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睡眠へのアルコールの影響
「眠れないからお酒を飲んで寝る」という方は少なくはないと思います。
お酒(エタノール)を摂取すると、一時的にエタノールの血中濃度が上がります。
摂取直後〜30分程度はエタノール濃度が上昇中で、この段階では覚醒・興奮状態です。
その後、エタノールが代謝されますが、代謝により一時的な鎮静状態になります。
この状態では入眠できるようです。
しかしこの鎮静状態は一時的で、エタノールがさらに代謝されると、覚醒状態・レム睡眠(⇦浅い睡眠状態が含まれる状態)が増加します。
このため、お酒を飲んで入眠できても、総睡眠時間は減少してしまい、かつ、質の悪い睡眠になります。
さらに、寝酒としてエタノールを毎日のように摂取し続けると耐性が生じ、入眠に必要なエタノールの量はどんどん増加する可能性があるようです。
不眠気味→お酒摂取量→睡眠時間の減少、質の悪い睡眠→さらにお酒の摂取増加→質の悪い睡眠・・・
負のスパイラルになってしまいます。
寝るためにお酒を飲むよりは、睡眠薬を処方してもらった方が身体への負担は小さいと考える医療者がほとんどです。
アルコール依存症になってしまったり、依存状態からの断酒しても最大3年にわたって睡眠の短縮やレム睡眠割合の増加など、睡眠の不調状態が残り続けてしまうという報告もあります。
自分の体に負担をかけず、効率の良い睡眠改善がおすすめです。