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INFJの思想を飲んでも呑まれるな【INTJの自戒を込めて】

※この記事は当時、私が付き合っていた恋人のエピソードが例として挙げられています
※現在はお別れしましたが、ここに書いてある考え自体は今も変わっていないのでこのまま残しています


INTJ-Aである私の彼氏はINFJ-A。

相手を罵り合うような喧嘩はしないし、別れの危機みたいなものが訪れたわけでもない。
でも、ここしばらく、私は彼との関係性のあり方、思想の違いについて考えることが多く、端的に言ってしまえば精神的に少し疲れていた。

私は人との議論が好きだし、自分一人で色々とああでもないこうでもないと考えるのも好きだ。
その私が、考えることに疲れてしまったのは今回が生まれて初めてかもしれない。その原因は細かいことを言えば色々あるが、その中の1つに知らない間に〝自分らしさ〟が損なわれていたからというものがあると思う。

先日、母と久しぶりに長時間、話をした。
その時、自分の何かが解放されたような心地良い感覚があったのだ。私は母の前で自分という人間を何の制限もなく言葉で表現出来ていた。逆を返せば、ここしばらくの私は自分を自由に表現出来ていなかったんだと思う。

当然、彼と母親では私と接してきた年数が違うし、そもそもそれぞれの性格も違うし、私が2人に対して全く同じ対応は出来るわけがない。
彼に本当の意味で自分の全てを曝け出すには一緒に過ごしてきた時間がまだ短すぎるし、それが出来るようになるのはこれからなんだと思う。
そうは言っても、母親と話すだけでここまで開放感があるとは……彼の前の自分はそんなに制限されていたのだろうか。

INFJの彼の思想は、私の〝理想〟であることが多い。

り‐そう〔‐サウ〕【理想】

人が心に描き求め続ける、それ以上望むところのない完全なもの。そうあってほしいと思う最高状態。「—を高く掲げる」⇔現実
理性によって考えうる最も完全状態。また、実現したいと願う最善目標あるいは状態

goo辞書:デジタル大辞泉

小学生の時に、〝理想〟の対義語は〝現実〟と習った。
「集合⇔解散」「過去⇔未来」みたいな覚えるまでもない簡単な対義語たちの中で、「理想⇔現実」はやたら異質なものに見えたし、当初、意味がよく分からず私は覚えるのに苦労した。
しかし、ある時、私は急に理解した。
理想は現実にならないものなんだ、と。

特に深く考えずに、目標という意味で理想という言葉を使っている人もいると思う。実際、そういう使い方をたくさん耳にしていたので、理想の対義語が現実であると理解することに時間がかかったのだが、恐らく本来、理想は現実になり得ない事柄を指すのだろう。

つまり、「理想が高い人」はただでさえ叶うことのない夢物語が、人よりも更に高いのか……それは苦しそうだな。そもそも、叶わない理想を考えること自体が苦しいな……。
そう思ったので、私は理想に想いを馳せるのはやめた。必ず実現出来るものだけを見て、それに向かって進もうとした。

※言葉に関して、義務教育以上の知識が私にほぼないので、考え方によっては理想が現実にならないとは言いきれないのかもしれない。
※あくまで私の浅い解釈として甘く見て欲しい。

話を戻そう。
本題は、INFJの彼の思想が私の理想であることが多いという話だ。

彼とは色んな話をしてきた。
仕事、恋愛、人間関係……色んなジャンルの話で意見交換をした。彼はどのジャンルの話をしても、自分の考え方をしっかり持っていて、説得力もあった。一方で私には私の考え方があったし、説得力がどれほどあったかは分からないが、少なくともそれなりに筋の通った説明は出来ていたと思う。
お互いがお互いの考え方を理解することが出来て面白かったし気持ち良かったのだが、それと同時に、知らぬ間に彼の思想は私の心に深く入り込んでいった。
「そういう考え方なんだね〜面白いね。私とは違うけど」と口では言いながらも、私には彼の思想がとても良いものに見えたし、それは私の心にだんだん溜まっていった。
そう、彼の思想はとても良いものに見えるのだ。
それは、私がこれまで見ようとしてこなかった理想だからだ。

彼の愛情に対する考え方は美しいと思った。

愛する人のありのままの姿を見たい、そしてその姿を愛したい。
自分の感情、欲求によって、愛する人の個性、考え方を否定したり、変えたくない。
愛する人の良い部分も悪い部分も全て受け止めて理解したいし、それこそが彼の相手に対する愛情。

