ドバイ全日程のレポート
ドバイから帰ってきて、早2週間が経とうしています。遅くなりましたが、ドバイ遠征ついてまとめたものを書きたいと思います。
・目次
1.遠征の概要について
2.試合について
3.UAEのバリアフリーついて
1.遠征の概要について
・大会名:9th WPA Meeting Sharjah
11th DUBAI World Para Athletics Grand Prix
・競技期間:2月18日~20日・2月24日~2月27日
・場所:UAE(シャールジャ・ドバイ)
今回の遠征は、全行程約2週間となりました。2月15日に宮崎を出発して羽田に向かい、翌日の16日の真夜中に日本を発ちました。16日に朝7時30分(現地時間)にドバイ国際空港に到着しました。日本との時差は、ドバイが5時間遅れていました。国際空港内から噴水や宙に浮いたように見えるエレベーターがありました。
UAE国際空港から、約2週間程度お世話になる「AL Bustan HOTELE」に移動しました。移動方法は、大会側が用意したバスに乗り込んでの移動となりました。空港からの移動時間は、約1時間程度でした。
到着後にチェックインをしたのちに自分の部屋に向かい、荷物を解体し生活環境を整えました。遠征中の食事は、基本ホテル側が用意してくれている食事を取ることになっていました。多少の日本食を持ち込んだが、メインの食事は用意してくれたものを取りました。食事の形式は、バイキングとなっていました。日本から行った選手たちと一緒に食事を取ることが多かったです。
基本的に大会中は、ホテル暮らしになることになりました。洗濯もフロントに頼めばしてくれるがお金がかかったり、物がなくなったりする可能性が高いため自分で洗濯もすることにしました。洗濯方法としては、湯船にお湯をためて持ち込んだ洗剤を利用して手洗いで洗いました。その後、事前に用意していた洗濯紐を活用しての洗濯物を干すことにしました。
このようにして、ドバイ遠征中は生活をしていました。
2.試合について
試合は、2月18日~20日までの期間と2月24日~27日までの期間において2回に渡って行われました。前半戦となる、「9th WPA Meeting Sharjah」はシャルジャで行われました。宿泊先から競技場までは、距離があるため大会期間中はピストン車が配送してくれました。後半戦「11th DUBAI World Para Athletics Grand Prix」は、ドバイで行われました。後半戦は、ホテルから約500m程度の距離に競技場があったので歩いて行きました。
今回は、前半・後半ともに100mと800mに出場しました。私の障がいレベル(クラス)でパラリンピック種目に認定されているのが2種目だけだからです。今回は、800mの自己ベスト更新を目標に出場しました。結果は、以下のようでした。
シャルジャ大会:100m 19’08(-2.0m)
800m 2’09’26(自己ベスト更新)
ドバイ大会:100m 18’06(+1.2m)
800m 2分20秒82
シャルジャ大会で、今回の遠征目的である自己ベスト更新は達成できました。800mの安定した走りには欠ける部分がまだまだ多いことがわかりました。だが、これからの練習で対処や試合の経験数で改善の余地があることがわかりました。一番の課題点としては、加速力や他選手の後ろに着く技術が必要だと感じました。今後の練習で、課題として感じたことを改善するための練習メニューを組んで取り組んでいきます。また、100mに関しては重点的には練習に取り組んでいないのにも関わらず18秒台前半が出ました。シャルジャ大会で、スタートが上手く決まりませんでした。シャルジャ大会が終わり、ドバイ大会までの中3日間で他選手よりアドバイスと練習のおかげで改善ができました。その結果、100mのタイムが伸びた。現地で学んだスタート練習を精度を上げるために練習をしていきます。速くなる余地がたくさん見つかった良い試合となりました。また、ドバイ大会では大会当日までに国際クラス分けが行われました。私もクラス分けを受けて、判定をしていただきました。判定結果、2023年までの期限付きでT34の確定を受けた。2023年まで期限がついたのは、障害が進行する可能性があるかもしれないためです。とりあえず、クラス分けを受けたので安心して自分のクラスでレベルを上げていけばいいということになりました。
