心をえぐった名作乙女ゲーム『終遠のヴィルシュ-ErroR:salvation-』※ネタバレあり
前回(私の中では)バズった投稿から4年経ちました。
前回は音楽で今回はゲーム、ジャンルがバラバラですが、最近人生で2作目にプレイした乙女ゲームが衝撃的すぎて、心をえぐられすぎてどこかでこの心情をこぼしたくなったのでここで語っていきます。
※中盤からネタバレがあるので未プレイの方は閲覧注意!
作品概要
あらすじや攻略対象キャラクターなどは公式サイトでご覧ください。
1点注意が必要なのが、このゲームは糖度がほぼないこと。イチャラブシーンなんかほとんどないし、バッドエンドも容赦ないです。
平気で人が死ぬし、ルートによっては「そこまでせんでええやん」と言いたくなるほどの絶望に突き落とされます。あと流血表現が多いです。ハピエン至上主義の方はご注意ください!
私はゲームに限らずバッドエンドや救いのない物語が大好きなので、ええ、このゲームはとても大好物で最高でした。
ちなみに人生1作目の乙女ゲームは『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Devote』なので、私がどういうのが好みなのか…もうお分かりですね?
ちなみに、終ヴィルはクロックゼロより遥かに重いし陰鬱です。ゆえに、私の中で一番大好きな乙女ゲームになりました(分母2なのでたかが知れてる)
さて、このゲームはとにかく絵が美麗すぎるし、ストーリーに伏線が張り巡らされていて、そしてその回収の仕方も鮮やかで衝撃&衝撃でした。
「え!あなたが!?」の連続だったんですけど、他の方の記事読むと「予想はしてたけど」みたいな方もいらっしゃって、あ~私察し悪いほうなのかとそこで初めて自覚させられました^p^でも察し悪いほうが楽しめると思うのでよかったです
後半でたっぷり愛を語りますが、私の推しは主人公の義兄のアドルフです。学生のころから、ぶっきらぼうで不愛想で目つき悪い系キャラが好きな私ですが、彼は最初から最後まで私の最推しでした。なのでそれで言えばシアンさんが2番目の推しです。
ではルート別に感想を綴っていきます。以降はネタバレが含まれるので未プレイの方はご注意ください。
この作品はネタバレされちゃうと面白さが半減も半減なので未プレイの方は本当に見ないほうがいいです!!!
ルート別感想 ※ネタバレ注意
私はシアン→マティス→リュカ→イヴ→アドルフの順で攻略したのでその順で記載します。どうでもいいですが私はご飯は好きなものは最後に残しときたい派ですが、乙女ゲームは好みのキャラからやりたい派です
シアン
この方のルートは一番平和で、それゆえ個人的には一番普通だったなと感じました。普通というとありきたりだったみたいに捉えられるかもですが悪い意味ではなく、一番乙女ゲームしたな!という感じ。私が唯一泣かなかったからというのもあるかも。
共通√の序盤では冷血で血も涙もなさそうな印象を抱いたのですが、共通√の中盤から「この人ただ効率厨なだけで全然冷血じゃないやん、てかめっちゃ実直な人やん、言い方がひねくれてるだけやん!!!」と見事に惚れさせられました。まあだから最初に攻略したんだけどね。
しかも見てくださいよ「CV:細谷佳正」!!!!!!!!!!
