玉川大学リベラルアーツ学部太田ゼミオンラインゼミ合宿~印象に残った言葉~
コロナウイルスの影響もあり、今年の太田ゼミはオンラインゼミ合宿という新しい試みに挑戦しました。陸前高田の方々にお話ししていただいた数あるお言葉の中でも、特にゼミ生の印象に残った言葉、心に響いたお言葉を紹介していきます。このページでは4年生が印象に残った言葉について紹介していきます。
「この街の、この人たちのために頑張りたい]
これは、オンライン合宿第一回目の観光物産協会、桒久保さんのお言葉です。
「この街のために…」という思いは、今回のオンライン合宿を通して全ての方が持っている思いなのだと感じましたが、震災をきっかけに移住された桒久保さんからのお言葉だったので特に印象に残っています。
「自分のため」に頑張るのには限界があるかもしれないけど、「街のため、誰かのため」になら大きなやりがいをもって頑張ることができるということを感じたし、そう思うことができる街や人に出会えたということも素敵だなと感じました。
改めて、陸前高田の方々はみな、「陸前高田のため」という思いを持ち、一つになって進んでいるということを感じました。
岸彩加
「住民誰もがプレイヤーであり、主役にすらなれる可能性がある」
私がオンライン合宿で印象に残ったのは、陸前高田市観光物産協会の桒久保さんのこのお言葉です。
例えば、私たちが住んでいる、東京や神奈川では「まちづくりに自身が参加している」、「一人ひとりに役割がある」などは思っていない人、全く考えていない人が大半であるなと今まで感じてきました。それは若者の社会への帰属意識の低さであったり、地域の人々との関わり合いが希薄であるからといえることから来ているのではないかと考えています。反対に陸前高田では一人ひとりがいまできることを行えていると感じますし、その例として、選挙での結果が僅差であったという点も、本当に一人ひとりが陸前高田のことを考えている結果が表れていると、ここでも感じました。そして昨年、陸前高田へ行かせていただいた際には地域の人々との関わり合いの強さが一番印象に残りました。だからこそ桒久保さんがおっしゃっていた陸前高田の魅力は「人」であり、一人ひとりがまちを変えられる力を持つプレイヤーになれるのでしょう。
松田海優
「純粋に楽しめる花火大会があればいいな」
マルゴト陸前高田の代表伊藤雅人さんにお話を伺った際に、三陸花火大会を開催するきっかけとなった陸前高田市の方のお言葉を教えて頂きました。私のなかでは花火大会といえば楽しくて華やかでという印象しかなかったのですが、震災後の陸前高田市で行われる花火大会は追悼の意味を持つものばかりで震災を思いだすから見たくないと思う方が多かったそうです。この言葉を聞かなければ、私は地元の方のお気持ちを考えての開催を検討した伊藤さんの決意に気付くことが出来なかったかもしれません。伊藤さんの陸前高田市への思いを詰め込んだ三陸花火大会が陸前高田市の皆さんにとってこれから先楽しい思い出になるのだろうなと私は思っています。
成吉彩
「いろいろな価値観を持つ人とうまくやっていく必要がある」
私は、この安生亮太さんのお言葉が印象に残りました。
私も色々な人と関わっていて、自分にはない価値観に出会った時に不安や困惑を感じますが、でも仲良くしたい、もっと知りたいという気持ちになります。そのため安生さんのこの言葉は自分と重なる部分があって記憶に残りました。来年から社会人になってこの言葉をより身に染みて感じるようなると思ったので、これからも様々な価値観を受け入れ視野の広い人間になりたいと思いました。
渡部瑞紀
「工房を絶やさないようにやっていかなければ」
私が選んだ印象に残った言葉は工房めぐ海の臼井美奈子さんのこのお言葉です。
震災当時の代表である村上豊子さんは、正直工房の再建は諦めかけていたと話していました。やっとの思いで村上さんの夢である広田の海産物を使った特産品を作る工房めぐ海を作ることができたのに、わずか4か月後に震災によって全てがなくなってしまいました。工房だけでなく、街全体に大きな被害が出ていたため再建どころではなかったと思います。 しかし、このような状況でも「何か広田のためにできることはないか」「めぐ海のおやきを待っている人がいる」という想いから再建を決意しました。
「工房を絶やさないようにやっていかなければ」という言葉を聴いて、震災当時どれだけの苦労の中で再建されたのか、再建した後の苦労の中でも工房は絶やしたくないという臼井さんの工房と地域への想いが強く感じられたのでこの言葉を選びました。
