2025/1/29

　深夜3時。お風呂から上がってテレビをつけた。新橋から横浜までの鉄道のようすが映し出されていた。

　ああ、横浜駅も、桜木町も、なんて懐かしい。

　もう、行く機会は少ないだろう。

　１回生のころのの初々しい思い出は、未だに色褪せない。

　ここに来れてよかったと思う。いつでもみんなが居る。

　そして君も。

　窓から覗く夜明かりに、私はなんの思いも抱けない。明かりの数だけ人が生活しているなんて考え方が、できない。

　でも不思議と、列車のなかに乗っている人のことは、温かく感じた。

　小さな黒い窓からは何も見えない。きっと中には暗い顔をしたひとや泣いているひともいることだろう。

　それでもそれが気に留ないのは、流れていく列車の性質故だろうか。

　横浜にある青木橋は、日本初の跨線橋であるらしい。

　電車も、川なのだ。

　ああそれはよいことだ。流るる川のように人も流れていく。

　時間も人も、すべて流れてゆく。

　聞き慣れたホームのアナウンス。その声。頭の中では発車のメロディーが流れる。

　どうか人との関わりも、流れる川のようであってほしい。

　跨線橋から電車にばいばいと手を振るあの子が、私の目に微笑ましく写った。