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作品:冬のあしおとのご紹介
タイトル:冬のあしおと
著者:春顔様
作品情報
短編(2480文字)・完結済
ジャンル:現代ファンタジー
タグ:ファンタジー・現代・ 学園・ 冬・ 短編・ 日常
あらすじ
季節は三月。もうすぐ、本格的な春がやってくる季節。「俺」は一人の女子高生に恋をしていた。
実ることはないとわかっていても彼女を大切にしたいと思う気持ちは本物。
彼女の幸せを願って、見守るしかできない「俺」。
これは、もうすぐ去らねばならない「俺」の切ない恋の物語。
「俺」を認めてくれた彼女の傍に俺がいることができるのは、わずか数カ月
2500文字程度の文章の中で、美しい情景や登場人物の心情がとてもよく表現されている作品です。
季節は丁度ホワイトデー。タイトルにある「冬」という季節には少々遅い時期だなと思いながら読み進めました。
一般的に三月といえば、春をイメージする方が多いと思います。私もそう思いました。
ですが、この作品ではなぜ三月まで、まだ「冬」であるのか。
それがとても切なくも暖かい「恋の物語」のキーワードになっています。
季節の使い方やその表現が、とても素晴らしく、「冬」と聞くと寒いイメージを持たれる方も多いでしょうが、思わず「冬」が好きになってしまうような心の暖まる表現力は作者様の力量でしょう。
こちらの作品を読んでいて、ふと「名残雪」という言葉が思い浮かびました。
もう春がそこまで来ている時に、たった一人の恋した彼女の為に降らせた雪はきっと「名残雪」。
恋した彼女の「春」を祈って、去り行く「俺」に唯一できること。
それは、彼女の幸せを願うことでもあり、また出会う為の約束でもある。
どんなに思っていても、伝えることのできない気持ちを「雪」に込めて、丁寧に書かれた作品です。
大切な彼女の為に季節は春へとバトンタッチして、さぁ、また会えるその日まで。
「彼女」の笑顔を見送りながら、「俺」の気持ちはそのままに────
ずっと一人を思い続ける、こちらの作品。是非、皆様もご覧になってみてください。
寒いだけだと思っていた冬が、愛おしく感じることでしょう。
※カクヨムとエブリスタで読むことができます。
※他にも多くの作品を書かれていらっしゃる作家様ですので、他作品も読んでみたいですね。
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作者様情報
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