その土地に縁のないフリーランスでも、まちのことを深く理解し、まちづくりに貢献はできるのか
はじめに
はじめまして。神奈川県鎌倉市でフリーランスをやっておりますRIM Worksと申します。
普段は記事を書いたり、人様のウェブサイトをいじったりしておりますが、この度ランサーズさんの「新しい働き方LAB」の第3期研究員として、半年間活動させていただくことになりました。
この研究員制度には、自分で「実験してみたい」と思う働き方を考えて応募する「自主企画」と、目的や内容が設定されているプロジェクトに参画する「指定企画」の2つがあります。
私が参加させていただくのは後者のひとつである「the Port kakegawa」という企画のコンテンツ発信部という部門です。
「the Port kakegawa」は、静岡県掛川市で開発中の「共創型コミュニティレジデンス」のことで、the Port kakegawaという場づくりを通して、まちを豊かにできるのかというのが、この企画の主眼になります。
前置きが長くなりましたが、このthe Port kakegawaという「まちづくり実験室」での取り組みに参加する中で、私個人の「働き方実験」をどのように行っていくかをしたためたのが、このnoteというわけです。
私の研究計画書
◆実験の目的と背景
本実験のタイトルは「その土地に縁のないフリーランスでも、まちのことを深く理解し、まちづくりに貢献はできるのか」です。
私自身は生まれも育ちも神奈川県で、お隣の静岡県には何度もお邪魔したことがあるのですが、恥ずかしながら掛川というまちは一度も訪れたことがありません。
この実験は、そんな私が、掛川のまちを豊かにすることに貢献するために、どのようなことができるのかを検討するための試みです。
「まちづくり」への貢献の仕方はいくつもあると思うのですが、このようなタイトルにしたのは2つほど理由があります。
一つは、私は仕事や旅行などで別の地域に行く際、それが必要になるかどうかにかかわりなく、その場所についてよく知りたいと思う性格であるためです。
もう一つは、私が現在手持ちのスキルで何か貢献をしようとする場合、このアプローチがもっとも結果を生み出せる可能性が高いのではないかと思ったためです(ちなみにthe Port kakegawaのプロジェクトには素敵な写真や動画を撮ったり、絵を描いたりできる方がたくさん参加されています)。
つまりは、これまで自分自身がやってきたことや習慣としていること、今置かれた環境の中でもっとも効果が高そうなことを検討した結果ではあるのですが、下調べをしていく中で面白そうな題材が見つかりました。
◆検証したいこと
本実験の内容を検証するにあたり、まず考える必要があるのは、「まちのことを深く理解」することと「まちづくりに貢献」することが、どのようなことを意味するのかという点です。
これらにも色々な答えがありそうですが、私は今回、舞台の静岡県掛川市について情報を集めていく過程で、「スローライフ」というキーワードを軸にこの両者の意味を定位したいと考えるようになりました。
「スローライフ」が何なのかという問題はまた稿を改めて考えていきますが、ひとまずここでは次のように簡単に整理をしておきます。
「スローライフ」は、過度な効率化や合理化に対する反省から生まれた概念である
掛川市は全国に先駆けて「スローライフ・シティ」を宣言している
恐らくそのことは十分に知れ渡っていない(憶測)
ざっくりとした整理で、それぞれが検討を要する仮説ではあるのですが、いったんこのように考えてみることで見えることもあるのではないかと思います。
(まだ詳らかにしていく準備がないので、引き続き風呂敷を広げますが)簡単に言うと、スローライフやそれに類するライフスタイルについての関心は年々高まっているとように見えるのですが、その動きの源流の一つとして掛川を位置づけることができれば、まちづくりに繋がっていくのではないかと思うのです。
ここまで強引にまとめてしまったので、誤解の無きよう一つだけ強調させてください。
それは、私が「十分に知れ渡っていない」と判断しているからといって、掛川で「スローライフ」を実践したり、広めたりする試みが行われていないということではない、という点です。
実態はむしろ逆で、掛川ではおよそ20年も前から行政やNPOの方々が様々な取り組みをされてきています。また、そのような文言を謳わなくともスローライフ的な生き方をしている個人の方も多くいらっしゃいます。
それに、考え方によっては、このthe Port kakegawaこそがスローライフ的実践の最先端とみることもできるでしょう。
そうではなくて、これらのことが十分に知られていないように見えるからこそ、全国的な広がりをみせるスローライフ的生き方の「聖地」の一つとして、掛川を位置づけなおすことが重要なのではないかと考えます。