大会時には、屋台やダンスを踊れる場所が設けられていました。海外ならでは、雰囲気があり現地の方も試合観戦目的ではなく楽しむ場所としての活用目的で利用していました。楽しむ場所として足を運び、結果的に試合を見て帰る動線にもなっていました。こういう場所を日本の試合時にも積極的に作り動線としての確保ができれば普及につながるのではないかと思いました。
また、閉会式の際には豪華景品を元に抽選会も行われました。数々の豪華賞品の用意もドバイならではのやり方ではあるという認識をしました。各国の選手やスタッフを対象としたもので、閉会式には、みんなで楽しみました。
・UAEのバリアフリーについて
大会と大会の間で、時間があったので公共交通機関を利用してショッピングを日本選手と一緒にして回りました。 まず、タクシーを活用しました。タクシーを利用する際には、ホテルのベルボーイにタクシーを呼んでもらいました。タクシーを利用する人数が車いす3台だったため大きめのワゴン車を呼んでもらいました。普通車だったが、運転手さんが身体を持ち上げてくれて、載せていただくことができました。
タクシーを利用して向かった先は、世界で一番大きいと言われるショッピングセンター「ドバイモール」に向かいました。
ドバイモールの中には、水族館や動物園・VR会館などがありました。また、収容されている店舗数も1,200店舗と一日では回り切れない数がありました。私が回った店舗では、店舗に入った際に、私が車椅子だと認識された時点で、寄ってきてくれました。そして、「何か、手伝うことはあるか?」という質問を必ずしてくれました。私は、何も必要なかったので「必要ない」と答えると「手伝いが必要な際には声をかけてね」と言って一般業務に戻っていきました。この点においては、日本ではなかなか見られないことなので一瞬戸惑いました。だが、「必要ない」と答えると一般業務に戻ってくれるので適度な距離感でショッピングを楽しみことができました。日本では、この適度な距離感が難しいことがあるので見習ったほうが良い点ではないかと私は考えました。逆に日本を見習ってほしいという点もありました。それは、エレベーター案内の表示についてです。広すぎてエレベーターがどこにあるか分からないことが多々ありました。日本だと、モール内にも案内板があるためエレベーターの場所がわかりやすい環境だと気づきました。ドバイモールは、案内板が設置されていなかったりエレベーターの位置が記載がなかったりしました。エレベーターを探す場合は、感覚と店員にきいて動いていました。その点においては、不便でした。
ドバイ大会後に時間があったために、ドバイのモノレールを利用してドバイモールと別途のショッピングセンターにも足を延ばしました。ドバイのモノレールは、非常に使い勝手が良かったです。理由として、2つあります。
1つ目が、モノレールの乗り込み際に段差がなく自力で乗り込みが可能な点です。ドバイのモノレールは、使用する便がホームに来るまでは、扉が閉まっています。間違ってもホームに落ちることがないと思います。日本でよくある、視覚障がい者がホームに落ちる事故も事前に防げる仕組みになっています。ホームにモノレールが到着後に扉があき、乗り込める。その際に、段差がなくどんな車椅子やベビーカーでも乗り込みが可能です。また、モノレール内も入り口付近は空間があり車椅子やベビーカーでも乗車位置を確保しやすい仕組みになっています。モノレール内の空間も使いやすい設計になっています。
2点目が、路線です。ドバイの路線はレッドラインかグリーンラインの2つしか路線がしかなくシンプルでした。そのため、乗り換えも現地の方じゃなくてもわかりやすく使いがってよかったです。駅の構内も同じように乗り換えに合わせたものが案内板に設置されており、エレベーターもどのエレベーターが何ラインかが把握しやすいものとなっていました。路線確認やエレベーター確認に対する時間が少なくて、車椅子でも楽に移動ができました。
・総括
今回の遠征は、競技としてもトレーニングの成果を十分に得ることができました。トレーニングの成果を発揮できたおかげで新たな課題や方向性の確認につながる良い機会になりました。これからのシーズンに向けて、しっかりトレーニングに励みたいと思います。そして、海外遠征時における生活の仕方を習得することができる良い遠征になったと思います。海外ならではの経験もでき今後の取り組みに活かせることができることも多々あります。次の遠征は、5月なのでそこに向けて、今回得た経験を踏まえて準備していきたいと思います。