兼近に本あげてみた。
先日、妹から「かねちーに渡して」と荷物が届いた。中身は本と書いてある。誕生日プレゼントだろうか? 荷物は適当なぷちぷちに包まれていたため、せめてきれいな紙袋に入れてやろうと中身を取り出したらきれいに包装された3つの袋が出てきた。
ふむ、3冊か……数打ちゃ当たると言えども、活字とのチャラつきにはこだわりのある大樹くん。そう簡単に喜ばせることができるかな?笑
翌日、複雑な思いで大樹くんに本を渡した。1冊目、2冊目は「おぉ~」「優しいなぁ妹さんは」とまぁまぁのリアクション。しかし3冊目を手にした瞬間「うわ!これ読みたかったやつ!!」と大樹くんは喜びを爆発させた。よかったな、妹よ。自粛期間中、読書パーティーと睡眠とキックフライトしかやってない大樹君を唸らせたぞw
妹に大樹くんの反応を報告したところ、大変喜んでいた。その一冊はかねちーが以前、村田沙耶香さんの「コンビニ人間」が好きと聞いたのを思い出して選んだとのこと。それは、今や芥川賞作家である今村夏子さんの「こちらあみ子」であった。
妹の3冊の内訳はこうだ。自分が一番好きな私小説、私小説を書く上で役立ちそうな本、単純にかねちーが好きそうな本。この3冊目が当たったということらしい。
「こちらあみ子」は、主人公のあみ子が普通の女の子ではなく、うまく生きることができないが、それを本人が全く自覚していないため、周りの人たちに大小の影響を及ぼしていく……という話らしい。たとえば、「インド人のまね」と言って給食のカレーを手で食べたり、自分がチョコレート部分をなめとったクッキーを人に食べさせたり、死産だった弟のお墓を庭につくろうとしたり、奇行は挙げればきりがないが、それを気にすることはないし、指摘されてもどこ吹く風で、自分の好きに生きているらしい。キモいと言われても、避けられても嫌われても、一切気にしない。ざっくり分類すると、確かに兼近の語る「コンビニ人間」と共通するところがありそうだ。兼近はとにかく「言葉(描写)のきれいさ」にこだわる。妹曰く、そこにも着目して選んだらしい。また、解説は兼近の好きな歌人の穂村弘さんだ。我が妹ながら、本選びのセンスよすぎやしないか。是非読み終わったら感想が聞きたいところである。
ちなみに一冊目は雨宮まみさんの「東京を生きる」(素晴らしい私小説で帯が穂村弘さん)
二冊目は岸政彦さんの「断片的なものの社会学」(小説とは違った面白さ)
だったそう。妹はこちらもハマってもらえたらうれしいなんて欲を言っていた。
大学まで読書パーティーを繰り広げた妹が、読書パーティーによって自分の世界を変えた相方に惹かれるのは必然なのかもしれない。「顔ファン」というのは案外照れ隠しなのかも? なんて思う今日この頃の兄でした。
読書って同棲生活みたいですよね。
だって、教養・共用が増えるでしょう。
お後がヒュイゴー
EXIT りんたろー
東京を生きる https://www.amazon.co.jp/dp/4479392742/ref=cm_sw_r_cp_api_i_P0rYEbQ9QFFD9
断片的なものの社会学 https://www.amazon.co.jp/dp/4255008515/ref=cm_sw_r_cp_api_i_21rYEbS6FVZYK
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