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電話DXを支えるMarketingOpsの舞台裏:IVRyのMOpsの現在と未来

こんにちは!
株式会社IVRy(アイブリー)でマーケティングマネージャーをしている今坂(@ryohei05)です。

本記事は、IVRy Advent Calendar 2024(紅組)の19日目の記事となっております。
昨年に引き続き、株式会社IVRyでは、紅白に分かれてAdvent CalendarのPV数を競い合う面白い取り組みを行っていますので、紅組・白組の記事ともにご覧いただけると嬉しいです!

私が所属する紅組の昨日の記事は、同じマーケの泉山さんが書いたものが公開されてます!

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さて、私の簡単な自己紹介ですが、
2022年1月にIVRyの1人目のマーケターとしてジョインし、IVRyのマーケティングに関する業務全般を担当しております。

今日は私が携わっているプロジェクトの中で、
MarketingOpsのプロジェクトが、発足ちょうど1年程度経過することもあり、振り返りの意味も含めて、
「電話DXを支えるMarketingOpsの舞台裏:IVRyの抱えるマーケティング課題と未来への展望」
と題した記事を書いていこうと思います。

<この記事はこんな方にオススメ>

  • スタートアップ企業の中で、これからマーケティングオペレーション改善に取り組もうとしている方

  • 他社のMarketingOpsの取り組みに興味がある方


MarketingOpsとは? その役割と重要性

そもそも、MarketingOps(以下、MOps)とは、「Marketing Operations」の略で、言葉だけ見ると「マーケティングの運用を整える部隊」のように勘違いすることがあります。

しかし、Adobe社によると、MOpsチームは具体的には、以下のような広範囲の役割・業務を担うとされております。

  • 戦略的プランニング

  • 成果の分析とレポート

  • マーケティングデータの管理

  • 競合分析

  • クリエイティブプロセスの管理

  • プロセスの設計/実行/追跡

  • プロジェクトおよび施策の管理

  • ベンチマーク評価

  • マーケティングテクノロジーの管理

  • コンプライアンス管理

    最近、日本のBtoBマーケティング界隈でも「MOps」や「RevOps(=Revenue Operationsの略)」という言葉を良く聞きますが、
    Googleトレンドで見ても両者の検索IMPは全世界で年々伸び続けており、特に2022年以降に大きく伸びているように見えます。※
    (※コロナ禍のリモートワークにより組織のサイロ化が進み、MOps・RevOpsの需要が高まったためと言われている)

Googleトレンド

特にBtoB企業では、以下のマクロ・ミクロ環境の変化により、MOps(マーケティングオペレーション)の重要性が高まっていると、私は想定してます。

  1. BtoBにおけるデータドリブンマーケティングの進展
    BtoB企業の顧客は複雑な購買行動を取るが、従来はその顧客行動を正確に把握することができなかった。しかし、昨今のメタデータの活用・オンラインマーケへのシフトによりデータ計測が可能になり、正確なターゲティングやカスタマージャーニーの理解が進んでいる。これにより、データドリブンなマーケティング環境が整い始めている。

  2. マーケティングチームの生産性・収益性向上への期待
    BtoB領域ではこれまで取得できるデータが少なかったため、データ活用の波がtoCに比べて遅れていた。しかし、オンラインマーケへのシフトに伴い、マーケティングの生産性や収益性を高めるニーズが急速に高まっている。

  3. MA・SFA・広告管理ツールの登場と統合運用の必要性
    データドリブンマーケティングを実現するための、多様なMA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援ツール)、広告管理ツールが登場しており、それらを統合的に管理・運用する仕組みづくりが求められている。

  4. IT人材の不足
    一方で、BtoC企業と比べ、BtoB企業のマーケティング組織はエンジニアやデータアナリストなどのIT人材を確保しきれていない状況にある。

IVRyの考えるMarketing Opsの役割とは?

