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【読書ログ】 『試着室で思い出したら本気の恋だと思う』 尾形 真理子

こんにちは。
連休が明けてしばらくして、ようやく時間の余裕がでてきました。
ただ…しばらくパズルゲームに夢中になってしまい、完全に沼にハマっていたので、読書はご無沙汰のままですが(苦笑)。

とはいえ、久しぶりに1冊読みきりました!
今回はこちら。

じつは、この本が出たときも、タイトルが心に残っていたんです。
最近Instagramで紹介されているのを見かけて、手にとって開いてみることに。

路地裏のセレクトショップを舞台に、そこを訪れる女性のお客様たちが主人公となった短編小説。
どのお話も、さらっと読めるのに、彼女たちの気づきにハッとさせられる…素敵なお話でした。

全体を通して、私が感じたのは

  • 誰かと比べるのではなく(いや、比べること自体は悪くないか!)、自分だからこその魅力や良さに気づくこと

  • 仕事も、恋愛も…人生はいつだって「自分に主導権がある」、「自分が決められる」ことを忘れないこと

  • 大人の女性だからこその良さもあること

でしょうか。


恋をすると、「彼はどう思うか」「彼はきっと〇〇だから…」と、ついつい彼に合わせてしまったり、彼の近くにいる女性に嫉妬してしまったり・・・。
そして、そんななかで生まれたモヤモヤをぐっと押し込めたり、上手く伝えられずに違う形で伝わってしまったりすることもあるかもしれません。

だけど・・・そんなときこそ「わたしはどうしたいのか」、「わたしはどう感じているのか」に目を向けてみる。
そうすると、誰に言われるでも、周りや雰囲気に流されるでもなく、ちゃんと「自分で決めた」感が出てきます。
目の前の現実ですぐに上手くいくかどうかはさておき、この感覚を持つことで、自分の人生を自分で切り拓いていく…そんな前向きな気持ちで、日々を歩いていくことができるんですよね…!

試着室で誰かを想いながら服を選び、自分の気持ちを素直に受け入れ、自分で次のアクションを決めて、前向きに歩いていく女性たちの姿が、すごく美しく感じられました。


そして、3つ目に挙げた「大人の女性だからこその良さがある」も、いくつかのストーリーから感じさせてもらいました。

特に印象的だったのは、可愛がっていた後輩の婚約者が元カレだった女性・アユミのストーリー、「ドレスコードは、花嫁未満の、わき役以上で。」。
そのなかに、こんな一節があります。

恋には臆病だったけれど、人を好きにならなかったわけじゃない。好きだと言ってくれる人もいた。仕事だって、一生懸命やってきた。かわいい後輩もいる。若い頃にがんばってきたから、今、手にできていることがたくさんある。今の生活を悪くはないと思えるほどに。

尾形 真理子 著『試着室で思い出したら本気の恋だと思う』より引用

自立した大人の女性だからこそ着こなせるドレスを手にした、アユミの気づきは、まさにそうだなぁと感じさせられました。

他のストーリーにも出てくるのですが、年齢を重ねることで、シミやシワができたり、お腹周りのお肉が気になったり(私だけ?笑)、化粧のノリが今までと違ったり、体力も落ちてくるので、ちょっと頑張りたいときでも、身体が思うようについてこない・・・いろいろな変化が出てきます。
私たちは往々にして、つい”悪く変化してしまった方”に目が向きがちではないでしょうか。

でも・・・年齢を重ねたからこそ、若い頃とは違った感じ方や考え方ができたり、年齢を重ねたからこそ、カッコよく着こなせる服があったり、いろいろな経験を経たからこそ、誰かに伝えてあげられることがあったり・・・良い面だってたくさんあるはず。

年齢を重ねることを過度に恐れず、”大人の女性になった自分”を楽しんでいこう、そう思えたら少し心も軽くなるし、前向きになるよなぁと思っていました。

じつは、私自身も25歳の頃は周りと比べてすごく焦ったし、28〜29歳も30歳を目前にして「なんとかしなきゃ!」と思う気持ちが強かったりしました。
実際、30歳を過ぎても、体調の変化が著しく、今までならなんともなかったことでも、体調を崩してしまう・・・なんてことも多々あり、もどかしい時期もありました。

だけど・・・変わりゆく自分を受け入れ、”今”を楽しんでいこう。

そんな風に、最近は思えてもいます。

そんな私自身の変化も相まって、このお話が心に響いたのかもしれませんね。


などなど、女性たちが前を向いて歩き始める姿に、清々しさと勇気をたくさんもらえるストーリーだったので、ぜひ読んでみてくださいね!

それでは、本日もお読みいただきまして、ありがとうございました♫


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