スタートアップって何??ベンチャーとの違いは?

こんにちは。Rimo合同会社の代表社員の相川です。

今日は、新入社員から「スタートアップとベンチャーって何が違うんですか?」と聞かれたのでそれについて答えておこうかなと思います。

ちなみにこの質問に関しての答えはググると山ほど出てきます。けれど少しずつ言ってることが違うので混乱するのかなと。
山ほど解説ある用語を改めて自分が調べて答えても意味がないので、自分の解釈をてんこ盛りで入れて答えるので、よろしくお願いします。

ちなみに、僕はこの質問をぱっと聞かれたときに、「いや、同じだよ」と答えました。実際これも間違ってないと思うのですが、言ってる人の立場や使われるタイミングによって変わっちゃうんだと思います。

新しい用語ができた背景、立場に目をやろう

まず、「スタートアップ」に限らず、最近出てきた単語は明確な定義はありません。例えば、AI、クラウド、SaaSなど全部そうです。その言葉を使ったほうが何らかのメリットがあるから使われるわけです。そのメリットは、わかりやすい、伝わりやすいだけではなく、PRしやすい、売れやすいなど金銭的なメリットを含むことがあります。こういう金銭的メリットが生まれると用語が拡大解釈されたり都合よく使われたりして定義が曖昧になっていきます

こんなとき、言葉の意味を考えるのに、

1. その言葉を使わないとするとどうなるか考える
2. その言葉ができた頃の時代背景を考え、広がるとどうなるか考える
3. 特にそれを使う人の立場を考える

を考えるのが重要だと思っています。実際これを下記の妄想ストーリーを通してやってみようかと思います。

ちなみに、「ベンチャー」と「スタートアップ」に関して、以下は事実だと認識してます。

・ベンチャー企業は和製英語。スタートアップより昔から使われている
・スタートアップは、startupと1単語になって英語にもなっている

妄想だらけ「ベンチャー」・「スタートアップ」誕生ストーリー

※このストーリーは筆者の妄想です。

2000年周辺

昔々(1990年後半-2000年ぐらいのネットバブルのときぐらいと思われる)、起業するのがすごく成功しやすく流行ったタイミングがありました。
具体例では、ライブドア(1995年創業)、Yahoo Japan(1996年創業)、楽天(1997年創業)、クックパッド(1997年創業)、サイバーエージェント(1998年創業)、zozo(1998年創業)、Mixi(1999年創業)、DeNA(1999年創業)らへんですかね。ちなみに今は日本の話しをしてるので関係は少し薄いですがAmazonは1994年、Googleは1998年創業です。

この頃、この人達は自分たちのことをなんというか考えました。作ったばかりの企業、起業したばかりの企業、もしくは普通に中小企業などなど。でもどれもしっくりこないし、カッコよくありません。
例えばできて2,3年の会社でも、まだまで若いですが、作ったばかり、起業したばかりと言っていいのか微妙なところです。だからといって自分たちを中小企業と言っては、新しい社員も採用しにくいでしょうし、大企業相手に自社の商品を売り込みにくいでしょう。

なので、ベンチャー企業という言葉を発明します。他のできたばかりの企業と違うところはなんだろうと考えたときにベンチャーキャピタルというところから、株式による投資を受けているところだと思ったのではないかなと思います。投資を受けるということは、外部の専門家の目から一定の期待をされているし将来も伸びそうであると。
当時からアメリカではベンチャーキャピタルから投資を受けた企業をstart-upsと呼んでいたっぽいですが、「start up」の意味自体が「起業」なので、起業企業だとわかりにくいと考えたのか、あえてベンチャー企業という和製英語を作ったのだと思います。このころITベンチャーとかいうと期待されたりしたはずです。この頃のベンチャー企業は今のスタートアップと同じ使われ方をしていた用に思えます。

その後、月日は流れ、起業する人も割と増えてきました。ちょっと自分で喫茶店、タピオカ店立ち上げてみた、個人だけでゲームアプリを作って法人化したなどというのも起業は起業です。なのでそういったできたばっかりの企業は、皆自分たちを中小企業とは言わず、ベンチャー企業と名乗るようになっていきました。

2010年周辺

2010年周辺にもう一つの起業ブームみたいなのが起きていたっぽいです。2008年に起こったリーマンショックという当時学生だった自分には何がショックなのかよくわからないショックで、いろんな企業が潰れたり、いろんな社員が人生のあり方を見直したようです。今のコロナショックとにてるのかもしれず、未来から見たら今も起業ブームかもしれませんね。

この頃の代表例だと、プレイド(2011年創業)、マネーフォワード(2012年創業)、Freee(2012年創業)、スマートニュース(2012年創業)、Gunosy(2012年創業)、Base(2012年創業)、メルカリ(2013年創業)という感じです。
ちなみに自分の前職のWantedlyも2010年創業です。Wantedlyの初期はFacebookを使ったマーケティング事業をやっていて、サービス自体は2012年にリリースされてるのである意味2012年仲間です。最近上場して大きくなっているSansanは2007年創業だったのでここも2012年とか途中での変化はあった会社かもしれません。

