ROE経営を超える、ROIC経営とは?
初めまして。橋本琳(りん)と申します。
第一回のnote投稿をいたします!!
【本投稿の目次】
1. 自己紹介と本noteのにつて
2. ROEって一昔前よく言われてたけど何?
3. ROICとは?利点は?
4. 総括
1. 自己紹介と本noteについて
私は新卒から今まで、経営コンサルタントとして、様々なクライアント、特に製造業のお客様と伴奏しながら、問題解決を探るお仕事をしております。
noteを始めたきっかけは、「事業経営や新規事業立案、業界概要などの情報をなるべくコンパクトに知りたい!」というニーズがあると実感したので、その受け皿となるような情報提供をしたいと思ったからです。
また、私自身が学んだ・経験してきたことを整理して外部に発信することで、知識を定着化し、今まで以上にお客様や社会に貢献したいという思いもあります。
今後、以下のテーマに関する投稿を、毎週末に行う予定です。
➀経営トピックの解説
②業界概要・考察
③コンサルタントという職業の実態
④転職・勉強・仕事術
(ニーズがあれば)⑤趣味(テニス・音楽)の考察
しかし、類似テーマのサイトが沢山あるので、これからどうやって本サイトならではの独自性を出していくのかは、続けながら考えます(笑)
また、何かこんなテーマで記事を書いてほしい、などございましたら、コメントいただけると嬉しいです!!
では、早速本題である、「ROE経営を超える、ROIC経営とは?」に移りたいと思います!
2. ROEって一昔前よく言われてたけど何?
ここから、ROEの説明に移ります。なるべく会計用語は使わずに、かなりざっくり書いています。(詳細を学ぶ際に、参考となる書籍・URLは最後に共有します。)
ROEとは一言でいうと、
「株主から投資された資金を使って、どれだけ効率的に全社の利益を生み出しているのか」を表す数値です。
企業が事業を行うための資金調達先は大きく分けて2つあります
➀債権者(銀行):企業の返済義務がある
②株主:企業の返済義務はないが、株主は議決権や配当金が授受される
そして、債権者から調達した資金を有利子負債、株主から調達した資金を株主資本といいます。
また、企業が1年間の全活動における損益から算出した利益を当期純利益と言います。
つまり、ROEとは、企業が全社の活動で生み出した年間利益=当期純利益から、株主が投資した資本=株主資本(自己資本)*で割ることで算出される経営の効率性を示す数値なのです!
(*株主資本に保有資産の評価額を加味した、自己資本をROEの分母に置くケースが一般的ですが、自己資本≒株主資本と捉えて貰って構いません)
これによって、株主からすれば、自分が投資した資本の使われ方を評価・比較することが出来て、投資判断における指標になりえます。(業界によりますが、ROE=8%以上が1つの目安と言われます。)
ROE=当期純利益/自己資本
しかし、ROEには大きな2つの欠点があります。
➀企業が意図的に数値を操作できてしまう!
企業が借入で自社株式を購入すれば、分母の自己資本を有利子負債に変えられる(=資本構成を変えらえる)ため、結果、ROEの数値を高く見せることが出来てしまいます。
②企業側が事業全体の効率性を見るのには適していない!
また、事業を行っている立場からすると、株主から資本を調達しようが、債権者から資本を調達しようが、事業資金という意味ではどちらも同じであるため、株主からの調達資金の効率性だけを見ているROEでは、事業全体の効率性を見ることは難しいです。
そして、上記2つの問題を解消した、資金の効率性を見る指標がROIC(ロイック)と言われています。
3. ROICとは?利点は?
上記に書きました通り、ROICもROEと同様に、調達資金の効率性を見る指標ですが、ROEとは異なり、株主資本だけでなく、有利子負債(銀行からの借入)も加えた資金=投下資本の効率性を見る指標です。
もっと簡単に言うと、「ROICとは、事業で調達したすべての資金を使って、どれだけ効率的に事業の利益を生み出しているのか」を表す数値です。(これも業界によりけりですが、ROICが6~7%以上が1つの目安と言われます。)
算出式は、分母が投下資本(有利子負債+株主資本)、分子が事業のみで生み出した利益=税引後営業利益(NOPAT)となります。
ROIC=税引後営業利益/投下資本
一般的に、ROICはROEよりも優れた経営指標と言われていますが、これは下記2つのROICの利点から言えます。
➀株主からの目線:数値の操作ができないため、信頼性が高い
ROICの分母は有利子負債+株主資本であるため、ROEの欠点でも書いた資本構成の変更ができません。結果、ROICはROEよりも信頼性が高い数値となります。
②企業からの目線:事業単体の収益力が分かるため、KPIにしやすい
上記で説明した通り、ROICは、事業全体でかかった調達資金と利益で計算されます。そのため、株主資本だけで算出しているROEよりも、事業ごとの収益力が分かり、経営のKPIとして優れている数値となります。
ここまで書きましたが、ROICの唯一の欠点は、指標の意味合いが分かりづらく、現場に浸透させづらいことが挙げられます、、
逆にROICを一つのKPIとして、現場に定着させられれば、事業別のROIC算出による事業ポートフォリオの検討や、ROICの構成要素を分解することによるボトルネックの特定など、事業計画・改善活動に直結した打ち手が立案できるようになります。
実際、オムロンでは、ROICの考え方を浸透させて、成長を遂げています。
4. 総括
改めて、ROEとROICの定義、ROICがROEよりも優れている点を書きます。
ROE:
「株主から投資された資金を使って、どれだけ効率的に全社の利益を生み出しているのか」
算出式⇒ ROE=当期純利益/自己資本
ROIC:
「事業で調達したすべての資金を使って、どれだけ効率的に事業の利益を生み出しているのか」
算出式⇒ ROIC=税引後営業利益/投下資本
ROICがROEよりも優れている点:
➀数値の操作ができないため、信頼性が高い
②事業単体の収益力が分かるため、KPIにしやすい
最後に、初めてのnoteを書いた感想ですが、
・普段から何気なく使っている言葉なので、すぐに記事にできるかと思ったら、思ったよりも難しい
・ターゲットとなる読み手を想定しないと、どこまで書くべきなのかが分からない
ということに気づきました、、、
もし、今回の記事で何か直した方がいい点などございましたら、ご教授いただけますと幸いです。
次回は、4/2か3に公開します!テーマは、「自動車部品業界に関する考察」です!お楽しみに!!
参考文献:
・松永 博樹 (著), 伊藤 学 (著)、「P/Lだけじゃない事業ポートフォリオ改革 ROIC超入門」
・(Youtube)できる人の会計講座「ROICとは?ROE、ROAとの違いを分かりやすく解説!」
https://www.youtube.com/watch?v=GU8RN7pEZvk