これが出来れば、プロジェクト全体のゴールである「リレーション」や「エコノミー」の目標値の達成、ひいては関係人口の増加につながっていくのではないかと思うのです。
以上は、「まちづくりに貢献」することという視点ですが、このことは、冒頭で言及した「まちのことを深く理解」することとどうかかわるのでしょう。
私は今回の実験で、単に掛川で行われているスローライフの活動や実践を紹介するだけではなく、それをこの地域の歴史や文化などと関連づけてみたいと思っています。
それは、これらの実践が、より大きな文脈、つまり「掛川」という地域の風土と結びつけられてこそ、大きな意味を持つと考えるためです。
半年という限られた時間の中で、以上のようなことができるのか、これが私がこの実験で検証したいことです。
◆活動の概要
ここまで話をだいぶ盛ってしまいましたが、ここからはサクッとまとめていきます。
現時点では、以上の実験の目的や検証内容を果たすために、大きく分けて3つの活動が必要だと考えています。
地域の歴史について調べる
文献などを紐解きながら、掛川について調べる
ここにはここまで行われてきているスローライフの取り組みも含まれる
最低でも毎月1冊読んで内容をslack等で共有したい現在の地域を知る
NPOやスローライフ的な生き方をしている人にインタビューする
最低でも1ヶ月に1記事は公開するのが目標その活動の中に飛び込んでみる
the Port kakegawaでのイベントや活動など
以上の活動をしながら、最終月に内容をまとめ報告書を作成いたします。
◆アウトプット・成果
本実験では、こういった思考の過程も含め、複数のアウトプットを想定しております。
大半は本noteのように、自分の調べたことや考えたこと、伝えたいことや紹介したいことなどに関するアウトプットになるかと思います。
また、もし可能であれば、読書会や地域について知るためのイベントなども計画できればと考えています(検討中)。
最終的な成果は本研究制度の最終報告書ですが、それに付随して掛川とスローライフの関係を考察した報告書(こちらは12月には間に合わないかもしれませんが)を書き上げたいと思っております。
なお、媒体については、the Port kakegawa企画との兼ね合いもあるかと思うので、引き続き検討してまいります。
◆実験の測定方法
正直なところ、本実験の測定方法として充分なものはまだ考えついていません。
「まちのことを深く理解」することについては、期間中に執筆・公開した記事や研究報告書等で、ある程度判断できるかもしれません。
しかし、「まちづくりに貢献」するという部分については、なかなか自分では判断できないところがあります。
この点については、プロジェクト全体の目標値である「エピソード」の数に相乗りさせていただくことで代えられるのか、それとももっと別の何かがあり得るのかがまだ判断できずにいます。
自分の活動記録を残していくことは当然として、それ以上に何をもって「貢献」とすることができるのか、引き続き検討していきたいと思います。
◆スケジュール・進め方
ほかの仕事との兼ね合いもあるので、暫定的ではありますが、以下に本研究のスケジュールを記載いたします。
6月
キックオフMTG
研究計画書提出
7~8月
読書会実施または読書ノート投稿(各月)
インタビューの方向性検討・候補者探し
掛川滞在
9~11月
読書会実施または読書ノート投稿(各月)
インタビュー実施(各月)
掛川滞在
掛川百鬼夜行(10月)
どこかでワークショップ(できれば)
12月
読書会実施または読書ノート投稿
インタビュー実施
研究報告書完成
「スローライフ」の報告書完成(できれば)
上記以外にも、the Port kakegawaプロジェクトで行われる企画やイベント等あれば、積極的に参加していきたいです。
◆その他詳細
本計画書は、私がこれまでの数週間で調べたり考えたりした事柄であるため、ほかの方の目や意見にまったくさらされておりません。そのため、やや独断的であったり、独りよがりに映ってしまうかもしれません。私自身も本計画書は、提出こそすれ、それが恒久的なものだとは考えておりません。
むしろ、思い込みも含め暫定的なものであり、本研究をより意義のある、良いものにできるのであれば、積極的に改善していきたいと思っております。もし本研究計画書について、ご意見やご感想等ございましたら、お気兼ねなくご連絡いただけますと幸いです。
おわりに
いきなり計画書を書いてしまっているので当然かのように考えてしまいますが、本研究は新しい働き方LABやthe Port kakegawaの運営の皆さまが研究員に選んでくださらなければ実現しないものでした。このような貴重な機会をいただき、ありがとうございます。
また、the Port kakegawaプロジェクトの皆さまとご一緒できることを心より嬉しく思っております。
半年間という短い期間ではありますが、どうぞ宜しくお願いいたします。