下記の図のように、マーケターは日々、顧客のインサイトを分析し、柔軟な発想で訴求・チャネル開発を行っています。
そのマーケターの活動(PDCA)に対して、データドリブンかつ効率的にマーケ活動を実施できるようにするための伴走者がMOpsだと私は考えています。

フィールドマーケターとMOpsの違い(Markezineより

<マーケティングのPDCAに対するMOpsの役割の具体例(今坂考え)>

  • PLAN(計画)

    • データ基盤の整備
      マーケティング戦略立案のために必要なデータ(顧客情報、流入経路など)を収集(市場調査含む)・統合し、可視化する環境を構築する。

    • 過去データの分析・提案
      マーケティング施策のリクエストに対し、過去の類似施策の成果データ(ROIや顧客フィードバックなど)を基に簡単な分析を行い、施策実行の是非やターゲット・コンテンツの適切性について具体的なアドバイスを提供する。

  • Do(実行)

    • 施策実行に必要なオペレーション実行
      フォーム作成、MAツールのワークフロー整備、メール設定、通知設定など、施策実行に必要な具体的オペレーションを実行する。

    • マーケティングツールの選定
      実行時に必要なマーケティングツールやシステムの導入・運用支援を行う。

    • 施策の運用フロー整備
      施策実行に必要なプロセスや運用フローを標準化・整備し、実施チームがスムーズに運用できる環境を構築する。

    • 他部門とのSLA整備
      IS(インサイドセールス)や営業チームなど他部門と連携し、SLA(サービスレベルアグリーメント)の策定や運用管理を行い、施策運用における役割・期待値を明確化する。

    • 社内からの問い合わせ対応
      IS(インサイドセールス)やマーケティングチームからのMAツールの設定や通知内容に関する問い合わせに対応し、円滑な施策運用を支援する。

  • Check(評価)

    • KPI/ROIダッシュボードの提供
      マーケティング施策の成果や各KPIの進捗・ROI(CPA・CAC)の進捗を可視化するダッシュボードを整備する。

    • 振り返りフォーマットの提供・運用管理
      施策の評価や改善点を整理するための振り返りフォーマットを提供し、運用管理を行うことで効果的なフィードバック体制を支援する。

  • Action(改善)

    • フィードバックの提供
      分析結果を基に次の施策への改善点や仮説を提案し、PDCAの再スタートを支援する。

    • プロセス改善の提案・実施
      業務フローやデータ活用プロセスにおけるボトルネックを発見し、効率化のための改善策を導入する。

    • 予算効率の最大化・アロケーション
      施策の振り返り結果をもとに、効果が高かった施策への予算アロケーションを提案し、マーケティング予算の最適化を支援する。

IVRyの商材特性とデータドリブンマーケティングの重要性

IVRyにおいても、データドリブンマーケティングによるマーケティング活動の効率化ニーズが顕在化しており、MOpsの重要性も大きなものとなっています。

これは、1章(MarketingOpsとは? その役割と重要性)で述べたマクロ・ミクロ環境の変化、または会社のフェーズの変化(アーリー→ミドル)によるものも大きいのですが、IVRyの持つ以下の商材特性により、マーケティング活動が複雑性を増していることの影響も大きく受けていると考えてます。

①超ホリゾンタルSaaS:多様な業界の理解
IVRyは、2024年12月現在、日本標準産業分類の中分類99業界中94業界への導入実績を誇ります。これは大きな強みである一方、各業界特有の課題やニーズへの対応が求められるため、マーケティングの難易度を高めています。業界ごとのニーズ・シーズナリティー・イベント(法律改正等)を理解したうえで、マーケティング活動を行う必要があります。

IVRyの導入業界Map

②電話課題の多様性:多角的な訴求
電話業務に関する課題は、「迷惑電話」「カスタマーハラスメント」「留守番電話」など多岐に渡ります。そのため、クライアントの業種や職種によって、効果的な訴求ポイントは変化します。また、「電話対応による業務中断」「電話対応のストレス」といった、検索IMPに出てこないような潜在的な課題も多く、訴求表現の幅と深さが求められます。顧客の潜在的なニーズを的確に捉え、共感を得られるメッセージングが重要です。

潜在層〜顕在層の電話課題差分

まとめると、上記のような商材特性の影響でIVRyのマーケティング活動は複雑性を増しており、
顧客を正しく理解し、適切な課題解決策を提示するためには、データを活用した顧客理解・マーケティング活動が必要不可欠です。

