超次世代型ゲーム機を購入した話
「そいつ」と出会ったのは、つい昨日のことである。
上級国民御用達と呼び声高く、
あのエリザベス女王が訪れ、
ミシュランで七つ星を獲得したかの名店、
通称「BOOK・OFF」に、
「そいつ」は陳列されていた。
まず目に飛び込んできたのは、「そいつ」本体に貼られていたステッカーだ。
そこにはこう記されていた。
「ワケアリの品」
驚愕した僕は、唇をワナワナと震わせた。
きっと、スーパーテクノロジーを駆使した日本未発売の次世代機を、
公には言えない理由で手に入れた「BOOK・OFF」が密かに販売しているのだろう。
その証拠に、「そいつ」は店内にあるゲーム販売コーナーとは別の、皆が素通りするワゴンの一角にポツンと置いてあった。
次に僕が驚愕したのは、その値段だ。
1480円(税抜き)
や、安すぎる…!
ついにこんな値段でゲーム機が買える時代がやってきたのか…!
もはや今までのゲーム機というゲーム機は全て殲滅されてしまうに違いなかった。
スーパーテクノロジー、恐るべしである。
ということで、すぐさま買って持って帰ってみた。
見てくださいこの白く輝くボディー!!
テレビに接続して映った画面を、センサーの着いたリモコンで操作するというこの斬新な発想!
これで1480円(税抜き)…!
僕は震える手でこの次世代ゲーム機をテレビに接続した。
しかし、これだけではまだゲームを満足にプレイできる状態ではないようだった。
SDカード
巷ではそう呼ばれるデバイスを手に入れ、挿入する必要があるとのことだ。
さっそくベスト電器へと自転車を走らせた。
この次世代ゲーム機に対応するSDカードは容量が2GBまでのものらしかった。
店頭には8、16、32GBのSDカードが所狭しと並んでいる。
あれ、2GBは!?
注意深く探すと、
あった!
在庫確認のときに店員さんも少しアタフタしていた。
やはり次世代ゲーム機にふさわしいデバイスとは、希少価値の高いものだ、ということだろう。
SDカードを挿入し、「そいつ」を起動させる。
順調に作業を進めていると、気になる表示が出てきた。
なんとゲーム機本体のニックネームを付けることができるのだと言う!
こんなに愛に溢れたゲーム機が未だかつて存在しただろうか!
直感だった。
この名前しかない。
そう思った。
僕はこの先何十年と親しまれるであろうそのゲーム機に、愛をこめてこんな名前を付けた。
……。
ゲームソフト挿入編へ続く!!