斉藤文哉
「6代目として、常にプレッシャーを感じ続けている。」
これは神田葡萄園の熊谷晃弘さんのお言葉です。
東日本大震災という壁を乗り越え、今回のコロナ禍でも様々なアクションを起こしているなかでも、今もなおプレッシャーを感じ続け、そしてそのプレッシャーを原動力としていることは素晴らしいことだと思いました。
伊藤行雲
「ほかの人が1をやった場合、自分は3をやればいいと考えた。」
これは高田松原を守る会の千田勝治さんのお言葉です。一つのことを成し遂げるために、人より努力しなければ結果はついてこないというこの言葉の意味を汲み取ったときに、私も立ち止まってはいけない。今できる事、目の前のことは、まずなんでも努力してやってみる。それから考えるようにしようと思いました。努力もしないで立ち止まっていては、本当に人生はすぐに終わってしまうと思います。人より努力するという勝治さんのお言葉を胸に、社会人になってからも日々向上心を持っていろんなことに挑戦しようと思いました。
山本美月
「生きなければいけない、生かさなければいけない」
私が印象に残った言葉は総務省消防災害伝承プロジェクト員の佐々木美代子さんのお言葉です。
この言葉は、生き残った方々の辛さと、復興のために、周りの人々のために率先して動いていかなければならないという当時の決意のようなものが感じられました。
もし自分を含め大勢の人たちが大変な思いをした時、自分以外に気を配るということはとても難しいことだと思います。
自分もどんな時でも、常に周りに配慮ができるような人間になりたいと強く思えるお話でした。
小林武
「孤独は山になく街にある」
これは安生亮太さんのお話の中のお言葉です。元はある小説家の言葉だと話していましたが、私が最も印象に残っている言葉です。都会と陸前高田市を比較してどちらが孤独を感じてしまうかについて考えたときに出てきました。私自身、この言葉を聞いて、孤独という言葉は二つの意味があると感じました。一つは自分以外の人がいないこと、もう一つは自分がいないことです。前者は山にある孤独のことで、周りに人がいないからこそ生まれた孤独です。後者は街にあたる孤独。自分と同じような人が周りに多くいるため、その中に自分が埋もれてしまうような感覚の孤独です。
私達は今回の合宿で多くの人と関わりました。その全員に共通していることは、確固たる自分を持っていて、周りに人がいることです。自分と自分以外の人がいて、初めて皆さんのように孤独とは反対に生きていると感じました。私も自分を見失わず、周りに人がいるような人生を送りたいです。
三枝雄也
「道の駅の役割はさまざまである。」
これは道の駅の熊谷正文駅長、大森まことさんのお言葉です。道の駅は名産などを販売するのが目次だと思っていましたが、陸前高田だからこそ防災について、住民にしっかりしてもらう対策を作っていて、凄いと感じました。
堀川花菜
「自立するのがともに支えあって生きていく」
これはマルゴト陸前高田の代表伊藤雅人さんのお言葉です。一般的に自立と聞くと親の元を離れて何事にも自分で責任を取り、自分の生き方を自分で決めるというようなイメージがありました。しかし伊藤さんは共に支え合って生きていくことが自立なのでは、と言っていたのがとても印象的でした。陸前高田の人は震災を機にみなさん共に支え合っているというのは、前回の合宿や今回のVR合宿でもすごく感じました。東京では感じることのできない、あまり実感することがない共に支え合うという意味を再確認することができた気がしました。これもまた一つ人生の教訓として生きていきたいです。
澁谷馨
「震災時に何か陸前高田のことになることはあるかと考えリンゴの加工を始めた」
私はらら・ぱれっと、岡本啓子さんのこのお話を聞いて感銘を受けました。自分の地元が何かの被害などを受けた時に自分の性格からすると過去のことばかり振り返ってしまうと思います。過去のことで後悔するのではなくこれから何をしていけば良いのか自分の意思を固め行動することができる人間になりたいと思いました。
杉山大征
「自立は一人で生きていくのではなく、お互いに支え合いながら生きていくこと」
自立するという言葉を聞くと、“一人で、自力で”というのが思い浮かびました。オンラインゼミ合宿で、自立はお互い支え合って生きていくことだとお話してくださったとき、今は親の力を貸してもらって暮らしており、食べ物も誰かが育てているからおいしい食べ物を食べることができていると気づかされました。今住んでいる場所は、近所の方とのかかわりが少なく、お互い支え合って生きていることをあまり実感がわかなかったが、この言葉を聞いてとても印象に残りました。誰かが困っているときや助けてほしいときは、お互いに支え合いながら生きていこうと思いました。