私ね~~~細谷佳正めっちゃ好きなんですよ~~~もうマジいい声。何度プレイしながら「いい声・・・」とこぼしたことか。
まあだからそういうのもあってシアンさん√は結構期待が高まってました。
やはり一番印象に残ってるのは絶望エンド『空想の中の君』ですかね。
次第にヒロイン・セレスに惹かれていき、研究を成功させて感情、それも恋愛感情を引き継いだリライバーになったのに、愛しいセレスは自分の頭の中だけの存在になってしまった。問いかけたら答えてくれるだけまだマシだったのかな。いや、私だったら答えてくれるほうがつらいかもな。声は聞こえるのに、瞳に映すことも触れることもできないなんて、たまらなくしんどいもん…
そして何より、おそらく彼は気が狂ったわけではないのです。いや、傍から見ると「ひとりで喋ってるやんけ」と思われるはずなのですが、彼はセレスがこの世におらず、自分の頭の中にしかいないという事実を受け止めているわけです。
いっそそんな現実を受け入れられず精神が崩壊しちゃってたほうが、なんだろう、本人的にはまだ気が楽だったと思うんです。でも彼はちゃんと現実がわかってる。彼の心情を察すると耐えがたい絶望だと思うんです。そこにすごく胸が痛み、シアンさんには悪いけどこのエンディングが大のお気に入りになりました。
だけどそんなシアンさんを救済エンドが文字通り救済してくれました。救済エンドの彼はとても幸せそうで、いいぞもっとやれとニヨニヨしました( ^ω^)
絶望エンドと同様、恋愛感情を引き継いだシアンさんはセレスに素直な気持ちを伝えており、テンションもすごい高めだったのでめちゃくちゃ微笑ましかったですよ、それはもう。
バッドエンドが好きな私ですがハピエンも同じくらい好き、というかバッドエンドあってこそのハピエンだと思うので、イチャイチャしてる後日談をあと10話くらい見せてください、お願いします(切実)
マティス
お次は線の細い、まるで女の子のような彼。ええ、彼のルートはそれはもう衝撃でしたよ…(´;ω;`)
私、こういう華奢で儚い美少年キャラ全然好きじゃないんですけど、彼の人生は壮絶で「セレス~~~お前がマティスを幸せにしてくれ~~~」と切望しました。
なんと彼は人造人間(ホムンクルス)だったんですね。それも、数少ない心を開いていた相手である執事・ジャンの手によって造られた……
ジャン自身は、シアンと因縁がありそうな感じが示唆されていたのでこいつ何かあるなとは思ってたんですが、まさかクロード家の当主で、しかもマティスは複数の人の記憶を継ぎ接ぎされていたというのは全く予想していませんでした。
車のハンドルを握ると性格が変わる人、兄を死刑執行人(ブロー)に殺された青年と対峙したときはたしかに「ん?妙だな…」とはなったんですが、まさか人造人間だとは思わないじゃないですか(´;ω;`)
絶望エンド『愛と憎の物語』はめちゃくちゃ好みでした。目の前のマティスくんはたしかにセレスを愛おしそうに見つめているけど、彼が見ているのはセレスではない、偽りの記憶の中のロザリー。ロザリーとしてマティスくんに愛される運命を受け入れたセレスの気持ちを慮ると胸が張り裂けそうです。しかもマティスくんも自身をカミーユだと思っているのも、ね…
やっぱりこの作品は絶望エンドが秀逸で、悲しくて切なくてつらいのに、最終的には好きだなあと嘆息してしまいます。
救済エンドのほうも私好みの、「記憶がないはずなのになぜか彼女に引き寄せられちゃう」みたいなアレです。絶望エンド救済エンド問わず、マティスくんはセレスの目の前で色んな人格の記憶をジャン、もといカミーユに施されていました。
そのたびにマティスくんは一時はセレスとの記憶、セレスへの想いを忘れ暴力を振るったり殺しかけたりするんですが、最終的にはセレスへの愛を囁いて眠りに落ちるのです。
救済エンドではジャンが死んだことで、マティスくんを延命する手段がなくなってしまい、一度彼は永遠の眠りにつきます。ですがここでも新事実が判明し、マティスはジャンとロザリーの間に宿った子供の細胞を使われて生まれた生命だということがわかります。
兄さんと呼ばれるたびにジャンが冷たく言い放っていた「兄じゃない」の真意がここでわかるとは……!
