三角フラスコと私
おはようございます。Mariです。
今日は、大学2年くらい〜大学院までのお話しです。
私は学生時代、研究室に配属される前から、「森林化学」の研究室に通っていました。
早いうちに、そこの先生と仲良くなります。(後の指導教官です)
仲良くなった私はそこの研究室で大事にされてきたシイタケ子実体(しじつたいと読みます。いわゆるキノコの事です)の発生について調べる事になります。細かくは微量塩の影響というテーマでした。
後に気付くのですが、テーマというのは、与えられるものではなく、自分で探し出すものだと言うことです。
(院生の内容になるかもしれませんが、学生のうちに自分でテーマを見出し、実験の計画を立てて取り組む事が出来るのかというのは、個人的には難しいんじゃないかと思っています)
話を戻しますが、その研究室で大事にされてきた、いわば企業秘密について、教えてもらいました。
その内容は以下の通りです。
①500mlの三角フラスコに液体培地を入れ、滅菌します。
②滅菌した培地を無菌の状態のクリーンベンチと呼ばれる装置内でシイタケの菌糸を液体培地の中心にちょこっと浮かべます。
③浮かべたらクリーンベンチ内でフラスコに特殊なフタをし、取り出します。
④培養室内で菌を培養し、種菌がフラスコ内の液体培地の中で蔓延するのを待ちます、蔓延したら栄養成長の終わりです。
⑤その後は生殖成長に移行します。
⑥フェアリーリング(キノコが環状をなす現象のことです)ができ始めます。三角フラスコの中のインビトロ(in vitro)(試験管や培養器などの容器内での反応や細胞の変化等を調べる実験や試験の事)で、子実体が発生します。
私はこの、シイタケ子実体の発生のメカニズムを調べる実験を行っていました。
結論は、おそらくなのですが、培地内に入れた、微量塩が、酵素の補酵素(酵素の働きを助ける低分子の有機化合物)の材料になっていたのではないか。ということです。
ですが、私の生物化学の知識は講義で習った程度で、実験で使用する程は円熟していません。
結局、大学院には進学しましたが、次にどういった仮説を立て、どんな実験をすればいいのか自力では分からず、時間だけが過ぎていきました。
何もできなくなった私に対して、指導教官は、ある日突然憤慨し、怒鳴りました。
それがきっかけで、私は大学院を退学することになります。
フリーターになってしばらくは、研究者になる夢が諦めきれずに気持の整理ができるまで、時間がかかりました。
1人の時、悔しくて泣いたりもしましたが、いつの間にか気持ちは昇華されます。
学生時代に戻れるなら、どうしますか?と聞かれても、分からないと答えると思います。
この文章を書き公開することで、思い残す事がなくなるかもしれないなと思ったりします。
おわり
今日も皆さまにとって、良い1日となりますように。
Mari
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