村田衣迪
「3年間の中で台風などの四季のリスクがある点も大変」
この言葉を聞いて、やはり2年で育てるよりも3年の方がリスクが高いのに、それでも他の産地との差別化をしたい、日本一の牡蠣を作りたいという想いから3年ものにこだわって育てているという言葉を聞いて、とてもかっこいい考えだなと思い、印象に残りました。このような強い想いがあるからこそ、日本一の牡蠣を育てることができるのだなと納得しました。実際に、2年ものと3年ものの大きさの違いが、3年もので男性の靴のサイズくらい、2年ものだと大体、大きくても手のひらサイズくらいだと説明してもらい、自分が想像していたサイズよりも1回り以上大きくてとてもびっくりしました。このお話から、3年ものにこだわった日本一の牡蠣を多くの人に食べてもらいたいと私も思う様になり、積極的に発信していこうと思いました。
高橋良輔
「やっぱり、作ることが好きで続いたと思います」
この言葉を聞いて、工房めぐ海さんが被災を乗り越え、現在まで続けることが出来ている理由が分かりました。臼井さんのお話を聞いていて、本当にモノづくりが好きなんだなと感じました。工房めぐ海さんで働いている皆さんのモノづくりに対する強い気持ちがあったからこそ、工房を再建し、現在まで続けることが出来ていると思います。好きなことを仕事にすることはとても素晴らしいと感じました。最近、就活について考えることが多いのでとても参考になりました。私も何か好きなものを見つけて、工房めぐ海さんの皆さんのようにやりがいを感じて仕事をしたいと思います。
尾方虹太
「信用を得るためには行動することが効果的。」
この言葉がとても印象的でした。マルゴト陸前高田さんのお話は非常に勉強になり、これからの人生に活かすことのできる内容でいっぱいでした。その中でこの言葉を選んだ理由は、最も説得力のある言葉だったからです。
私はこれから大学を卒業して、就職先を探し、社会に出ていきます。社会に出るということは、多くの人と出会うと思います。それは、職場の人であったり、取引先の人、お客さんなどと関わっていきます。関わるにあたり、自分が信用できる人物だとアピールしなければならないと思います。なぜなら仕事上で、信用度がなければ、職場の人に必要とされなかったり、取引先と契約が結べなかったりする可能性が生まれるからです。
しかし、マルゴト陸前高田さんのお話のほとんどが自身の経験談を基に考え抜かれたことで、私自身納得するような内容でした。その中で、「信用を得るためには行動することが効果的。」という言葉は、説得力があり、私も他人から「この人はすぐに行動に移れる人」と思われる人になりたいと思いました。
今回のオンライン合宿でマルゴト陸前高田さんの貴重なお話をお聴きして良かったと思います。これからも私は、自分が言ったこと、他人に頼まれたことを早くに行動に移れる人になって、そして信用のある人になっていけたらと思います。
斎藤響
「失敗してもいいからチャレンジすることが大切」
理由として、この言葉はマルゴト陸前高田を6年間運営し続けていてその際に感じたことを話していたが、会社を運営する際にどうしても組織を維持していくためには安定を求めてしまうがそれでは甘えて衰退してしまうと聞いて私は安定ばかり求めていたら会社が衰退してしまうことに驚きを感じたからです。お話の中で、伊藤さんは印象に残る言葉を多く話していたのですが、その中で失敗してもいいからチャレンジしていくことが大事と言っていて、私は共感できることが多かったことや私の心を動かされた言葉だったので、とても印象に残りました。また、失敗をするからやらないというのが1番だめだと言っていて、私自身も新しいことを挑戦しようと決めていても、失敗を恐れてやらないことも多々ありました。その姿勢が一番だめだと気づいたことや失敗を恐れずにチャレンジしていく姿勢が大事であると話を聞いて学ぶことが出来ました。
三橋昇太
「自分が生きていることが実感できる」
