【読書ログ】『うつくしが丘の不幸の家』 町田 その子
先週は駆け抜けるような1週間でした。
曇天だったり、晴天だったり、蒸し暑かったり、少し涼しさが出たり…気温や天候の変化になかなかついていけず、金曜日の夜にはぐったり。
週末、マッサージでゆっくりと身体をほぐすと、すごくスッキリ!
2ヶ月ほど、マッサージに行けていないままでしたが、やはりたまには身体を休め、労わる時間って大切だなぁと思いました。
そして、そんな私が元気になった理由が、もうひとつ。
そう、この本を読んだこと。
著者の町田その子さんの本は2回目。
前回は、こちらの本を読ませていただきましたが、とっても面白くて、2シリーズ分、あっという間に読み終えてしまいました。
人物や情景の描写が美しく、すっとお話の中の世界に引き込まれていくのが魅力的。
そして、今回読んだ『うつくしが丘の不幸の家』の解説にも書かれてありましたが、
以前に読んだ『コンビニ兄弟』も含め、まさにその通りの作品たちだなぁと感じます。
さて、少し話が逸れましたが、今回の作品のあらすじを。
築約25年ほどの三階建ての一軒家を購入し、リフォームした後に、念願の理美容室をオープンさせることにした、美保理と夫の譲。
オープンを目前に控え、浮き立つ気持ちでいたところ、
「ここが『不幸の家』って呼ばれているのを知っていて買われたの?」
という一言を聞いたところから、物語は始まります。
※以下、一部ネタバレありかもしれません。
そして、早速第一章の「おわりの家」から、刺さる言葉が・・・!
これは、美保理が『不幸の家』のお話を、隣人の荒木信子に話したときの、信子の言葉。
たしかに・・・自分のことでも、誰かのことでも、「もしかして」のひとことから、悪い方に考え始めることがあるなぁとつい反省。
同じ「もしかして」なら、明るく楽しくなるような想像ができればいいなぁと思いました。
そして、同じ章にもうひとつ。
これが、本書の伝えたいメッセージでもある、ひとこと。
つい誰かに幸せに「してもらう」発想を持ってしまっているときがあって。
そうじゃなくて、自分を幸せにするための手綱を握っているのは、いつだって自分自身。
特に、上手くいかないことが続くと、他人に左右された発想に陥りがちなので、改めて肝に銘じようと思った一節でした。
さて、本書は第一章から、時系列に物語が進んでいく訳ではありません。
逆に、ひとつの家に住む家族や住人たちの物語が、少しずつ遡る形で展開されていきます。
『うつくしが丘の不幸の家』というタイトルを最初に見たときは、少しミステリアスなミステリーを想像したのですが、そうではなく・・・結末を知っているお話の背景を遡っていくような形で展開されていて、それもまたユニークで面白かったです!
5つのエピソードがありますが、どのエピソードが一番お好きでしょうか・・・?
読んでみて、ぜひ教えていただけると嬉しいです。
ちなみに、私は「第三章 さなぎの家」にかなり涙させられました。
ということで、ちょっとネタバレしたかしらと心配しながら、書きましたが、とっても素敵な本だったので、ぜひ読んでみてくださいね。
本日もお読みいただきまして、ありがとうございました!