プロデューサーを引退したつもりでいたが、引退できていませんでした。
2020年。
この年は私にとっても、世の中にとっても転機となる年であった。
大学院の修了、就職、新天地仙台での初めての一人暮らし、そして、Covidの蔓延。
世の中と自分の全てがガラッと変わる出来事が一気に2020年3月に押し寄せた。生活をリセットできるタイミングと捉えることもできた。
そうして、私はプロデューサーを名乗るのをやめた。
さらっと遍歴を語るとしよう。
Pとなるきっかけは、デレマスのアニメをやるタイミングでじゃあ折角なのでとアニマスを見たことである。であるから、結構歴は短めの、浅めのPである。ミリオンをプロデュースの主軸とし、大学の講義中はずっとグリマスを回していた。
ライブが大好きで、ミリオン3rd幕張二日目のLVが初参戦のライブだった。
それ以降はLVでライブを楽しみ、もともと知り合いのPに加え、LVで知り合ったP仲間もできた。楽しい仲間たちだ。今でもオンラインオフライン問わず仲良くしてくれる掛け替えのない友達だ。彼らのおかげでプロデュース業務をより楽しくできたと言っても過言ではない。
CDを借りたり買ったりして楽曲は全部集めた。過去のライブもなんとか円盤を中古で集めた。実に充実した日々であった。
2018年。私が大学を卒業し、院に進学するタイミングでひとつのターニングポイントがあった。
グリマスのサービス終了である。
これは私の心が少し離れるには十分な要因であった。
グリマスの魅力は何と言ってもA1-Pictures書き下ろしのイラストである。
ミリオンライブの37人 (当時) が765PROの一員であり、アニマスの延長線上にいることを認識できていたのは、あの絵があるからだと私は考えていた。
あの絵があるからこそ、私の心の中でアニマスが続いていた。
あまり書くとミリシタ批判っぽくなるのであまり書かないことにするが、大前提として、けっしてミリシタが嫌いであるわけではない、と明記しておく。
ミリオンの魅力は楽曲である。
グリマスのようなクソみたいなゲームシステム (ポチポチゲーは嫌いなのだ) でも笑って許せたのは最高の楽曲とライブがあったからである。
楽曲とライブがあり、それにゲームのイベントが追従する。
この流れが肝であると私は考えている。
リズムゲームではこの流れがどうしても逆になりがちである。
ゲーム内で新たな楽曲が発表され、後からCDが出てくる。
これにより生じるのが、楽曲のFull ver.の ?感である。
うまく書き表せない。
感じたことはないだろうか。アニメのOP, EDがいいなと思って楽曲を購入すると、なんかBメロ微妙だなぁとか、違和感あるなぁ、と。
私はそれをデレマスにもうっすら感じていたのである。
決してそんなわけではないのだろうけれど、付け加えた感を拭えないのである。
おそらくアニメ放映時や、ゲーム内での印象が強すぎるせいなのだろう。
これらのことから、ミリオンのミリシタ一本化には多少の不満があった。
しかしながら、私の響や百合子に対する気持ちは絶対に変わらないし、アイマスが好きということも変わらないので、ミリシタもどうせダラダラと続けていくのだろうと考えていた。
甘かった。
ミリオン5thで初めてのアイマス現地を経験しても、心が離れていっている自覚があった。
大学院で忙しくしていたし、2019年春あたりからはVtuberにもハマり始めた。
ミリシタのガチャはずっと回していた記憶があるが、イベントは2019年の秋頃にはもう走っていなかったと思う。ログインも毎日はしていなかったのではないだろうか。
前述の仲間たちはそんな私でも変わらずに接してくれた。時々会って話をすると、今はそんな感じなのね〜、みたいな感じであったにも関わらず。
アイマスを抜きにしても、友達なのである。ありがたいことだ。
スマホのスクショを見て推察すると、2020年の1月あたりからガチャも回すのをやめたようだ。
そうして、私はPを名乗るのをやめた。
こんな私がPを名乗るのは、他の一生懸命にプロデュース活動をしているPたちに失礼であると考えたし、こんな自分が恥ずかしいとまで思った。
Twitterのアカウント名を「たーP」から「たー」に変え、プロフ欄の担当アイドルの名前を消した。
何度でもいうが、響や百合子、アイマスを嫌いになったわけではない。
担当なんて名乗れない。申し訳なさすぎる。そう考えていた。
余談であるが、2020年2月のぬーさんラストライブ「みんなで!」がCovid前最後の現地であった。最高のライブだった。東京で開催されたぬーさんのライブは全通であった。終わった後、涙が止まらなかった。
ここまでが、前置きである。
長かった。
読んでくれる人いるのかな?
安心してほしい。本編はさらっと終わる。
そんなこんなで2年間、仙台で仕事に明け暮れた。
にじさんじだけが心の支えだと思っていたら、最推しの鈴原るるが引退した。
まあ、その話はいい。
もう楽曲もわからないだろうと思い、ミリオンの7thも結局配信も見なかった。今では後悔している。
たまたまTwitterでASがライブをするという情報を掴んだ。
へー、とスルーしようかとも思ったが、Covidも落ち着いてきたし、LVでも見にいくかと軽い気持ちで予約した。
同窓会に行くような心持だった。ライブ中も立たずに腕組んで座って後方引退Pヅラしようと思ってた。
ブランクがあるので知らない楽曲が多少出てくるだろうとは覚悟していた。
もともと、響のMA4だけは買って聴いてはいた。
LVにしたのは、逃げられないように、である。
ミリオン7thの時もそうだったのだが、配信で見てみるか〜、と思っていると、結局めんどくさがって見ないのである。
私はそういう性格の人間である。
そして、昨日。
なんやかんやあって金曜日まで一週間入院していたのだが、無事に行くことができた。
765PRO AllStars Live SUNRICH COLORFUL
初めての仙台でのLV参加であるから、少し緊張した。
TOHOシネマズ仙台のあの狭い待合スペースでたむろするのを嫌い、ちょうど開場時間くらいに到着した。
配信もあるからか、人が全然少なくてびっくりした。めっちゃ静かだった。
余談はさておき。
一曲目 We have a dream
ボロボロに涙が出てきた。
最初から最後まで。
二年前と変わらない光景が、そこにはあった。
そうか。
私にとっての空白の二年は、みんなにとっても空白の二年だったのか。
ぶっ刺さった。
もう、本当に。
ごめんなさいしか言えなかった。
昔はPはライフワーク、なんて冗談で言ってた。
みんな言ってるでしょ。
冗談じゃなかった。
6年続けた仕事は簡単にはやめられなかった。
一曲目でもうわかってしまった。
私はPを引退なんかできていなかった。
泣き疲れて、頭が痛かった。
あっという間のライブだった。
最高のライブだった。
今までの思い出と、空白の二年と、今後のことと、いろいろなことを考えて、頭の中がごちゃごちゃになった。
プロデュースの仕方は人それぞれ、なんて業界ではよく聞く言葉ではあるが、あまり重要視していなかった。
大事なのは濃度。だから全身全霊突っ込む。
そう過ごしてきた。
そうして崩れた。
私のミリシタに関する考えは今後も変わらないであろう。
だけれど、プロデュースの仕方を変えていこう。
私は楽曲とライブだけを追いかけよう。
時々ガチャを回してもいいけど。
それだけでもいいから、細々とプロデュースを続けよう。
私は決意を新たに、プロデューサーに復帰する。