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📖読書記録📖 『聖女の救済』
読書紹介記事を書く青沼りんです📗
今回は『#ミステリー小説が好き』企画から私が特に好きなミステリー小説をご紹介したいと思います。
●今回ご紹介する本『聖女の救済』
東野圭吾
2008年10月23日 初版
出版社 文藝春秋
●あらすじ
本作はドラマ化もされたガリレオシリーズ第5弾で、ガリレオシリーズ2作目の長編作品です。
男性が自宅で毒殺されます。
唯一の容疑者は離婚を切り出された妻の綾音だが、彼女には鉄壁のアリバイがあった。捜査一課の草薙刑事は妻の美貌に惹かれてゆく。
そんな草薙を見て後輩の内海は草薙の大学時代の同級生で大学准教授である湯川に捜査協力を依頼。
湯川が導き出した推理の真意は、理論的には考えられても、現実的にはありえない『虚数解』でした…。
●本作のキーワード①『虚数解』
夫婦の離婚話しから始まるという不穏な空気の冒頭。
その後、夫は自宅で殺害されます。
容疑者は第一発見者であり、夫の不倫相手。
もう1人は離婚を切り出された妻の綾音。
しかし、夫が殺された時妻は旅行に行っていて鉄壁なアリバイがありました。
捜査一課の草薙刑事は綾音の美貌に惹かれ、刑事としての誇りを揺るがせながらも懸命に捜査を打ち込みます。
そんな草薙の姿を見た後輩の内海刑事は、大学准教授の湯川に捜査協力を依頼します。
湯川が導き出した推理の真意は『虚数解』でした。
虚数解とは「理論的には考えられるが、現実的にはあり得ない」数学用語のひとつで、湯川はこれを元に完全犯罪が行われたと推理します。
しかし、真意がわかっていても肝心な証拠がない。
万事休すかと思われた矢先、思わぬところで解決の糸口が見つかります。
夫が綾音に離婚を切り出した理由は、彼の言い分もわからなくもないけれど、綾音にとったらきついものを感じます…。
彼の思考がもう少しましだったら、このような悲劇は起こらなかったのかなとどうしても思ってしまいます。
●本作のキーワード②『パッチワーク』
パッチワークとは、布と布を縫い合わせて作る布のことで、綾音は結婚前はパッチワーク教室で講師を務めながらパッチワークの作家をしていました。
結婚後はその教室の運営を弟子に譲り、周囲も驚くほどの完璧な専業主婦業をこなしていました。
この完全犯罪は、パッチワーク作家であった彼女ならではでしょうね。
確かにやろうと思えばやれるかもしれないけれど、どこかで挫折するだろうな(それが正解だけれどもw)
また、綾音が成し遂げられた理由はある復讐心からでした。
前作の『容疑者Xの献身』では『愛』を持って愛する人を守った容疑者。
それとは真逆だけど、本質は同じ『愛』を持って夫を殺した彼女が抱えていた想いが読んでいてとても重かった。
読了後にわかる『聖女の救済』というタイトルがこんなにピッタリはまるのかと感動しました✨
そして読み返してわかる『あのシーンはそういう意味だったのか!』という小説ならではの物語の伏線回収がすごい✨
まだ読んでいない方は、ぜひ読んでください!
今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。