ジャンは我が息子のため、死の直前でマティスを蘇らせるために必要なデータを研究所に送っていたんですね。おかげで彼はリライバーとして蘇ります。
そして、記憶がないはずのセレスに声をかけ、愛の言葉を………
ま、マティスうううううう;;;
正直救済エンドを見るまで「セレスとマティスは互いのどこを好きになったん?絶望エンドで毎回愛してる言ってたけど何でそんなに愛が深まったん?」とちょっと腑に落ちてなかったんですが、なんかもうどうでもよくなりました^p^ きっと幼少期に虐待され、兄を殺された(という偽りの記憶を植え付けられていた)ゆえに、セレスのまっすぐにマティスを応援する姿、ひたむきに寄り添ってくれる姿に救われたんだろうなと思います。
私はこのあたりでシアン√とマティス√の温度差に風邪をひきかけます。ですが次のルートで風邪を通り越して胃腸炎にかかります。
リュカ
続いてはこの方、またもや儚げな美少年です。この方はマティスより食指が動かなかったんですが、ストーリーが重すぎてこのゲーム史上2番目に多く泣いたルートになりました。
一言でいえばこの方は大量殺人鬼です。とは言っても大事な妹を人質にされ、ヤク漬けにされていたかわいそうな方なんですけどね…すべての元凶はあのクソ遺伝子狂い男ですね。
このルートのセレスにはあんまり共感できなかったな。いくら不可抗力で人を殺していたとはいっても、リュカ本人も言っていたように「自分の意思でやったことに変わりはない」わけで。よくそんな人を受け入れられるな、抱きしめられるな、と冷めた目で見ちゃってました() いや、かわいそうなのはわかるんだけどね?乙女ゲームのヒロインなのでそうさせるほかなかったんだろうとは思いますが、現実的じゃなさすぎてあまり響きませんでしたね…
リュカ√は絶望エンドより救済エンドのほうが印象に残ってます。何せ「救済エンドとは?」というエンディングですからね…
まあ人を大量に殺してしまった大罪人なわけですからこうなってしまうのはしょうがないのかもな…BANANA FISHの作者さんが「アッシュは色んな人を殺したから救いがあるといけない」みたいなことを言われていたのを思い出しました。リュカ√を全部終えたとき、「彼は何のために生まれてきたんだろうな」と思わずにはいられなかったんですが、セレスと同じお墓に入れたのだけが救いだったのかな。
何より、瀕死のリュカが異形となってしまった妹・ナディアを手にかけるシーンは涙なしでは見られませんでした。人間じゃなくなる前に、人間としての尊厳を守るために、ただ一生懸命生きていただけの妹を自らの手で……
このシーンはほんとにつらかった。リュカ√の救済エンドはとある大団円エンディングより後に見たのですが、大団円エンディングのほうでナディアが幸せそうにしてて本当によかったと思いました。別の世界線で笑顔で暮らしていてほしいと切に思います…
イヴ
やっと攻略制限が解かれ、イヴ√に入れました。この方、パッケージ見るに明らかにメインヒーローぽかったので早くやりたかったんですよね、火傷の件でセレスと何かあるんだろうなと思ってたし。
このルートではこのゲームの根幹、セレスの体質に関する謎がほぼすべて明らかになります。同時にちょこちょこ出てきていた『漂流者』の詳細も。
【リコリス・ノワージュの化身】セレスと【リコリスの守護者】イヴ。絵に描いたような運命ですよね。
ふたりの境遇はロマンチックだなとは思いつつ、ストーリーは結構王道でした。あんまり私には響かなかったかも顔半分に醜い火傷を負ってしまったせいで親に嫌われ、周囲からも怯えられ、愛情に飢えてしまったがために、彼は異常なまでに周囲の人々をあいしていました。でもそれも『自分を愛してもらうため』という見返りを求めてのこと。
誰にでもいい顔をして綺麗ごと言うイヴに、いいやつだなとは思っても攻略対象としては微妙だなと思っていたんですけど、エンディング前にセレスへの『偏愛』に変わったときは個人的にすごくグッときました。
このルートではセレスが科学的に証明できる死神だと判明し、シアンに「この国の呪いを解くために犠牲になれ」と言われたセレスは思わず「よかったぁ」とこぼします。
マティスやアドルフは実験体となるセレスを取り戻しに行く気満々でイヴを振り返りますが、セレスの恋人である彼は予想に反して浮かない表情。うろ覚えですが、そのとき放ったイヴの言葉に涙がこぼれました。
『彼女、「よかった」って言ったんだ。やっとこの国を救う希望となれる彼女に、これからも絶望の中を生きてくれなんて言えない』
…めちゃめちゃ愛じゃん!!!(´;ω;`)
それまで「イヴ素敵だけどまあ…うん」って思ってた私の心がもう!!イヴに奪われた瞬間でしたよ!!!
ほんでそのあとのね?アドルフのイヴへの言葉も素敵なんだ。
『お前は俺やヒューゴに新しい世界を教えてくれた(意訳)。そういうお前ならあいつにも新しい【生きる喜び】を与えられるんじゃないか?』
アドルフ~~~~~~~~~;;;;;好きだ~~~~~~~~~!!!