そして、彼はこの思想に確固たる自信がある。
本人にそのつもりはないかもしれないが、逆にそれ以外を愛情とは認めないという強い意志すら感じる。
だから、説明された時にとても説得力を感じるし、魅力的に感じる。自分もそうなりたいとすら思う。
でも、彼のそんな思想は私の理想でしかない。
絶対に手に入らないものなのだ。

「どんな美人でも性格が好きになれなかったら醜く見えるし、好みの顔の人じゃなかったとしても、性格が好きなら綺麗に見える。結局、外見、表面的な部分は人を愛する上で問題じゃない」

これは彼がよく言う言葉だ。
初めて聞いた時、
「あぁ分かる分かる、どんだけ格好良くても性格が嫌いなら全然好きになれないもんな。まぁ格好良いに越したことはないけど」
と思った。
しかし、それを何回も聞くうちに、
「そうだよね。外見なんてその人の本質ではないし、外見の好きは本当の好きじゃないよね」
になっていった。

少し分かりにくいかもしれないが、これは大きな違いだ。

実際、私は外見だけで異性を好きになったことはないし、今まで付き合ってきた人も結果的に自分の好みの顔ではなかった。
でも、オタク気質でもある私は、格好良い人は好きだし、男性として魅力的に見える。
今の彼氏にも、いわゆる外見のここが好きとか、表面的な異性としての魅力を感じる部分が具体的に何個かある。そして、その好きが少なからず愛情にも繋がっている。
それは悪いことではないだろう。
しかし、彼の考え方を聞いていると、今まで見ることのなかった自分の理想が見えてくる。

外見など、その人に対する表面的な好きは、本当の愛じゃない。
そんな偽りの気持ちは0にすべき。
それが本当に綺麗な人間。

そして、この私の理想を現実としている人が目の前にいる。だから、自分もそうなりたいと思った。

しかし、理想は現実にはならない。

彼がたまたま私の理想を自分の思想(現実)として持っているだけであって、それが私の〝理想〟である以上は現実にはならない。
どう私が頑張ろうが、私は彼の表面的な要素にも好感を持っていてそれが愛情にも繋がっている。
その事実は覆らない。
だから、苦しかった。
理想を追い求めても現実にならないから苦しくて、何で自分はそうなれないんだと自分を責める。
今まで理想を追い求めたことなんてないし、見ることもなかったのに、何故か理想を現実にしようとしていたのだ。
そうしているうちに、だんだん私の中から自分というものがなくなってくる。

彼の外見、表面的な部分を好きだと思ったっていい。たまたま内面以外にも好きだと感じる要素があって、それが愛情の一部にもなっているだけなのだ。
でも、彼に対する内面的な好きがその分少ないわけでもない。

外見、表面的な要素を見て、そこも好きだと感じているのが〝私〟という人間だ。たまたま彼が外見、表面的な要素には注目しない人だったというだけ。
どちらの考え方が良いとか悪いとか、美しいとか汚いとかも本来はない。
「相手の内面を全力で愛せるっていいね」
この感想だけで終わる話なのだ。
でも、そこに自分の理想が絡んでくると、人間の本能なのかなんなのか、無意識にその理想を追おうとして、でも出来ないので苦しむ羽目になる。

この話はあくまで一例であって、彼の思想が私の理想であることが他にもいっぱいあって、その理想を知らず知らずに追い求めようとして苦しかったし、疲れてしまったのだ。

INFJの思想を飲んでも呑まれるな。
これが私が今回得た教訓だ。

INFJの思想にも色々あって、かなり意地の悪いものもたくさんあるし、そういう思想の場合は大体私の思想とも一致するので、話していてとにかく楽しい。
気を引き締めないといけないのは、自分から見ると理想でしかないものを、彼らが思想(現実)にしている時だ。

「その思想良いね!」と思う反面、自分の思想が汚いものに感じて、自分も彼らと同じような考え方になりたいという感情が湧いてしまう。
それは無理なのだと分かっていないといけない。
彼らの思想が私の〝理想〟である時点で、現実にはならないのだから。

そしてまた、INFJの彼らはそんな私を見て軽蔑したりしないし、自分と同じ思想を持てとも思わない。
彼らは誰よりも、大切な人に対して〝その人らしさ〟というものを求めている。

だがここで厄介であり面白いのは、そんなINFJも神様ではなく人間であり、Fなだけあってちゃんと感情的な生き物であるという点だ。

ある一件で、私と彼に明確な思想の違いがあった。
それが原因で結果的に私が少し嫌な思いをしてしまうことが多く、擦り合わせが必要となった。
話し合いの結果、私が彼に合わせた対応をするのは難しく、彼が私に合わせる対応をするのが1番良い解決策だという話になって、それが実行され話は丸く収まった。
が、後に彼が言ったのだ。

