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キップを切られてはじめてわかる違反者の気持ち

(1717文字)

こんにちは、ればぞうです。
今日はキップの話。

皆さん、キップってご存じですか?
自動車を運転する人なら、きっと知っていることでしょう。

今だから白状しますが、実は私、運転免許を持っているにもかかわらず、警察学校のとき、キップをよく理解しておりませんでした。

ちょっとだけ言い訳させてもらうと、学生の時に免許を取得後、ほぼペーパードライバーで警察学校に入ったもんだから、キップの存在をイマイチ知らなかったんですよね。

交通の授業でキップの切り方をやるんだけど、どうしても電車のキップのイメージしか湧かなくて。

交通が少し苦手だったから、キップを多く切るタイプではなかったにせよ、
17年も警察官やっていればキップを切る場面もあるわけで。

でも、逆の立場になったのは、初めてでした。
今日は、そんなお話を少々してみたいと思います。



違反者の気持ちがようやくわかった

キップが苦手だった背景にあったのは、善良な市民を相手にしているってこと。刑事事件だと、故意犯がほとんどだから、わかりやすいんですよね。

それに引き換え、交通は過失犯がほとんど。
車を運転していれば、違反するつもりはなくても、違反になってしまうこともある。

それがわかっているから、ちょっとだけ、苦手意識が抜けなくて。
とはいえ、実際事故につながりかねない悪質な違反だってあるからなんとも言えないのですが。

なるべく言い逃れできないような違反をメインに取り締まりを実施していたわけです。
だから、どれだけ罵声を浴びせられたとしても、【違反したのは事実でしょう!】なんてちょっとだけ強気な態度でキップ切ってたかもしれない。


・・・と今になって思う。

あまり理不尽な取り締まりはしていなかったつもりではあるけど。
切られてはじめてわかる、違反者の気持ち。

あんなに気分が落ちるもんだとは。
そりゃ、文句の一つも言いたくなるわ。


警察官に大事なのは話術

とはいえ、違反をしたのは事実。

私が切られたときの心情としては、こんな感じでした。

・そもそも、【違反した】という認識がない。
・警察に捕まったという動揺。
・違反をした現実が信じられない。

元警察官であるはずなのに、動揺するんですね~・・・。ちょっとその部分に驚きでしたよ。

違反で停車を求められたときに来る感情。
それは、【キップを切られるという事実を認めたくない】っていう気持ち

上機嫌で出かけていたもんだから、文句もつけたくはなるっていう気持ちをようやく知ることができた感じ。

ましてや、自分がその違反を認識していなかったならなおさら。


だからこそ、違反者が納得するだけの事実をきちんと説明する必要はあるんですよね。
今回、私が切られたのは若手の巡査だったけど、これがなかなかしっかりしていた。一緒に組んでた巡査部長よりもよっぽど説明がうまい。

これだけきっちり説明してくるなら仕方ないな、という落ちた気持ちを自分なりに納得させることができるほど、丁寧な説明だった。

当然、元警察官だなんて口が裂けても言わないけど。


いやしかし、これほど気落ちした違反者を納得させるだけの話術ってやっぱり大事だなとも思うわけで。

道交法って難しいし、これを理解するのも大変な労力だろうし、どうしても違反はダメだという強い信念も持っていないと、とてもじゃないけどキップは切れない。

違反者を納得させるだけの話術はほんとに必要だなと感じた出来事でした。

納得させるには、正しく法律を理解していることと、日々勉強することがすごく大事ですね。

ま、違反してて何だけど。

これを教訓に、安全運転を心がけます。

まとめ

毎日仕事で違反者や被害者の対応していると、つい、対応がおざなりになりがち。
だけど、その人にとってみたら、警察官の対応は一生に一度あるかないかくらいのこと。普通だったらね。

だから、仕事で毎日取り扱っているからって、ないがしろにすると理解は得られないんだなって思っちゃいました。

みなさん、運転するときは安全運転でいきましょう。


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ればぞう🐘元警察官FP
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