今の小学生友達作るの困難だな
1985年に出現したサイコガンダムマークIIが、バンダイから発売されることになった。
39年前に登場したガンダムのプラモデルがリニューアルされて発売。
僕は友達がいなくても、もう大人なので全く問題がなく、サイコガンダムでも作ってりゃ良いのだろうが、小学生は違う。
世間が家と学校とイオンしかない小学生の友達事情が現代は怖すぎた。
【乱暴な転校生が来た!その名も林くん】
2年生の春、林くんが僕らのクラスに転校してきた。クリッとした目に、白い歯、小麦色の肌をした林くんの体はみんなより大きかった。恰幅が良いと言うか、大柄というか、つまりまあデブなのだが、それでも2年生にいたみんなは、大きい転校生が来たと印象があった。
性質を一言でいうとワンパクという比喩が一番似合う林くんは、転校して間もなく大暴れ。
クラスの女の子をぶん殴ってしまった。
当事者でないクラスメイトもぶん殴った理由まで分からないのだが、女の子が泣いており、林くんがプンスカ怒っている様子をみると殴ったことは確かなようだった。
「なんで叩くの」
「林くん酷い」
「先生呼んでくる」
泣いている女の子の友達が大騒ぎ。
林くんも目をむきだして怒りを顕にしていたのに、雰囲気が林くんを飲み込み、みるみるとヤベーの世界に入っていった。
その後臨時学級会のようなものが、先生、グラスメイトのメンバーで行われた。
別名、公開処刑だ。もちろん林くんに代理人弁護士はいない。
林くんは、証拠もあるのだかないのか、よーわからん被害報告をクラスの自称被害者達から一人一人訴えられ、先生もその一つ一つの罪状認否すら林くんに確認せず「悪いのは林くんだよね」で終わった。
林くんは、ボロボロ大粒の涙を流してみんなに謝った。「殴ったりしてごめんなさい」
その後6年生まで人を殴ったりしなかった。相変わらずワンパクではあったが、特別問題も起こさず、卒業しました。
めでたしめでたし。
(著𝓡𝓲𝓷1129 「キングコング林」より抜粋笑)
これが僕が知っている昭和であった、実際の出来事でした。
【 意地悪ですぐ突っ込むエイトくん、嫉妬深い芽衣ちゃん 】
クラスにいるエイトくんは、いつも誰かに対して突っ込む。
「あっ、口紅つけてる」と意地悪そうにエイトくんは言う。
「口紅じゃないよ。リップだよ」と女子は答えた。
「口紅だ、口紅だ。先生に言ってくるから」
エイトくんは楽しそうに笑っていた。
ある日の昼休み
「まなちゃん、今日校庭で一緒に遊ぼ」
と女子がまなちゃんに言った。
するとすかさず芽衣ちゃんがやって来て、「まなちゃんとは私が遊ぶんだから、あなたは遊ばないで」と言った。
ある日の授業中
「芽衣ちゃん、遊んでないでちゃんと授業聞きなさい」と芽衣ちゃんが注意を先生から受けていた。
どうやら授業中に定規で消しゴムを刻んでいたようだ。
エイトくんがまた問題を起こした!