・業界業種別のアクションデータ
・抱えている電話課題別のアクションデータ
・ユースケース別のアクションデータ
等、様々なデータを組み合わせたうえで分析を行い、
その分析結果に基づいて、最適な面で最適な訴求を行い、マーケティング効果を最大化していく必要性
があり、それを実現させるのがIVRyにおけるMOpsの役割になると考えています。

IVRyにおけるMarketingOpsの現在地

IVRyでMOpsを立ち上げて約1年ほど経ちます。
この1年間は限られたリソースの中ではありますが、以下の取り組み(一部抜粋)を行ってきました。
(主に取り組んだのは、データマネジメント・ダッシュボード作成・ROIの可視化です。)

  • MAツールの導入と整備/保守・アップデート: HubSpotの導入・Salesforceとのつなぎ込みを行い、マーケティング施策の効率的な運用基盤を構築。日々の保守運用や新規施策のためのアップデートも対応

  • データ基盤の整備・可視化: チャネル別のリード獲得から有料化までのプロセスを可視化するためのデータ取得環境の整備(AdsデータのBQ連携含む)・BQ経由のダッシュボードの整備・

  • マーケ活動に必要なデータを取得するためのツール導入・開発: ST&Eのフォーム実装・無料アカウントステータス連携・パートナー運用のための実装等

  • MOpsの問い合わせ対応業務の工数可視化: マーケ・PdM・Sales等から来る問い合わせ内容・件数の可視化

  • コストモニタリングダッシュボードの整備(仕掛り中): チャネル別のコスト・CPA・CACのモニタリングを自動化

  • Lis/Dis施策のROIダッシュボードの整備(仕掛り中): コスト割合が大きいLis/Dis施策のキャンペーン・広告G・KWD別のCPA・CAC・LTVのモニタリングを自動化

  • MOps人材の採用(仕掛中): MOpsのPJTをより大きくするための、オペレーション・ディレクション人材の採用

しかし、、、、!!
今までの章で書いてきたようなMOpsのあるべきにはまだまだ程遠い状況
です。

参考に、9月末にIVRyのマーケチームをMOps観点で評価したのが以下の図なのですが、まだまだできていないことが大量発生しています
(逆にほとんどできていないです(笑))

MOps観点でのマーケチームの現状整理(2024年10月時点)

IVRyにおけるMarketingOpsの未来

IVRyのMOpsはこれからが面白いフェーズに入ると思っております。

今までは、最低限のマーケティング活動をするための整備に時間をかけてきたのですが、これからはIVRyのマーケティング活動をより拡大・効率化するための攻めのMOps施策に注力できるフェーズだと思っております。

ぱっと思いつくものだけ殴り書いてますが、以下のような施策に取り組めると楽しんだろうな〜と思ってます(もちろん守りの施策もやります)

  • 過去施策データを用いた予算の最適なアロケーションのシミュレーター作成

  • 過去施策データ(振り返りデータ)を用いた事業計画の精緻化・年間施策カレンダーの作成

  • LTVと相関する顧客指標の発掘&施策活用

    • 例:「1日あたりの受電件数」のような顧客指標とMRRが相関する等を分析し、それを用いた広告最適化を実施する等

  • ターゲット顧客別の訴求・クリエイティブの最適解分析

    • 例:過去の広告配信実績データを分析し、抱えている電話課題別に最適な訴求・デザイン・CTA等を解析する

上記のような施策を実現し、IVRyのマーケティング効果を最大化するためにも、MOpsチームの仲間集め(採用)にも力を入れていきたいと思っています!

最近は、超ハイレベルなデータアナリストが多数入社いただいており、
高度な分析をチームで取り組めるような会社体制になってきております。

マーケター✕データアナリストで一丸となって、IVRyのMOpsを進めていきたいと思っております!

<最近入社されたデータアナリストの入社エントリー>

IVRyはMOpsを推進する仲間を募集中です!

IVRyのマーケティングチームでは、
日本全国の電話業務課題を抱えているクライアントに対して、IVRyのサービスを届け、認知・興味を持ってもらうミッションを担っており、
そのミッションを実現するために、MOpsを推進するメンバーを募集中です!
(MOps以外も絶賛募集中です!)

「電話サービスのマーケって面白いんですか?」
くらいのカジュアルな感じでも大丈夫なので、
今坂宛か、採用フォームにてお声がけいただけると嬉しいです!

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