2017/3/1 町田市民企画講座「町田で自然災害が発生した時、市民の取るべき行動は」報告
2017年3月1日、町田市生涯学習センターにて「まちだ陸前高田復興支援の会」が企画運営する市民企画講座が行われ、玉川大学文学部比較文化学科の太田ゼミはゼミで行っている活動を、一昨年と引き続き今年も報告させていただきました。「町田で自然災害が発生した時、市民の取るべき行動は」というテーマのもと、2011年に起きた東日本大震災と熊本で起きた地震での経験から得た教訓、対策を学ぶため、約90人の参加者が町田市近郊から集まりました。
この講座のパネラーとして、町田消防署長 水野晋一さんが「市民のための消防署の職務」について、町田社会福祉協議会町田ボランティアセンター社会福祉士 仲泊昌人さんが「大規模災害時における災害ボランティアセンターの役割」についてお話をしてくださいました。そして玉川大学からは、比較文化学科3年生の柴田義仁さん、石塚香桜さん、中川皓貴さんが登壇し、昨年岩手県陸前高田市で行った2泊3日の民泊を通して学んだことを「陸前高田から明日につなげるメッセージ」として発表しました。
3人は民泊先のご家庭から伺った震災当時のお話から、大規模災害直後は行政も被災した場合、行政が機能するとは限らないため(公助)、例えば地区に一人暮らしの高齢者や避難時に助けが必要な人を把握しておく等、日頃からの地域の結びつきが重要であると話しました(自助・共助)。また市民同士の助け合いだけでなく、陸前高田市内でも、津波の被害に遭わなかったご家庭は、全国からやってきたボランティアのためにお風呂や食事、宿泊先を提供するなど、ボランティアのボランティアという役割を担ったという事例を紹介しました(共助)。そして、多くの人がパニックになる中で、どんな状況でも冷静になり助け合いの気持ちを持つことが大切であり、そのためには多くの被災体験談などを聞いたり読んだりしておくことが役立つだろうと語りました。
いっぽう、防災・減災のためには、自然体験や農業体験を通して、人間と自然は昔から共生していることをきちんと理解し、自然のすばらしさを知った上で自然の怖さ、食をいただくことのありがたさを常日頃から子どもたちに伝えていくことが重要なことであると語りました。
そして最後に、「ただ忘れないことが風化させないことではない。私たちが聞いたこと、学んだことをどう活かしていくのかが重要なのである。また、『明日』が来るということを当たり前に思ってはいけない。この当たり前にもっと感謝をして、毎日を一生懸命に生きることが大切」と締めくくりました。
講演会のアンケートには、「陸前高田の話は参考になること、考えさせられることがいっぱいだった」「体験談は真実みがあって感動した」「若い3人のお話には心を揺さぶられた。明日が来ることが当たり前でないことの意味を、あらためて考えてみたいと思う」「学生さんの言葉に、漠然と一日を過ごしていることを反省させられた」「学生の継続的な取り組みに感心した」「次世代の若者たちの活躍する姿を見て日本の未来に希望が持てました。これからもがんばって!」といった、励ましのお言葉をたくさんいただきました。
講演会を終え、石塚さんは「思っていたよりも年の離れた方が多かったので伝わるかなと不安になりましたが、終わった後、温かい声をいただけて達成感を感じました。これで終わりではなく、防災意識を高める活動として、継続していきたいと考えます。関係者の方々にはお世話になりました、ありがとうございました。」と語っていました。中川さんは「大勢の人の前での発表は、自分にとってはあまりやったことのないことで新鮮な体験ができました。会場の方が真剣に聞いてくださって嬉しかったです。」と振り返りました。柴田さんは「『明日が来ることは当たり前ではない』という個人的に1番伝えたかったメッセージが伝わっていたことが嬉しかったです。準備は就活と相まって大変だったけれど、作りながら陸前高田での時間を思い出して懐かしみながらどんどん完成させていったことが印象深いです。」と熱く語っていました。
今回の講演会には大人の方々が多く足を運んでくださいました。しかし自然災害が起きたら若者の力が大きな力になります。自然災害はいつ起こるかわからない。だからこそ、今、過去の教訓から学び備えることが大切です。今後も大人だけでなく若者にも東日本大震災の教訓を伝えていけるよう活動を継続していきたいと思います。
「まちだ陸前高田復興支援の会」の皆様と