どうやら来校していた父兄の車に石で傷つけてしまったらしい。
それを見ていた別の父兄が、先生に報告して、エイトくんの担任は、マニュアル通りエイトくんの両親に連絡した。
するとエイトくんママは、学校に来て、猛抗議。「うちの子はやっていません」と大暴れです。
「いや私も見ていませんけど、他の父兄様何人かが目撃していたようで」
「そんなの証拠にならないでしょ」
「一応エイトくんにも確認してみてください」
「すいません。うちの子に聞いたら傷つけてしまったようで」
そんなエイトくんも芽衣ちゃんも三学期に突入しました。
気づいたら2人に話しかけるクラスメイトはいなくなり、お互い孤独になりましたとさ。
めでたしめでたし。
(著:𝓡𝓲𝓷1129 ちびまるにいるレベルより笑)
【昭和と令和の違い】
共通しているのは「異物の排除」です。
みんなと同じが出来ない者の排除は、今も昔も変わりません。
それは人間の本能であり仕方のないことです。昔はADHDという言葉すらなかった。
前文で登場した林くんは、令和の子供より重罪を犯している。まあ同級生の女の子をぶん殴っているからね。そして今では報道されそうな方法で林くんを戒めている。
しかし林くんは、その辛い「ミソギ」を受けた事により多少アンチは残るが、堂々と卒業まで過ごせている。
一方令和を生きる1年生、エイトくんと芽衣ちゃんは、ミソギを受けることは学校ではない。親御さんに委ねる。
そして危険人物認定されると、各クラスメイトのママ友連絡網で情報が回る。
「あそこの親ヤバいらしいよ」
「あの親の子ども3年生にもいるけど、同じだった!怒鳴り込まれた親御さん沢山いるらしいよ」
「芽衣ちゃん授業中いつも怒られているらしいよ」
「近寄らないのが1番だよ。巻き込まれるから」
そして児童は1年生から孤独になりました。
100パーセント親バイアスかかっています。
クラス全員近づかないって。
親同士の情報がエイトくんと芽衣ちゃんの親には、入っても当たり障りのないことしか入ってこなくなりますので、なぜ孤独になっているのかよく分からない期間が、続くと予想されます。
エイトくんに至ってはワンパクです。
女子をぶん殴る林くんより大人しいです。
芽衣ちゃんに至っては、単なる多動症で、嫉妬深いだけです。
どちらも昭和にいたタイプです。
マンモス校ならワンチャンあったり、優秀なお節介熱血教師野郎がいれば、変わるかもしれませんが、今の時代頼まれてもヤラないと思います。
そして芽衣ちゃんもエイトくんも少子化の世代なので6年間1クラスの学校にいます。
僕は言いました。
「エイトくんと芽衣ちゃん可哀想だな」
すると妻はすかさず返します。
「いや近づかせて巻き込まれたら最悪だって友くんママも言ってたし、うちの子も嫌だって言っているし」と猛反論してきました。
【親が遊んでもいい子を決める時代】
確かに自分の子どもだけを見ていれば良い時代です。むしろ多くはお節介、迷惑になるのでしょう。
ただこれが理想なのでしょうか。
芽衣ちゃんに関しては協調性が低くて開放性が高い子です。社会人として大きく成功する可能性があるのは、みんなより芽衣ちゃんだと僕は思っています。
エイトくんに至っては親の問題です。
「友達がいない」とかで抗議されてうちの子がシカトしている、いじめている側だとか言われたら多分遠慮なく僕なら言ってしまうと思います。小馬鹿にしたように
「おーおー!初めまして。オタクの上の子の時からヤベー親だったとは聞いてますよ。ヤベー親の有名人ですよね」とか言うと思います笑
うちの子はエイトくんを見て「1人になって可哀想だ」と妻に言ったそうです。
妻は子どもに「いやいやいや、付き合わないで」と言いました。
芽衣ちゃんは……ウザイだそうです笑
なにが正しいのか、それは分かりません。
林くんにとっては一時の恥で済んだが、エイトくんの場合はきっかけがなければ、あと5年間孤独を強いられる可能性があります。
下手すると私立にでも行かなければ中学もう3年間孤独です。
「エイトは無視する」
小一から親に教わったことです。
その刷り込みをクラスのメンバーが省みることはないです。既に他でコミュニティがあるでしょうから必要ありませんからね。
方法があっても昭和の魔法は禁断の黒魔術です。使えません。
誰もが情報を簡単にやり取り出来て、仕入れられ、発信出来ることは、人によっては辛いものになるのかもしれませんね。
𝓡𝓲𝓷1129
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