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Vol.3.4 『正社員』雇用を諦めたら開いた道

これはある就職浪人のおはなしです。

就活失敗談として読むもあり。

私のこの経験が誰かの支えになれればいいなという気持ちで書き残しました。

こういう道も存在するということを踏まえて読んでいただければ幸いです。


就職難と言われるようになったある年の春。

私はひとつも就職の内定をとれないまま大学を卒業した。

いわゆる就職浪人だ。

これまでを振り返ってみると、希望する学校に進学できてなんだかんだで順風満帆な人生だった。

それが就職浪人になったことで初めてつまずいた。


当時は大学3年生から就職活動を始めていたが、徐々に不景気による就職難が騒がれる不安感から所属していた部活動をやめて就職活動に専念する人が続出した。

私は運動部のマネージャーをしていて不安もあったけどなんとかなると楽観視していて、大学4年生になる頃にようやく就職活動を始めた。

大学で行なわれるビジネスマナーやメイク講座、エントリーシートの書き方や面接講習に就活に必要な講習にはほとんど参加した。

大学専攻は建築だったので、建設業や建築メーカーを希望する人が多かった。

私も最初は建築関係を希望していたが、大学生になって自分は社会でなにができるのか分からなくなってしまった。

インテリアなどの建築設計に興味があって大学に進学したのに、設計授業ではこれと言った才能もなく、構造力学に疎かった私に建築設計なんて無理だと気付いた大学時代だった。

どちらかというと、パースと言う設計した建物のイメージ図を描くようなもののほうが得意だったし、おもしろかった。

設計した建物のプレゼン講評の際には、設計動機や作成した模型よりもプレゼンボードに描いたパースや樹木を講師の先生からよく評価された。

それならば、パースを描く仕事をしたいと思うようになった。


大学のキャリアセンターでの面談で、どういう仕事に就きたいかという質問に対して、私は「人とあまり関わらなくて、絵を描くだけの仕事がしたいです」と正直に答えた。(当時、人見知り発動中)

さすがにそんな仕事あるわけがないと人蹴りされたのはいうまでもなかったけど、その時私が発した一言が妙にひっかかって「そういう仕事がもしかしたらあるかもしれない」と思いながら、就活を続けていた。

部活をしていた人なら当たり前だと思うが、4年生の間は部活の合間を縫いながら面接にいく生活になった。(+バイト+ゼミ&卒論)

しかし、友人が次々と内定を取っていくのを見てようやく焦りだしたのか、引退した4年生の秋から数打てば当たるというようなやり方で興味のない職種にも面接に行くようになった。

その分送られてくる不採用通知を見ては、自分は社会に必要とされていないと言われてるような気がするのをなんとか払いのけ、次行く面接の履歴書を準備するという期間が続いた。(これがのちに自己肯定感が下がるきっかけになる)

就活で一番辛かったのは、全く興味のない職種の志望動機を書く事だった。

さらに、所属していた部活でいっぱいいっぱいだったこともあって、どれを優先したらいいか悩んでいたことも重り、結局なにもかもが中途半端になって就活もうまくいかなかった。

そして私はひとつも内定がとれないまま大学を卒業し、就職浪人になった。


その後は大学時代から続けていた飲食店のバイトを続けさせてもらいながら、第二新卒枠の面接を受けるもことごとく不採用。

「大学まで行かせてもらったのに、なんの役にも立ってない」

私って本当に社会に必要されていないのかなと自己肯定感がダダ下がりしながら就活サイトを検索していると、あるアルバイト情報誌のサイトに目が着いた。


私はずっと雇用形態を『正社員』で探していたので、息抜きと称して雇用形態を『パート・アルバイト』希望する職種を検索して、ヒットした業種内容をチェックしていった。

そこでみつけたのはなんとPCである商品のデザイン作成業務。

要するにPCでイラストを描く仕事だった。

PCで使うソフトは大学で使ったことがあるものだったので、さっそくその会社に問い合わせて、いざ面接へ。


結果は無事採用!

採用の電話が来たときは文字通り、跳びあがった。


いざ就いてみると、その仕事をするのは社内で私しかいなかったこともあってか、新人のクセに電話対応も来客対応もないという私が夢見ていた「人とあまり関わらなくて、絵を描くだけの仕事がしたいです」に当てはまる仕事内容だった。

ようやく採用をもらった事と思わぬ夢が叶ったことがなにより嬉しくて、仕事量が多くて残業が続いても全く苦にならなかった。(時給だったのでむしろウエルカム状態)


そして、その仕事が巡り巡って今のフリー業に繋がるきっかけになるとは夢にも思いませんでした。

あの時『正社員』にこだわって仕事を探していたら、今の私にはなっていなかった。

そう思うと人生どんな経験も無駄ではないなとしみじみ思います。



最近になって多くの起業家さんを目にするようになりました。

彼らはやっぱり『正社員』で力をつけて来られた精鋭人ばかり。

そんな中で『正社員』経験のないポッと出の私にとって不利だと思うこともよくあります。

特にビジネスマナーもろくにしてこなかったから、ビジネス本での知識頼み。

取引先の人との対応でも、さっきのあれは失礼じゃなかったかなと心配するのも多々あります。

そんな自分がこれからもフリー業でやっていけるのか不安になり、やっぱり今からでも正社員に就職した方がいいのではないかと悩むようになりました。(年齢的にもギリギリ)

その悩みを起業された親戚に話すとこう言われました。

「ビジネスマナーはもう成るようになるしかない。それに年齢を気にするならもうフリー業でやっていくしかなくない?」


血筋なのか、そう言われるといっそのこと腹をくくるのもアリかもしれないと妙に納得してしまいました😅


『正社員』になれなかったことで開く道もある。


これは結果論ですが、私は周りの人とちょっと違う歩き方をしている人生が私らしくて楽しいです。(話のネタにもなるw)

人と少し違う道を歩むことになるけれど、それもまた人生。楽しんだもの勝ちです。


それに今後も起業家さんは増えて来るでしょう。

そう思うと、これからは雇用形態を気にすることもなくなる社会になるでしょうね。

これからもあなただからお願いしたいと言われる人間になり続ける努力を怠らず、信頼を裏切る行動をしないよう心掛けてお仕事をしていきたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

私のこの経験が誰かの支えになりますように。


#就活について語りたい

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