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太陽にはなれない。ならなくて良い。

デリヘル嬢時代、私ともう1人の女の子(仮にあやちゃんとする)でランクを競っていた。

私が入店した時、彼女はすでにお店の看板嬢だった。
出勤日が決まれば本指名さんの予約で埋まる。
暇な女の子からすれば、羨ましい存在だったと思う。
そんなあやさんとランクを競うようになって、お店の2トップとなっていた。

そんな時、お店のスタッフさんから言われたことがある。

「あやちゃんは太陽みたいな存在で、りんちゃんは月だね。」と。

これを聞いた時、最初は悔しかった。
「私も太陽みたいだと言われたい!!」そう思った。


でも、スタッフさんの説明を聞いて納得した。

太陽は、一緒にいる人を笑顔で照らす。あやちゃんは、ノリのいい単純なお客さんが多い。それは、あやちゃんが疑似恋愛をしてあげていて、お客さんは恋人気分になれているから。

月は、笑顔で照らすというより、人が寝ている時に守ってくれるような存在。
りんちゃんのお客さんは、真面目なお客様が多い。
恋人とのドキドキ感より、安心感を求めて来ている。

さっきの悔しさを忘れるほどに、
すごく納得した。
確かに、あやさんは太陽だと思う。
会ったことはないけど、写メ日記を見ていたら「明るく元気な女の子!」という感じがしていた。

お客さん層も全然違ったようだ。
あやさんはどちらかというとブルーカラー、私はホワイトカラーのお客様だった。

私は、今では考えられないほど
子供の頃はネガティブで笑わなくて、
おとなしい子だった。
だから、クラスのリーダー的な「太陽のような存在」に大きな憧れがあった。

看護学校の時、太陽のようになりたいと頑張ったこともある。
それはとても疲れる行為だった。
自分が自分らしく居られなかった思い出があった。

だからこそ、スタッフさんが
「りんちゃんは月だね。」と言ってくれた時、
「ああ、私はやっと自分らしく働けているんだ!」と心の底から嬉しかった。

今も、「太陽のような存在になりたい」と憧れることがある。
でもそれは、憧れに重ねているだけ。
「私らしさ」ではない。

月のように、誰かの安心感になりたい。

そして、以前の記事にも書いた通り、ろうそくのような生き方がしたい。
太陽みたいに、眩しい光で広い世界を照らすのではなく、
優しく暖かい光で、自分の周りにいる人達を照らしたい。

ろうそくのような暖かさ、月のような安心感をもった女性になれますように。

りん♪

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