ジルサンダーのワンピース、迷子を救出する
皆様こんにちは。毎日本当に暑い・・・いかがお過ごしでしょうか。
立秋を過ぎ、暦の上では秋とやら。それにしてもです。
相変わらずコンセプト迷子の私です。「なりたい」よりも、「こうならなくてはならない」の呪縛が強くて、なかなかコアな気持ちを引きづり出すことができません。
家業ゆえ、着物を着る機会があるのですが、実は、私は着物がそこまで好きじゃない・・ということに薄々気づき始めてしまいました。色数が多いし、白・黒・ネイビーが好きな私から見ると、着物はピンク、黄色などですし、周辺小物も洋服よりも増えます。でもいただく着物もあり、捨て難い。ミニマムな生き方が好きな私には、管理も含めてちょっと荷が重い。
でも、必ず着なくちゃならない。着物が仕事用のスーツと同義でもあるので、「スーツ着ない」という選択肢は私にはないのです。じゃあ、マインドセットし着るしかない。
先日、初めてカラー診断をしました。私はウィンターでした。似合うのが真っ黒、深いネイビー、濃いボルドー。自分の好きな色と合う色が一致していてホッとしました。その他、クリアな色が似合うとのことで、うすーい藤色、水色なども勧めていただきました。全然自分のワードローブにない色たちですが、手持ちの着物はそのような色味。色が苦手なら、例えば帯締めを濃紺にしてドラマチックにとか私らしさを出すことをこれから考えていきたいです。
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着物の色とは真反対に、今夏、ジルダンサーの真っ黒のワンピースをお迎えしました。
ワンピースを見て、ああ、あ!と思ったのです。何がよかったのか、言語化が難しいのですが質の良い感じ(丈夫そう)と、無駄のないシルエットと、背中の絶妙なあき、体の形を生かす複雑なカッティング。そして何より、私のサイズ(34)があった。試着してみると、すごくサマになる。自分がいつも着る丈よりも短いけれど(膝くらい)、リトルブラックドレスにもなる。”Design Without Decoration”を体現したワンピースでした。
コンセプトを決め、それに沿った「好き」服を探すのが洋服迷子からの脱出方法かと思うのですが、若干拗らせ気味なので、出会ってから「好き」になり、コンセプトを決めていくのも一つの道かなと思いました。
早速、そのワンピースを着てディナーに出かけました。服というものは自分そのものなのですね。素敵なワンピースを着ているというだけで、自己肯定感が上がるのを感じました。ファッションは、誰がためではなく、自分を幸せにするためのもの。色数を増やすことや装飾品とをつけて飾ることよりも、私はラインの美しさ、ドラマティックな雰囲気、カッティングの芸術性に惹かれるようです。
ジルサンダーの思想は、着物のコーディネートでも工夫が少し考えられそうです。色をたくさん乗せることよりも、線と引き算を大切にしたい。