この言葉でイヴは決心するんですね、セレスを、たとえ彼女が拒絶しても助けると。何百万人の命を見捨てることになっても、セレスひとりの命だけを救うと。悪魔になる決意を固めます。
世界を敵に回しても、ってやつですね。このセリフには(現実的じゃなさすぎて)別にときめかないですが、この物語のイヴのその決意は正直心を掴まれました。イヴは攻略キャラとしては3番目に好きですが、ストーリーとしてはアドルフ√の次に好きになりました。やはりアドルフ強し
彼の絶望エンド『黒色の愛』は、セレスの目の前でイヴが黒焦げになるという衝撃的なエンディングでした……私だったらトラウマものだし、そりゃセレスも気が狂うわな。セレスの唯一正気を失ったエンディングでした。
救済エンドのほうも完全なる救済というわけではなく、イヴもセレスも一命をとりとめたものの、世間からしたら悪者のわけですから、人目を避けて暮らすことになります。
さらに国民の命を脅かす呪いは依然としてイヴを苦しめたまま。結果としてイヴは呪いに苛まれたままこの物語は幕を閉じます。アンクゥがシアンさんに「特効薬作れるで」と仄めかす描写があったので、おそらくこのふたりが救われる未来がないこともないのかなと思います…
ちなみにFDのほうも購入し、いの一番に救済エンド後のシナリオを読みましたが、予想通り特効薬ができてふたりは救われてました!!!FDの話はまた別で感想を書ければと思いますが、とにかく幸せそうでよかった(´;ω;`)最後のスチルも眼福でした;;;
アドルフ/アンクゥ
この物語は彼らのためのものでした。
なんだよなんだよおい!めちゃめちゃイヴがメインヒーローだと思ってたのに見事に裏切りやがってコノヤロー(大歓喜)
そう、これはアドルフ、もといアンクゥの壮大で切実な恋物語だったんですね。
第3幕をやっているときはいつ、どういう流れで分岐するんだろうと思っていたんですが、まさか同一人物だったとは…
アドルフエンディング前の、セレスがアンクゥの正体に気づくシーンめちゃくちゃ好きです。私は察しが悪いのでセレスのそのモノローグで気づいたんですが、あんなに鮮やかな伏線回収は進撃の巨人以来でした。
たしかによく見ればアドルフに顔が似てるし、しきりに「姫君にはイヴが合う」って言っていたのにも合点がいきます。
あと第1幕と第3幕の冒頭でセレスが自害するシーンがあるんですが、その後何事もなかったようにセレスが生きた状態で登場するんで最初頭混乱しててよくわからなかったんですよね。そういうことか…と鳥肌立ちました
それにしてもさ~~~~愛が深すぎるんよ(´;ω;`)ただひとりの愛する女性を救うために数百年も孤独に戦い続け、何度諦めたくなっても最後は「生きてるセレスに会いたい」がために起き上がる。今書いてても泣きそうになってきました。
途方もない時間を孤独に、痛みに耐えながら生きてきたのだと思うと胸が張り裂けそうです。各ルートにアンクゥが絡んでくるんですが、この真相を知ったあとだとアンクゥの心情にしか頭がいかなくなって、そのたびに「切なすぎんだろ;;;;;」とめちゃくちゃ泣きました。
中でもアドルフ√とイヴ√が顕著ですかね。アンクゥは過去の自分を「セレスを現状の絶望から救い出そうとせず、それを『守ってる』と思い込んでるだけの騎士気取り」だと自嘲しており、そんな自分が大嫌いだったんですね。だからおそらくアドルフ√で、セレスがそんな大嫌いなかつての自分(別世界線ではあるけど)に惹かれていく様を見るのは複雑で、歯痒かったんだろうなと想像できます。彼は元の世界線のときから、セレスに相応しいのはいざというときにすぐ駆けつけてくる、そして真摯な、運命の相手であるイヴだと思ってたんですから…
元の世界でのイヴとのシーンもまた泣けるんですよね。元の世界のイヴは100年以上実験体にされてきたアドルフを助けに来て、その道中に自分を犠牲にしてでもアドルフを過去のセレスに会いに行かせるために背中を押します。そのときに放ったのが『あっちの世界でも親友になれたらうれしいなあ』。イヴううううううううううううう;;;;