「この件に関して、いずれは凛ちゃんも俺と同じ思想になると思うんだよね。いや、今、結果的に俺が合わせたのは全然良いんだけど」

私は驚いた。
「俺と同じ思想になって欲しいな。させたいな」
という欲求を感じたのだ。
その言い方に、かなり確信に近いものも感じたから。
いや、確かに将来的に私の思想が変化して、彼と同じ思想になる可能性はある。
しかし、こればっかりは可能性の話で、彼は彼なりに私との将来を色々想像してそう思ったのだろうが、それでもその考えが明確に浮かんでそこまで言い切れるのは、彼の根底にある願望の現れだと私は思う。
ちなみに、私はこの件に関して今のところ自分の思想が彼と同じ思想になるなんて全く思えていない笑

私は大切な人の個性や考え方を尊重したいという気持ちはあるが、そう出来ない時も自分にはあると思っている。
「彼の考え方が嫌だ、変えて欲しい」
「自分と同じ考え方をして欲しい」
実際に口に出して相手に要求するかどうかは別にして、私はこの感情が湧くことがある。理想はこの感情すら湧かず全てを受け止められることだが、あくまで理想なので現実的には無理だ。
相手が好きだから過度に求めてしまうことがあるし、その感情を湧かせないようには出来ない。
だから、対処法を考えるしかない。

愛する人のありのままの姿を見たい、そしてその姿を愛したい。自分の感情や欲求によって、愛する人の個性を否定したり、変えたくない。

これが彼の思想であることは間違いないだろう。

でも、彼も人間なので思想に反した感情が湧くことがあるのだと思う。
そして、こんなことを言ったら彼は「そんなことは無い!それは自分が1番したくないことだから!」と酷く憤りを感じるかもしれないが、無意識に私の思想を自分の思想と同じになるように誘導しようとしている時もあると思う。
これはもちろん私もそう。
それは人間だから。人間には感情があるから。

まぁ明確な根拠がない以上、これは私の想像でしかない。妄想と言ってもいいかも。笑

彼に直接言って確かめたわけでもないし、そもそも彼の無意識下の感情や動きについては確かめようもない。
それに、さっきも書いたが、この話は彼に言ったら酷く不快な気持ちにさせてしまうと思う。
「これまでの俺の言動を見ているのに、そんな可能性を考えるなんて俺を理解していない。悲しい」
と言われてしまう気がする。


余談だが、
「これまでの俺の言動を見ているはずなのに、俺の発言をそんな風に捉えるなんて俺を理解していない!」
と過去に実際言われたことがある。

私は臨機応変に他人の感情に対応するのが苦手なので、彼が突如得体の知れない生物に見えてしまって「えぇ……急に声荒らげて何だこの人……」
とその瞬間は若干引いてしまったのだが、
「彼が感情的になったらこんな感じになるんだな〜」
と後から、私は新たな発見をした気持ちになった。

そりゃ彼の色んな思想についてたくさん話を聞いているが、「そう簡単に全てを正しく理解されると思うなよ!」というのが私の正直な気持ち。笑笑
間違って捉えていることもあるし、すっかり抜け落ちてしまうことだってある。
相手を理解したいという欲求と同時に、自分も理解されたいという欲求が強く、それがそうなってないと、
「前、俺はこういう考え方をするって説明したよね?じゃあ、何でそんな発言になるの?そんな考え方をするって思われてることが嫌!全然理解されてない!悲しい!」
とたまに感情的になるのが、また彼の人間らしいところだなと思う。



結局は誰しもが人間だ。

でも、相手の魅力的に見える思想に引っ張られて、自分の人間性を見失ってはいけない
必ず苦しくなるからだ。
関係性が恋人同士であったり家族である場合、自分が気付かないうちに、感情や欲求のまま相手の思想を自分の思想と同じようにしようと誘導してしまうことがあるし、逆に相手が無意識下で自分を誘導しようとしてくることもある。
これに負けない確固たる強さを持たないといけない。自分の個性を見失ってはいけない。

INFJの思想を飲んでも呑まれるな。
自戒の念を込めて。

今回、いつも以上に話があっちこっち飛んで、まとまりがないように思う。
大変読みにくくて申し訳ない。

特にINFJの思想が魅力的に見えることが多い私が得た教訓のお話でした。



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