなくても先攻勝てませんか?

粛声を使うのが上手な人はきっと勝てるんだと思います・・・。

私は、純構築で戦っていたランクマやマスター1登頂直後のレート戦で、粛声で満足のいく先攻勝率を出すことができませんでした

そして、純構築の粛声で先攻勝率を出せなかった主な理由が、手札事故や誘発で展開を止められたことではなく、「展開はできたのに、妨害数が少なく手数で返された」というものでした。そのため、手札が上振れたとき、手札誘発が引けていないときに、より盤面を強くできるギミックの必要性を感じ、アナコンダに頼ってみたという経緯があります。

少なくとも、私はアナコンダギミックを、採用することで先攻勝率を上げるものとして考えています。


Q6. アナコンダでロックがしたいなら粛声じゃなくてよくない? 他のデッキ(ユベルや炎王など)でアナコンダを使うのではダメなの?

一応以下の回答ができますが、これはおそらくこの疑問を持った人への返答にはなってなさそうです。

  • 《粛声なる結界》により、他のデッキが使うロックと比較して、ロックカードを守る力が強い

  • 他のデッキが使うアナコンダギミックと違い、融合カードや融合素材の素引きが比較的強い

どちらかというと遊戯王のプレイスタイルの話な気がしています。

私は「好きなデッキを強く使いたい」というタイプのプレーヤーです。とはいえ私が好きなデッキは環境に入ることが多く、過去【VS】【R-ACE】を好きになったときは、DCで結果を残すこともできました。

今月は【粛声】を好きになったので、【粛声】を現環境で強く使えるにはどうすればよいか、ユベルや炎王といった不利対面からより勝てるようにするためにはどうすればよいか、というのを考え、アナコンダギミックの採用を試した次第です。

「盤面をロックしたい」「最も強いデッキで勝率を出したい」「一番になりたい」は、私のスタンスとは少し異なるので、「粛声である必要がない」「他のデッキではダメなのか」というのは私に対してはそこまで意味を持たないよ、というのはご承知おきください。

とはいえ、デッキに対しては意味のある評価だと思うので、粛声以外でロックした方が強いと思った方は、ぜひユベルなどの環境デッキでそのようなデッキを作ってレート戦で私を苦しめてください

・・・もうある?

こっちもダメになったらしい

《リングリボー》採用しますね。


Q7. このギミックに制限(禁止カード化)をかけるならどこ?

《捕食植物 ヴェルテ・アナコンダ》だと思っています。

もちろんジョウゲン白アルビオンを禁止しても、結界ジョウゲンシステム自体は防ぐことはできます。

ただ、それであれば、かわりにアナコンダから《氷剣竜ミラジェイド》を出すことができます。

実際、ジョウゲンを採用せず、アナコンダからミラジェイドを出す構築も試してみました。
余ったモンスター2体から1-2妨害を追加できるのは普通に強かったです。
なんなら、《烙印融合》の素引きは、《烙印竜アルビオン》経由でミラジェイドを融合召喚する際に、墓地にローやヒエラルキア、サフィラを落とせるため、先に使うことで、粛声側の初動の補助や誘発避けに使うことができます。

note執筆時点では、次のMDのリミットレギュレーションの詳細は不明ですが、私ならアナコンダを禁止にするかなと思っています。

(2024/10/03 追記)
禁止指定されたのは、《昇霊術師 ジョウゲン》でした。
イヴリースの禁止などとも合わせると、ギミックカードは禁止せず最終的なロックカードを規制する方針のようです。

10月更新時点では、アナコンダは健在なので、ミラジェイドを出すなり、《エクソシスター・マルファ》や《EM 五虹の魔術師》を落とすなり、リペアができるかもしれません。


(最終更新:2024/10/03)

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