そういう友情もあり、どこのルートか忘れたけど(たぶんイヴ√)イヴの姿を一方的に見つけ、声をかけようとして思いとどまるシーンがあります。書いてる今も泣きそうもちろんこっちの世界のイヴは元の世界の自分と知り合いではないし、何せ容姿がアンクゥなんで声をかけたとてなんですよね。だけど大事な親友の姿を見てグッとなるアンクゥの姿に涙を禁じえませんでした。泣きそう。
ちなみに、FDの救済エンド後日談のイヴ√で、イヴがアンクゥに「この戦いが終わったら改めて親友になってくれたらうれしいな」と放つシーンがあります。アンクゥ自身も元の世界のイヴのそのセリフを思い出して言葉を失います(´;ω;`)
しかも、その後セレスを救いに行く際、イヴは自分が死刑執行人と対峙してアンクゥをセレスのもとに向かわせようとします。するとアンクゥは死刑執行人に立ち向かい、逆にイヴに助けに行かせようとするんですね…そうです、元の世界とは逆の行動。はい私涙。アンクゥが関わると涙腺がバカになりますね、ええ。
ここまでアンクゥへの想いを綴ってきましたが、最推しはアドルフです。
アドルフは外の国から来た普通の人間なので、アルペシェール国民のように呪いが効かず、かつ恐れもしてません。その普通~~で不器用な感じがダハトだけでなく私にも刺さりました。
アドルフがリライバーになりたくない理由は『リライバー技術というものが未知すぎてそこに身を委ねるのが怖いから』という、アルペシェール国民が絶対に抱くことはないもの。これまでは、死の呪いに抗うために生きている人、リライバー技術をあてにしているがゆえに死を軽視する人、逆に普通の人間として生を全うしたい人など、どうしても呪いに振り回されてしまう人々の物語を見てきたわけですから、プレイヤーの我々と同じ視点を持つアドルフ√は結構新鮮でした。
そして今アドルフ√について色々語ろうと思ったのですが、語ろうと思っていた大半が前述したアンクゥの境遇に対するものだったことに今初めて気づきました( ^ω^)
たしかに胸が痛くて、かつ印象に残っているシーンはほぼほぼアンクゥ関連ですわ……
ということでまとめると、私はアンクゥもアドルフも最推しで、アンクゥはその境遇の、アドルフはそのビジュアルのファンのようです^p^
ビジュアルファンということでアドルフ√のスチルの話をさせてください。アドルフ√のスチルはそれはもう眼福でした。
まず第3幕を始めると序盤で出てくる、アドルフの腕の中で眠っている?セレスのスチル。もうちょっと進むと愛馬に跨るふたりのスチル。そして終盤の、カプセルの中に入ったセレスに愛を告げるアドルフのスチル。この3枚が特にしびれました~~~(死語)
アドルフは長らくセレスの義兄という立場だったわけなので、セレスに想いを抱きつつもそれを口にする気は毛頭なかったとのこと。でも牢に捕らえられた折、セレスにまっすぐな言葉と笑みを向けられ、ついぽろっとその想いが口からこぼれてしまうのです。このときの赤面したアドルフのスチルもかわいくてスキ。
アドルフは返事はいらない、忘れてくれと訴えますが、セレスは(救済エンドに向かう選択肢では)告白の返事を待っててと伝えます。おそらくこの選択肢じゃないとどう足掻いても救済エンドには行けないんですね、救済エンドのストーリーがそのセリフを言われた前提になってるので。それもまたイイ。
そして終盤、ダハトに捕えられたセレスを救いに来て愛を伝えるシーンが前述した3つ目のスチルのシーンです。もう~~~このときのセレスとアドルフの表情がたまらないんだ。ものすごくかわいい。あのスチルがこのゲームの中で一番好きです。アドルフ救済エンド後のスチルもいいけどあれがほんといっちばん好き。
あと牢での告白シーンのあとにアドルフとイヴが話すシーンもすgggggっごいよかったです。
セレスがダハトに呪いを克服するための特効薬として捕えられ、それをみんなで助けに行くぞ!と攻略対象の男たちが話すんですが、その際アドルフは「セレスはイヴが助けに行ってくれ」と突拍子のないことを言い出すんですね。みんなアドルフが助けに行くものだとばかり思ってたんで「え?」となります。私もなりました。
