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【読書ログ】 『幸せを呼ぶ物語、つづります。 :水沢文具店 』 安澄 加奈
昨日書いたけど、今日も書くの・・・?
珍しく、2日連続の登場です(笑)。
昨日ちらりとお話していた小説、とっても素敵過ぎて止まらなくなっちゃったんです…!
出会ったきっかけは、こちらのnote記事。
あるときふと「あなたにおすすめの記事」で上がってきたのがきっかけで、目にすることになりました。
本の名前を忘れないよう、記事のURLをメモ帳にメモしておき、最近ようやく手に取ったので、記事と出会ったきっかけは正直ちょっぴりおぼろげなのですが・・・たしか、アイキャッチ画像の「幸せを呼ぶ物語、つづります。」に私の心が強く惹かれたからだと記憶しています。
▼今回ご紹介する本はこちら
”ペンとノートをお買い上げの方、ご要望があれば話を書きます、オーダーメイドストーリー”
舞台はこの張り紙が貼られた、水沢文具店。
お客様からお話を引き出し、紡いでいくのは、店主の龍臣。
そして、さまざまな背景を持った”お客様”が、オーダーメイドストーリーを書いてほしいとお店を訪れます。
初めてお店に来てから、ストーリーが紡がれるまで、そしてその後・・・
それぞれが、自分なりに大切なことに気づき、前に進んでいこうとする姿にとっても勇気がもらえる、そんな小説でした。
じつは私も、先ほど記事をご紹介させていただいた、せ→る→さんが書かれているお話がすごく好きだったのですが、せっかくなので、もうひとつ、個人的に心に残ったお話を。
名前のない色インク──詠司
薬局で薬剤師をしている、詠司のお話。
せっかくなので、なるだけお話を楽しんでいただけるよう、詳細は書きませんが、人生のなかで上手くいかないことが続くと、「その先もずっとそうなんじゃないか」と思っていたりすることはないでしょうか。
ほかにも、ときに「自分には、他の誰かのように光る何かがないのではないか」と、自分に自信を持てなかったり・・・。
そんな方に、贈りたくなる言葉。
確実に育ててきたものに目を向けないで、先に起こるかもしれない不確実なものに怯える道理はないと思います。好きなものを選ぶんです。きっと否応なく、そうやって進んでいくんです。
「上手くいかないことだらけの人生」だと自分で思いながら生きてきた軌跡のなかに、”私(僕)”だからこそ、築き上げてこれたものって必ずあるんです。
だけど・・・そんな大切なことに目を向けられず、なかなか自分に胸を張れずにいることも多いのではないでしょうか。
私自身も例外なく。
大学受験に失敗してから、就職活動にも失敗、なんとか入った会社は3年で辞めて、その後は職を転々としてきて・・・そんな自分を情けなく思ったことが何度あったことか。
そして、「これからもずっとそうなのかな」って不安に思い続けていたこともありました。
だからこそ、妙にこのエピソードの登場人物たちに共感し、彼らの気づきに心打たれるものがありました。
失敗ばかりで、うまくいかないことばかりで、そういう自分が、この先も続くんじゃないかってこわかったけど……いいことも悪いことも、先のことはわからないから、信じたいほうを信じていいんだって、自分で選んでもいいんだって思えたら、ほっとしたんです……
そうなんです、先のことはわかりません。
だから・・・信じたいほうを信じていいんです…!
それに、つい「できない」とか「ダメ」なところばかりが目について、信じられないって思うかもしれないですが、このお話でも書かれていた通り、近くにあり過ぎて気づいていないだけかもしれないんですよ^^
そんな風に、なんだか前に向かって歩いていくための勇気と、これまで曲がりなりに頑張ってきた自分自身を労ってあげたくなるような温かさが、しっかり詰まったお話で、心が温かくなりました。
今回は・・・ちょっとネタバレし過ぎたかしら?(ちょっと不安)
ちなみに、私・・・またもや続編から読んでしまったことに、あとがきで気がつきました(笑)
すぐに、前編を買い直したので、これからまた読み進めるのが楽しみです♫
とっても素敵なお話だったので、ぜひ手に取ってみてくださいね!
みなさんは、どのお話が好きかなぁ・・・?