育休のリスク 夫婦の時間が急増するということ
夫婦の時間が増えることは、単純にいいことばかりではなく、リスクがあると思う。ずーっと一緒にいればより仲良くなれるか?うちの場合はそんな簡単なことではない。
写真:新婚旅行で訪れたインドネシアのギリ。こんな時間は続かない。
ずーっと二人きりはどうなのか?
普段から認識しているが、私は職場と家庭で気持ちが切り替わって、仕事は家庭の気分転換になるし、家庭は仕事の気分転換になっている。仕事は家庭への気分転換になるし、家庭は仕事への気分転換になる。
正直に言うと、これまでも週末のうち、一日はお互い別々にふらふらしたり、好きなことをすることで、健全な夫婦の関係を保ってきたと思う。(少なくとも私はそう思っている)
そうなると、育休をとってしばらく家にいる時間ばかりになる妻は、しんどいしんどくないに関わらず、気分転換がないと大変だろう。
しかし、もし自分も同じ状況になり、四六時中、何か月も夫婦一緒にいるとどうなるのか?社会人になってからであった私たちは、結婚前でも経験したことがない。
想像できる範囲で分かっているのは、やる事は山のようにあるであろうということだ。育児をなめるつもりはない。定年退職後のように、突然何もないところにぽんと二人で放り投げられるよりましかもしれない。しかしそれは、お互いに不慣れなことをずっと一緒に行わなければいけないという事であって、喧嘩が増えることは想像に難くない。
夫婦だって未知の関係だ
カップルが分かれるきっかけに多いのは、お互いの立場の変化だ。高校生が大学生になったり、大学生が社会人になったりと色々だけど、『親になる』という互いの人生史上前代未聞の変化は、おそらくそれどころの衝撃ではない。
上記で述べた、カップルが分かれる原因には、どちらかに余裕がなくなる場合もあるが、状況の変化によって相手が変わって見えることがあるのではないかと思う。
もしかしたら、うちらも未だにお互い分かっていない部分が突然わいて見えてくるかもしれん。目を向けていなかったことに、目をそらせなくなるかもしれん。熟年離婚はおそらくそういう原因も多いんじゃないだろうか。
・・・だめだだめだ。不確定要素が多すぎる。
予行練習をやっておこう。
休業インターンを行う
結婚前に同棲することと同じように、自分たちの関係を過信せずにちょっと練習することにした。
予定日の1か月前。職場が夏季休業中の17年夏。育休取得予定の4か月前(元々育休は職場の都合を忖度しており、12月からの予定。)
有給を使って3週間ほど何の予定も入れずに、ずっと家にいることにしてみた。おなかが大きい妻に代わって、3食ご飯をつくって、家事も増やしてみた。まだ子供が生まれていないから、どんなに家事をやったところで時間もたっぷりあるし、極端でないペースで家庭に入る慣らし運転を行ってみた。
意外とへっちゃらだった
結果、これは非常に良かった。まず、二人の時間が急増することについては、予想よりストレスは増えなかった。増えなかったことも嬉しいが、それが分かったことによってこれからに対する安心が増えたことが大きかった。
今思うと、嫁が非常に寛大で優しかったことが大きいと思う。出産準備はしっかりやってくれた反面、私が外で飲みに行ったり遊んだりすることには気持ちよくOKしてくれた。そうしてくれるとこちらも何とか役に立とうと頑張ることができた。
今思えばこれも大切だった
また、これまで夏休みは、嫁を置いて海外に行くなどやりたいことをやりたい放題やっていた私だが、今回は自分で決めてそれを我慢できたことが大きい。仮に妻から要求されてやむを得ず自由を奪われた場合を仮定して比べると、脳のとらえ方がだいぶ違う。
さらに、家事業務のシェア拡大も自然に行えた。妻のおなかが大きいというのは、こっちが余分に家事をするのには十分すぎる理由であって、気持ちよくご飯を作ることができた。
業務でいえば、妻は体調管理が最善のタスクであって、それを支援するのが自分の最大のタスクだ。ここで習慣づいたので、仕事が始まってからも自然と食事は作ることができた。
男性は産前には何のホルモン変化も起きない。何度も言うが、男は阿呆であり、そのアホがアホのまま子供を迎える。環境や自分の気持ちを徐々に慣らしていくことは男にとっては大切なんじゃないかと思う。
仕事でできるんだからきっと家でもできる
実感のわかない幸福と共に、確実に失われる自由におびえるくらいなら、普段仕事で行っているようにきちんとした対策と準備を行ったほうが100倍よろしい。自分のためでいいじゃないか。それはきっと家族のためになると思う。
男性目線の経験から言わせてもらうと、生まれてきた子供の可愛さは想像を絶する。というより、そこで自分の想像力のクソさを味わう。どんだけ尽くしてもきっとお釣りは来る。
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