Vol.3.13 「私の持っているいいところは全部パパからもらったもの」
私の両親が結婚40周年を迎えた。
改めて考えてみると、40年も連れ添うなんてすごい事だ。
お互い小言を言い合いながらも、私から見てもふたりは仲睦ましい夫婦だ。
サラリーマンの夫、専業主婦の妻という各ポジションをうまく保ってお互いを尊重し合っていると思う。
裏では喧嘩をしていたかもしれないが、その姿を子どもの前で見せなかったふたりには本当に尊敬する。
私自身が10年ももたなかったこともあるからか、その難しさがしみじみわかる。
そういう事で、今年はそんなふたりにささやかなお祝いをにとブリザードフラワーを贈った。
贈ったブリザードフラワーはお花屋さんの店員さんと一緒に選んだものだった。
私がプレゼントをする予算や贈る相手と飾るであろう場所の雰囲気をひと通り伝えると、店員さんが楽しそうに選んでくれたのが嬉しかった。
日時指定の配達伝票に記入する時に店員さんからメッセージカードを薦めてくれた。
普段口では言えない事をメッセージカードになら書ける…わけもなく、当たり障りのない事を書いた。
両親からはこれまでたくさんの愛情をもらったのに、今の私に出来ることは小さな花を贈ることしかできない娘でごめんなさい。(さすがにこんな事をメッセージカードには書かなかったが)
ありがとうというより申し訳ないという気持ちでいっぱいだったけど、1998年に日本で公開されたブルース・ウィリス主演のアメリカ映画「アルマゲドン」で娘のグレースが父親のハリーに伝えた言葉を思い出した。
この言葉が今とても心に響く。
私が持っているものは全部両親からもらったものだ。
絵を描くことは父から。
料理や読書は母から。
ふたりがいなかったら今の私は存在しない。
子どもの頃はキャンプや天体観測の体験をさせてくれた父、社会人になって実家を出るまで家事やお弁当を持たせてくれた母。
私が行きたい進路に進ませてくれて、それにつまずいてもふたりは見守ってくれた。
そんな両親は私にとって最高で尊敬するふたりだ。
そのバトンをその先の未来に繋ぐ事はできないかもしれないが、せめて前向きに楽しく生きている姿だけでも両親に見せたい。
それが今の私ができる親孝行だと信じて。
老後は面倒見るから、体に気をつけてこれからもふたり仲良く元気でいてね。