私は陸前高田観光物産協会の桒久保さんのこの言葉を聞いて、陸前高田に住む方々皆が街に関心を持ち関わっている情景を感じました。都心部に住む私達は自分の事で精一杯になり、人との関わりが極端に少ないと思います。そういったなか陸前高田の方々が助け合って暮らしているお話を聞いて、大変羨ましく感じました。就活の真っ只中の自分にとって、働くことの意味だったり何の為誰の為に働くのかということを考えさせてくれるような言葉に感じました。また、今後の人生で自分の役割が大切だと思っていけるように頑張ろうと思いました。自分という存在が必要とされているかを実感できるということは生きていく中で大事な事だと感じたので、陸前高田という素晴らしい街のように私達が住む都心部でも助け合っていけたら嬉しいと感じました。
君川洵
「移住者から見た陸前高田の魅力は何の為、誰のため、が見やすく、自分が生きていることが実感できる。」
陸前高田の街は人口が少ないため議員などの選挙があるときに一人一人の一票、一票が東京よりもっと大事になり、立候補者が2人であることから5票で決着がついての自らので市長が決まるというのを聞きました。自分の一票で町が動いていることを感じ、陸前高田の一人一人が町に貢献できていることを感じ取れると聞きました。さらにそれが地域の人たちのつながりが深いことから良い観光作りができていると思いました。YouTubeやインスタグラムで陸前高田の観光協会の活動を見ることができるのは面白いし、匿名でユーチュブなどは観ることができるためコメントがしやすいと思いました。
黛美舞
「心のどこかで陸前高田のことを思っていてくれたらうれしい」
私たちに何かできることはないですか、と尋ねたところこのように返してくださいました。この言葉を聞いて震災によって壊滅的な被害を受けた岩手県陸前高田市のことをもっと知りたいと思いました。私は今回のオンラインゼミ合宿を行うまでは陸前高田市のことを何も知らず、震災で壊滅的な被害を受けた地域という認識しかなかったです。しかし、今回のオンラインゼミ合宿で道の駅高田松原の職員さんのお話を聞いて私が認識していたことは非常に浅かったことに気が付きました。今年はコロナウイルスの影響でどうしても現地に足を運べなかったことが非常に悔しいですが、来年こそは実際に足を運んでお話を聞けることを願うばかりです。
上原楠玖
「孤独は山にあるのではなく街にある」
都会と田舎の両方を体験した安生さんだから言えることと感じました。人とのつながりがコロナで絶たれた今だからこそ、この言葉の重みがあり、人とのつながりの大切さがわかりました。
「人の足音を聞いて、リンゴは美味しくなる」
この言葉を聞いて、リンゴの手入れは日々の行動が大事ということを知りました。
私は今農業について勉強しており、りんごの経営についても調べてみました。調べていくうちにリンゴで稼ぐ難しさがより理解することが出来ました。
また、りんご園の写真を見て、りんごを育てることの美しさを見ることが出来ました。本来はゼミ合宿で、直接りんご園を見ることができたのですが、今回はコロナの影響もあり、見ることが出来ませんでした。来年は直接りんご園を直接見て、りんご園の美しさをこの目で見ることが出来たら良いと思います。
将来、農家を職業にするのかはまだ分かりませんが、日本の農業を発展することができる職業に就職出来たら、良いと思っています。
泉谷響
「孤独は山にあるのではなく街にある。」
都会と田舎の両方を体験した安生さんだから言えることと感じました。人とのつながりがコロナで絶たれた今だからこそこ、この言葉の重みがあり、人とのつながりの大切さがわかりました。
水谷宥諒
「防災と支援を、文化に」
震災当時は地域の女性会会長として、震災後は市域の女性会会長として5年間特に復旧復興支援にまい進された佐々木美代子さんのお言葉です。当時の混乱を振り返り、「危険を察知して身を守る行動、被災者をどのように支援したらよいか、どちらも文化として身についていなかった」という反省から、これからの地域は「防災文化」「支援文化」にまで高める必要があるとのこと。これは、防災や支援を知識として各自が身につけるだけでなく、自然と体が動くような、地域共通の当たり前のこととしてみんなの身に染みついているまでにならなければいけない、それが「文化にまで高める」という意味だと理解しました。
三陸には「津波てんでんこ」の教訓がありながら、それでもあれだけの被害を出してしまったのは、まだ「文化」にまでは至っていなかったからという美代子さんの反省はとても重いです。そして「てんでんこ」の結果生き延びた人たちがお互いに「生きなければいけない、生かさなければいけない」精神で支援しあって、困難な時期を乗りこえていかなければいけない。私たちも文化として身につけていきたいと思います。
太田美帆