この頃も皆自分たちのことをベンチャー企業と名乗っていたのですが、小さく起業している人もありふれていたので、ベンチャー企業だと差別化ができなくなっていきました。

ちょうど、そんな大きくなっている企業の起業がてんこ盛りの2012年9月頃、界隈で有名だったポール・グレアムという投資家が「スタートアップ = 成長」という熱い文章を投じ、日本でも話題になりました。(多分アメリカでもただの起業という意味での"start up"と、スタートアップ企業という意味での"a startup"の区別もあまりついていなかったのだと思います)

Startup = Growth http://www.paulgraham.com/growth.html
日本語訳 (https://innova-jp.com/startup-growth/

スタートアップは、急成長する事を目的としている会社のことだ。新しく設立された会社を全部スタートアップと呼ぶわけではない。スタートアップは、テクノロジー分野での起業を指す訳でもないし、ベンチャーキャピタルから出資を得る事、また、会社を売却したり、上場したりする事がスタートアップの条件でもない。スタートアップにとって、必要不可欠なことは成長だ。他の全ての事は、成長に付随する要素にすぎない。

こういう理由で、自分たちはすごく大きくなることを求め、VCから資金調達もして強いプレッシャーを受けながらやっているのに、ちょっと起業しただけのベンチャー企業と同一視されてしまう問題を、スタートアップと名乗り直すことで回避するようになりました。

じっさい、訳注にも

(注:米国ではベンチャー企業をスタートアップを呼ぶ。ここでは原文の意味を活かすため、ベンチャー企業の事を、スタートアップという名称で統一したい。)

と書いてあります。今となっては、この理由でスタートアップも普通に使われる日本語になりました。

投資家の立場から

これは投資家としても大変ありがたい話です。株式による投資は、1000万円投資したら10年後には、10億、100億になって返ってくるようなものを期待します。銀行と違って1000万円が0円になって返ってくることもあるせいです。

なので、投資できる企業は成長したら100倍以上になるようなところだけなんです。ちょっと個人レストラン開かれたところに投資するのは到底無理なんです。(サイゼリア・串カツ田中・いきなりステーキ、アメリカだとブルーボトルコーヒーなどレストランでもスタートアップ足り得るところはありますが。)
もちろん投資はお金持っていれば誰でもできてしまうので、「スタートアップ=急成長」の定義に当てはまらない投資をする人もいます。でも、それだとベンチャーキャピタルなど、他の企業のお金を預かって投資しているようなところからの投資はまず受けられません。

なので、投資家的には「ベンチャー企業=起業したばかりのすべての企業」には投資できるわけではないけど、「スタートアップ=急成長が見込める企業」には投資できるので、呼び分けを明確にすることがあるし、したほうが便利でしょう。

Rimo合同会社はスタートアップなのか?

ここまで読んできた皆様ならこの答えもわかるでしょう。答えはYesでもあり、Noでもあります。

Rimo合同会社のやっているサービスや事業内容は急成長する(100倍になる)可能性のあるものです。実際、ユーザー数や売上のベースも、最近スタートアップとして上場した企業の1の部と比べても引け劣らない側面があると思っています。

一方、投資は受けていないので、投資を受けて資金を入れた状態で可能な限りの成長を目指すのがスタートアップでしょ!と言われたら、残念ながらRimoはスタートアップではないです。そもそも合同会社なので株式会社に変更してからでないと、株式による投資は受けることができません。

実際、自分は自分たちの会社が永続的に成長しつづけてることを望んでいるのか自分でもわかっていません。
人間だって身長の伸びは止まるけど、内面は成長し続けてるとかあるじゃないですか?もしかしたら会社も伸びるところまで伸びたらそういうの目指してもいいかもしれないですよね?
一方で、よいサービスを作っているつもりなのでそれを使ってもらったり広めたりするために必要なことは全部やりたいと思っていてそのために、売上規模や社員の規模を拡大することはやりたいと思っています。

なので答えはYesであり、Noですね。

余談ですが、自分たちみたいなどっちつかずみたいな企業も最近は増えています。

外部から資金調達をしないけど伸びはスタートアップ → ブートストラップスタートアップ

https://aws.amazon.com/jp/about-aws/whats-new/2020/02/aws-launches-activate-founders-package/
Amazonのサーバーなどをクラウドで貸し出すサービスAWSは、AWS Activateという、外部から調達を受けているという基準で初期費用を補助するサービスをやっていたのですが、2020年にその基準を改めており、会社のWebサイトなどから独自に審査しているようです。

成長じゃなくて永続的な繁栄 → ゼブラ企業

急成長を果たし、時価総額が1000億を超える未上場の企業をユニコーン企業と呼びますが、その対比で馬の中でも穏やかなイメージのあるシマウマをつかってゼブラ企業と呼ぶようになっているそうです。

画像1

https://www.huffingtonpost.jp/entry/story_jp_60e6bbdae4b0f79e8fe7b52a より

まぁ、自分たちが考えてるようなことってちゃんと探せば他にも多くの人が考えてるってことですね。

最後に

Rimoのメンバーは、Rimoは「ゼブラ企業です」と言っても、「はて?」となるだけなので、正しくなくていいので、自分たちは「ベンチャー企業」「スタートアップ」です。といいましょう!笑

こうやっていろんな定義が立場によってできていきます。


はたらくを未来に。

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