副業の給与の決め方

こんにちは。Rimo合同会社で代表社員をしている相川です。

前回は、副業ファーストな制度設計の概念的な部分まで説明したので、

今日は、具体的にはどのようなことをやっているかについて説明してみたいと思います。

おさらい

副業ファーストな制度に必要なことは、個々に納得できるルールを考えることでした。一概に公平なルールを当てはめるわけではなく、個々の納得で考える事が重要になります。

実際にやってみると、場所や時間については、あまり交渉せずに基本副業者の都合に合わせて設定するだけで決まります。例えば、沖縄にいる、ベトナムにいるみたいな人がいるのですが、それはそこでやってもらう以外方法がですし、土日やります、平日夜やりますみたいなことは雇うことを決めた以上は受けいれるだけです。
結局その上で仕事内容と給与をどうするかの交渉だけが問題になります。仕事内容を人に合わせるのは当然なので、結局給与の決め方を柔軟にすればいいという話で「副業の給与の決め方」というタイトルにしました。

余談: 副業ファーストなための給与以外の工夫
給与以外に、本業の人がやっている工夫としては、副業の人が働きやすい土曜日を勤務日にしています。他にも、代表の自分が1ヶ月AirBNBを借りて場所を変え完全リモートで働いてみる月を作ったり、色々実験しています。

・土曜働いて、その分平日休んでいる。
  休みは事前にどの曜日か決めていて、現状月曜の人・水曜の人がいる

給料体系は、時給・月給・成果報酬のすべてを適宜採用

給与は、働いている役割により、時給にするか、月給にするか、成果報酬にするかを決めています。実際は、副業の人(本業の場合も)がより安定性を求めたら月給にすることもありますが、大まかに以下のようにしています。

月給
労務・総務・法務・経理・インフラ・PR・カスタマーサポートなど、定常的に存在していることに一定の価値があるものはベースを月給にし、適宜特殊タスクが大量に発生した場合などは追加で払うし、個人の善意ベースで減らしてもらうこともあります。

時給
多くの人が現在この方法です。これは基本働いた時間も自己申請で信じます。月ごとに大まかな成果の報告はしてもらうので、それを見てあまりに安いなと思ったときは時給をあげているのと、高いなと思ったときは個別に話をします。
Toggleなどの仕事の開始と終了を記録するといった工夫をしてくれる人もいます。

成果報酬
現状は、一部のデザイナーと、エンジニアインターンやはじめてRimoで仕事してお互いに実力や勝手がわからないときに使っています。こちらでなるべくやりたいのですが、事前に仕事のタスクをすべて洗い出さないと破綻しやすいので時給に落ち着いてしまっています。今後こっちの構造を増やしたいと思っています。
具体的にはこんな感じで成果を決めてます。
・営業は売上の15%(リードから決定まで完全にやると25%)
・エンジニアは特定のIssueに予め値段をつけそれをやってもらう

給料を払うときの前提

上記のようにかなり申請ベースで給与も揺らぐし、会社が潰れたら元も子もないので、当月の売上元にトータルの予算を決めていて、全体の給与額がそれを大幅(2割以上)に超えた場合、全体の給与を見直しますと伝えてます。昔はそれが起こると一瞬で潰れそうでしたが、今は多分来月から全体を見直すのでなんとかなると思ってあまり伝えなくなりました。

あとは、あまり、副業する本人たちには伝えていないですが、給与を決める上で給料を払う側の自分が何となく決めている心構えがあります。

1. 短期的に2割の誤差が出るのは仕方ないと諦める
2. 揉めそうなときは少なくとも当月は損するのは個人じゃなく会社であるようにする
3. 子供を養うなど家計の事情などは考慮する

1つ目は、そのくらいのほうが精神的にもお互い楽です。放置していると2割×2割などと積み重なっていくので長期的に問題そうだったときに手を打つ気持ちでいます。
2つ目は、会社の方が立場が強いのだから揉めたら大体会社側が悪いと思ってそうしてます。当月分なら会社はたいてい耐えられますが、個人にとってはもしかしたら大きい可能性もあるので。
3つ目は、「納得」が大事だと思っていて、家計などの固有事情は程度問題ですが若干考慮すると決めておいたほうが幸せだしいい会社になれると信じてそう思っています。

自分は、ケーキを分けるときに、5等分や、支払った額ベースで分けるのではなく、おばあちゃんは少なめ、ケーキが好きな母と子供は多め、父は普通の量みたいにそのニーズなどによって納得感で分けれる方が素敵だなと思っています。

時給を決める際の大まかなルール

実は、はじめの頃は給与もすべて相手の言い値でいいかなと思っていました。ただ実際やってみると、自分からは決められないという人も多く、声が大きかったり、少し肝が据わってるだけで給料が高くなってしまう構造になるのも良くないなと思うことから大体以下のルールで決めています。

1. 現職(本業)の給与や過去にやったバイト/インターンの給与をベースに話を始める
2. 実は本業が安いと思っているから少し上げてほしい、自分ができるタスクじゃなくて新しく挑戦するタスクをやるから少し下げてほしいなどの調整をする
3. 給与は値切らない。その代わり高いと思った場合は、その給与の場合はどのレベルのコミットを期待しているかを話す

1に関しては年収を聞き(必要そうな場合は証明してもらいます)
年収が約500万だったら時給2500円800万だったら時給4000円5をかけるだけで簡単に計算できます。
例えば、2500(円/時)*8(時間)*21(日)*12(ヶ月)=5040000(円/年)
なのでだいたい合うんです。21日というのは1ヶ月にはたらくであろう平日の数です。20日にしてもあまり変わらないですが。

1の本業の時給でやると良いのは、決めるのが楽というのもありますが、自分は副業をやってる方が本業をやっているより金銭的に得や損みたいな構造を作らないほうが、本業を乱しづらく、結果いい関係が築けるのではないかと感じています。

2の上げ下げのときには実際能力ベースで判断するのですが、エンジニアの場合は特に能力ベースで上げ下げをOKにしています。僕が30分ぐらいで大体の力を測れることもあり。この大体の基準感については、明日書いてもいいかもしれません。

3がいちばん大事なことで、給与は絶対にこちらから値切ってはいけません。給与を落とさないといけない場合は、長期的に副業者の負の感情が生まれてしまうので、そんな風に雇ってもいいことが一つもないです。ただ、こちらが高いなと思うことはあるので、その時は労働時間や働き方タスクの調整でなんとかならないかは相談した上で、難しそうなら素直に雇うことを諦めましょう。

最後に

実際に副業ファーストな設計をどうしているかを話すつもりが、給与の基準を話すという、結構重要な秘密を話すことになってしまった気もします。

実際、結構うまくいくと思うので、真似てくれて全然大丈夫ですし、公開した結果として、Rimoで働いている人やこれから働いく人が、納得感を持ちやすくなったかもしれないと思ってよしとしましょう。
質問等があればTwitterで @awakia をメンションしつつ聞いてください

それでは!


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