新型コロナウイルス関連のアルゴリズムまとめ(医療関係者向きだと思います)
新型コロナウイルス感染症が広がりつつある現状で、どうやって日常の臨床で発熱や風邪症状の患者さんへ対応すればよいかをまとめてみました。
このアルゴリズムは患者さんと御家族のために作ったものです。患者さんの立場で医療機関や「帰国者・接触者センター」をどのように利用するかを判断する役にたてることを目的にしています。
次に、これは医療関係者あいてに医療機関でどのような場合に新型コロナウイルス感染を疑ってPCRを行うか、あるいは指定医療機関に紹介する目安になればと思って作りました。左下は沖縄県立中部病院感染症内科の高山義浩先生作製の図を利用させていただいております。
1については「急に呼吸器症状や強いだるさがでてどんどん悪化するとき」というのを追加すべきと思ってます。
これは、日本環境感染学会が3月5日に発表した「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」から診断の部分を取り出して、臨床的に使いやすいようにアルゴリズムにしたものです。かなり大きく改編させていただいております。
私は訪問診療を行っているので、在宅医療の患者さんが発熱や風邪症状を起こした場合を想定して考案したものです。これらの患者さんはほとんどの場合「重症化しやすい」グループに属します。高齢者がほとんどであり、若い人にのように「自分で自宅療養するように」と言っても無理です。
現時点では自宅に籠もった在宅患者さんは新型コロナウイルス感染には罹りにくいと思います。しかし、医療側は蔓延を防ぐためには「新型コロナウイルス感染」を想定して対応しなくてはなりません。訪問診療にはある程度の防護が必要でしょう。かといって、すべてを強く疑うのも問題です。
在宅医療の患者さんはいろいろと熱を出す方が多いです。それは肺炎のこともあるけど、ただの軽い風邪だったり、痛風や偽痛風があったり、神経疾患の患者さんでは原因不明の熱が多かったり、あるいはただの軽い風邪のこともあるでしょう。
2日目になったらすべてを強く疑っていたらキリがないし後方病院にも負担をかけすぎます。そこで在宅主治医が全知全能をかけて臨床診断して方針を決めるというシナリオでアルゴリズムを作りました。これは訪問診療に習熟した在宅主治医にしかできないことです。不在の場合の方針まで決めておくとよいと思います。
あくまでの現時点での私の方針の試案です。
「帰国者・接触者センター」へ問い合わせても、フローチャートにて「それまでに罹っている医療機関がある」場合は「その医療機関に電話で問い合わせ」となっているので、指定医療機関への入院が必要と判断した場合以外はかえって時間の無駄になると思ったので最重症以外の場合は組み込んでいません
EBMの世界で有名な総合診療医の南郷栄秀先生が詳細なアルゴリズムをご提案されています。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の臨床的特徴からプライマリ・ケア外来での診療を考える
自作のファイル4つのPDFはここからギガファイル便にてダウンロードできます。
ご利用、改編、二次利用はフリーです。