その真意は以前から抱いていたイヴへの嫉妬でした。いざというときに体を張ってセレスを守れるのはいつだってイヴ。いくら剣の腕があっても大事なときに振るえないなら意味がないと。
そんなアドルフをイヴは焚きつけます。彼は「セレスと俺が運命だって言ったら、アドルフは気持ちよくそれに同意できる?」と問います。それに対しアドルフは「以前の俺なら同意できた。けど今はもう無理だ」と答えるんですね~~~~~~~~Fooooooooooooo!!!!!!!!!ほんでそのときのモノローグが、
とっくにあいつへの想いは、見守る恋から手を伸ばす恋に成長していた
いい~~~~~~~~~~~;;;;ここ、めっちゃいい;;;;
セレスに想いを告げ、その想いをセレスが受け止めてくれたことで手が届くまでの距離にまできた。そう、セレスから「返事をしたい」と言われたからその返事を聞きたいと切望するんですね。こういう不器用なキャラほんとに大好き;;;;
そして助けに行って私の大好きなスチルに至るわけです。
あ、そういえばたまに出てくるアドルフのはにかんだときの立ち絵!!あれもめちゃくちゃときめきました。たま~にはにかむからなおのこと殺傷能力高いんですよ……あと頭抱えてる立ち絵もすき。
このアドルフ√は大団円ルートで、他ルートでは死んだり捕まったりするキャラが比較的生きた状態で結末を迎えます。救済エンドを迎えたアドルフは本当に幸せそうで、救済できてよかったと心から思いました。人によってはご都合展開すぎると感じる方もいるかもですが、もうそんなのどうでもよくなるくらいここに至るまでが(主にアンクゥが、ではあるけど)苦しかったので何も気になりませんでした。
アンクゥを本当の意味で救済できなかったのが唯一の心残りですね……アドルフの救済エンドもアンクゥの救済といえば救済かもですが、やっぱりセレスと幸せになった姿を見たい……早くFDでアンクゥを救ってあげないとなと切実に思ってます。
総評
ここまで長々と語ってきましたが、一言でいうとこちらのゲーム、最高&大満足でした。伏線回収が鮮やかで、すべてわかったうえでもう1周したいし、記憶をなくした状態でももう1周したくなるくらい綿密に練られたストーリーでした。ストーリー重視の方は間違いなく満足できる作品だと思います。そしてアンクゥの正体を知った後、アンクゥが画面に映るたびにそっちに意識がいっちゃうようになると断言できます
絵も美麗で、ずっと見ていられるくらい美しいです。私あまりポスターとか家に飾る系のグッズほしいと思わないんですけど終ヴィルのはほしかった…(´;ω;`)
正直乙女ゲームでこんなに泣けるなんて思ってなかったし、こんなに睡眠時間を削られるとも思ってませんでした。私在宅勤務なんですけど、ハマりすぎてお昼休みにご飯片手にプレイして、退勤後に夕ご飯作るのも忘れてプレイして、と自堕落な生活を送ってました。それくらいハマります。
そうだ、システム面の話をしてなかったんですが、このゲームは選択肢の正解がわかりやすいので攻略はラクチンでした。ただ攻略制限がかかっているせいで、序盤にやったキャラのストーリーをあんまり覚えてない状態で救済エンドに突入するので、「これどういう会話してたっけ?」「あれこのルートでは誰が生きてて誰が死んでるんだっけ?」と迷子状態に陥りました。読み返せば済む話なんでしょうけどね…やっぱりキャラごとに攻略できるほうが私の性格にはあってるかなと思いました。
あと初めてプレイしたクロックゼロでは立ち絵が瞬きしてなかったので、初めて瞬きしてるのを見たときは結構驚きました。最近の乙女ゲームは全部立ち絵が動くのかな?瞬きするモーションも美しくて見入ってしまうことも多々ありました
何はともあれ、ストーリー・スチル・音楽・ボイス、総じて満足度高いです!このゲームに出会えて本当に幸せです(´;ω;`)やろうかなと迷ってる方はぜひともやってみてほしいなと思います(迷ってる人はここまで読んでないか)
長文と乱文でしたがここまで読んでくださった方はありがとうございました。また素敵なゲームに出会えたら感想を書きたいなと思います。