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OWV のLet Goを聴いて愛の喪失と再会について考える

私が大好きなOWVというグループが、7枚目のシングルをリリースします。


OWV Let Go  11月2日リリース

OWV 『Let Go』
作詞 Lauren Kaori
作曲 Nicolas Larsson・Gustav Mared


OWV(オウブ)は吉本興業所属の4人組ダンスボーカルアーティスト。グループの名前には Our only Way to get Victory~勝利を掴む僕たちだけの道~ という意味が込められています。

OWVオフィシャルサイト・ファンクラブ


私はメインボーカルの浦野秀太さんを
推しメンにしています。

●Let Go浦野秀太さんティザー



(全てのフォルムが美しすぎて神に感謝するしかないですね…)

新曲のLet Goを聴き込んでいたらいろいろな解釈が自分の中で生まれたので、
ひとまず自分の感じたことをまとめてみたいと思います。
いつも通り誰かのために書いているものではなく自分の考えの整理のために書いています。

全て私はこう思ったよ〜という内容で
違う意見の否定ではないですし、
これが正しい意見というわけでもないです。


1.公式提示の本作コンセプト

OWV 7th single 『Let Go』2022年11月2日(水)にリリース決定!
今作のクリエイティブコンセプトは「寄り添い」。
いろんなシチュエーションの人に寄り添える3曲をスタンバイ。
M-1の表題曲「Let Go」は”横で笑ってくれた君はもういない”
愛する人との別れを経験した人に寄り添う美しいバラードソング。
OWV従来のシングルの表題曲になかった切ない歌詞とメロディで、これからの季節にそっと寄り添う楽曲になるだろう。
(公式サイトより引用)


2.Let Goの意味と印象に残った歌詞

Let Goの意味は「手放す。解放する。」
てばなす、ということば。
私は手を離すという意味の方が強い気がするので、手離すと表記していることが多いです。
個人的にこちらの表記の方が好きなので、解放という意味合いが強い時以外はこの表記をよく使います。
ティザーでもOWV4人の手がクローズアップされていたので、誰かと繋いでいた、あるいは触れていた手を離すことを想起させられるなと思います。

●印象に残った歌詞とイメージする情景

舞う落ち葉 僕らの砂時計みたいで
→季節は秋〜冬。砂時計というワードからは、前作TimeJackerzや2nd single Ready Set Goをイメージしました。「Ready Set Go」はタイトルの語感も似ています。

痛みでもそれが君のカケラなら放したくないから
→主人公が離せないものは、「君」そのものというより「カケラ」や「思い出」であることがイメージできます。ひとまず主人公と「君」の関係性は断定しないでおきます。

駅の改札近くで君の fragrance
振り向いても no, you're not there
→ fragranceは「君」と同じ香水をつけていた誰か、あるいは、冒頭に歌われているように「思い出」そのものをさしているような気がします。振り向いても大切な存在がいない事実を再確認する主人公の姿に余計に寂しさを感じます。

指を解いた日から
→手がクローズアップされている歌詞。
繋がりや関係性を解消した日と捉えられます。
曲調が優しく穏やかなので
主人公と「君」は決裂したというよりは、比較的穏やかに納得した上で別れ・終わりの区切りをつけたように感じます。
ただ、主人公はそれでも思い出を手離すことは出来ていないんですよね、、

諦めたとしたら嘘になりそうだから
忘れようとしても消せるわけないだろう
→このあたりは少しほかの部分と与える印象が違う歌詞になっている気がします。
そもそも言えない関係であったとか、
二度と会えない存在になってしまったとか、
そういったイメージです。
いずれにせよ、主人公にとって「君」というのはかけがえのない存在だったんだなということが感じられます。

ラストサビ・歌詞に書かれていない部分
痛みでもいいよ
もう I won't let go

→歌詞に書かれていない浦野秀太さんが歌っているパートです。
歌詞に書かれていないというのは、
「外には出せないけれど、その人が強く思っている本心」
であるように感じられます。
また、won'tには個人の意志を含む強い否定の意味があります。
最後に主人公は「君」がいないこと、「君」が残したカケラが「痛みでもいいよ」と受け入れて、その残したものを自分の意思で手離さないことを決めたんだなと私は感じました。

