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マッチングアプリ体験談:6~7人目
6人目:人生が交差することがなかった男
仕事:金融関係
年代:30代後半(年下)
アプリ:Omiai
イタリアンで初デート。
かわいい年下くんという感じで、前夜からワクワクした。
テラス席の小さなテーブルで、肘をついてピザを食べた。
好みの外見(黒髪&高身長)だったのと、やたらと顔が近かったせいで緊張した。付き合いたての学生カップルみたい。でも、彼を気に入ったかというとそうでもない。なしではない。
よく分からないからもう一度会いたくて、一ヵ月後にチョコレート専門店に行った。並んで待つ間、彼は扇子で私に風を送り続けてくれて、その優しさに少しだけキュンとした。
食事中の会話はそれなりに盛り上がったけど、やはりピンと来るものはなくて、3回目に進むべきか迷う。今思えば、彼も同じ気持ちだったのかも知れない。
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数日後、彼のLINEがですます調と突き放すような物言いに変わった。すごく冷たい。「終わらせたいんだろう」と察し、連絡するのをやめた。
結局、彼の考えていることは何一つ分からないまま終わった。私たちの人生は1ミリも交差することはなかった。
7人目:私を無視する男
仕事:スマフォアプリ開発
年代:40代前半(年上)
アプリ:東カレ
何もかもが最低だった。
彼の提案で、人気店でスフレパンケーキを食べることに。長蛇の列から少し離れたところに彼を見つけ、私から声をかけた。
「〇〇さんですか。りんです、お待たせしました」
「ん、あぁ。はい。どうも」
声と目の動きですぐに分かった。
私の外見が好みじゃないらしい。
並ぶことも予約可能なことも分かっていたのに、なぜか予約をしなかったそうだ。私がすればよかった。
この日は猛烈な夏日。暑さを紛らわせるため、待ち時間にたくさん話しかけたけど、彼の反応は薄く、目も合わせてくれなかった。
30分以上並んでやっと着席。既に帰りたい。
彼は肘をつき背を向けたまま、注文を取りに来た店員に「ドリア」と言ったので驚いた。自分がパンケーキを食べようと言い出したのに、ドリアを注文するの!?
「糖質制限中なんで小麦粉とか無理。ドリアも米だから残すし」
正気か?店員さんの前で残すとか言うなよ。パンケーキじゃなくていいなら他の店でよかったじゃん…。
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料理を待つ間、私が話題を提供。彼は相槌のみ。
初対面の異性と会話を続ける自信はあったけど、こんなに間がもたないのは初めてで困惑。まだ開始10分なのに…。何か興味がありそうな話題を…。そ、そうだ、仕事の話だ!
自分の仕事の話になった途端、彼はこちらに体を向けて、システム用語、IT業界の動向を饒舌に語り出した。
「IT業界で働いてみたら?楽しいよ?」
は?
私、プロフィールにIT業界で働いてるって書いてあるんですけど?
「開発はお遊び。そろそろ飽きたから辞めて、父の商社を継ぐ。俺は御曹司だから金ならある」
え?
御曹司って単語、久々に聞いたわ。
40分経った。もういいだろう。帰ろう。
私は自分の食事代をテーブルに置いた。彼は無言で私の3,000円をぐしゃっと掴むと、会計トレイに叩きつけるように置いて店員を呼んだ。お金の扱いが荒い。
悩んだ末、店の外でプチギフト(焼き菓子)を渡した。それを受け取った彼は「ども」とだけ言ってさっさと帰ってしまった。
始終、私の存在が無視されていて虚しい気持ち。いいところが一つもない人っているんだな…。
りん