歌詞はこちらから見ることができます。


3.歌からどんな物語をイメージするか


●喪った誰かを忘れられないひと
ライブで2回、その後ストリーミング音源を聞いた時に
お互いに嫌いになって別れた恋人同士の曲ではないような気がしました。
私がイメージしたのは、遠距離になったり、進路や会社、収入が違って価値観が変わってしまった、未来が思い描けなくなった恋人同士や、友人です。
なんとか離れた距離や、価値観を擦り合わせようとして、それでも上手くいかずにギクシャクしてしまって、そばにいるほどに傷が増えるような関係を解消するために主人公から別れを切り出したんじゃないかな……と想像しました。
あるいは、相手が亡くなってしまうなど、もう永遠に会えない可能性も感じました。

●主人公と「君」、双方向の歌として
「さみしいのは僕だけ?」という歌い出しの本作、さみしいのは僕だけじゃなかったらどうしよう…。と思ったりしました。

米津玄師さんのLemon
「どこかであなたが今 わたしと同じ様な涙にくれ淋しさの中にいるなら」
という歌詞がありますけど

そんな風に、「君」も主人公と同じように
さみしさを抱えて
Where are you ?と探していたなら
さらにせつなさが増すように思います。

●アーティストとファンの曲として聴く場合
これは歌詞を見た時、クリエイティブコンセプトの「寄り添い」と重ね合わせて感じたことです。ちょうどアーティストとファンの関係について考えているときにこの歌詞を見たことも影響しています。
アーティストやクリエイターにとって、ファンはとても大切な愛するひとですが、繋がっていられるかどうかはファン次第というなかなかに残酷な現実があります。
ひとつのビジネス的関係でもあるので、「どこにもいかないで」と呼びかけることもなかなか難しいですし……。
Let Goの主人公を、アーティスト、俳優、クリエイターとして捉えたとき、歌詞がカチッとはまって、これは作詞の方が普段からOWVに寄り添った楽曲を書いてくださるので今回のこの一致性もひとつの「寄り添い」なんじゃないかな、という感想です。

●自分自身との繋がりを喪った誰か
佐野文哉さんのティザーで、薄れゆく白い世界を彷徨うような姿がきっかけで「もっと抽象的な、リアルファンタジー世界での出来事なんじゃないか…?」と思いました。

OWVのファンミーティングposttownや、ライブのand I、strange、さらに遡ればAWAKE、WINDを含めて私はどこかパラレルワールド的演出だなと感じることがあって。
また、Ready Set Goについても、パラレルワールドとか、多重世界とか、輪廻転生やループ構造の物語を思わせるMVやダンスだなと感じていまして。そこから、喪ったもう一人の自分との繋がりを探している…?とも想像できると感じました。

4.愛の喪失と再会について

私の中でのLet Goはいったん、このような解釈に着地しました。

一度は愛を喪って寂しさに襲われた主人公が、
もう一度自分自身や大切なひととの思い出を見つめなおすことで
自分自身の中にある大切なひとの存在や
そのひとに対する愛情の確かさに気づき
その愛を手離さないことを決意する。

また、「君」は、恋人や、恋愛対象だけでなく、友人、家族、夫婦、言葉にはできない関係性、もっと抽象的ななにか大切なもの(信念だったり夢だったり)といろいろな存在に置き換えることができると考えています。

目の前にいない存在を愛し続けるというのは、不安と隣り合わせで、

ともすると、他者からはネガティブな自分や過去の感傷に浸っているロマンチストと誤解される場合もあるかもしれません。

私は、それもまた愛するというひとつの尊い行為だと思います。

きっと、双方向だけが愛情ではない。

一方通行なら、それは自己満足かというと、絶対にそんなことはないと思います。

心がどれだけずたぼろに擦り切れても、
思い出がどれほど靄の向こう側に行ってしまって、
過去であることを突きつけられても、
自分が愛したい限り愛し抜けばいいんじゃないでしょうか。そこからまた、新しい世界や価値観が芽生える可能性も充分にあるし、
そもそもそんな可能性が無くても本人が納得しているなら構わないとも思います。

私がこんな風に感じるのは、自分自身が歴史や物語という
ある角度から見れば、あやふやな過去や架空の出来事に対して
人一倍興味を抱いているからかもしれないですね。

また、言うまでもないですが、この感想は歌という文学作品、楽曲として捉えているからで、現実だとまた考えも変わるのかなーとも思います。

何はともあれ。

Let GoはLet Goのままでいていいんだよ。

OWVの楽曲でいうと、Alrightの主人公と知り合えば少しだけ呼吸が楽になるんじゃないかな。

喪ったひとやそこにいない人を愛し続けることが悪いことだとは私は思わないので
Let Goの主人公はありのままで
自分を偽らずに生きてほしいなあと思います。


#OWV
#OWV_Let_Go  
Let Go / Tararam / Gonna Getcha (OWV)

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