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キャッシュレス決済の進展に思うこと

冬の朝について「清々しい」という表現はされないですね。せいぜい「凛と張り詰めた」くらいでしょうか。冷たさは好ましくなく、清々しいとは結びつきにくいのかも知れません。

さて、……。

最近はスマホでの決済がかなり増えた。おかげで銀行が仕掛ける振込手数料無料サービスの訴求性が下がっている。率直に私はありがたみを感じない。

でも、◯◯ペイもクレジットカードのタッチ決済も、取引には手数料が含まれている。消費者側はその負担を求められないが、加盟店側は売上げの中から数%程度を支払っている。つまり、店の側はキャッシュレス支払いだと減収になる。

でも、キャッシュレスは店が損するばかりではない。釣り銭用の現金準備やそれを数える手間が減る。また現金を持ってきてくれる銀行はまずないし、引き出しに行くのにも時間と手間と人件費が掛かる。

更に、両替も完全に無料ではなくなった。つまり、現金取引であってもある程度のコストは掛かるもの。

加えて、現金には盗難リスクもある。お金を引き出した後にひったくりに遭ったらどうなるか。そういうことを考えると、クレカ等の事業者の手数料数%はやむを得ないと考える人もおられるはず。

実は、完全キャッシュレスに移行すると現金管理が不要になるというメリットもある。この辺り、どちらかに振り切った方がオペレーションが簡素化できるのは間違いない。

ただ、客商売だからできるだけ全てに対応して顧客ニーズに応えたい(=客を逃したくない)と考えるのは自然なこと。でも、それは当然コストに跳ね返る。中途半端な今だからこそさまざまなデメリットが重畳しているとも言える。

コロナ禍を契機にキャッシュレスが世の中に広まった。当然事業者のシステム利用件数も大きく増えただろう。その分新規参入してきた事業者も増えて、競争が加速している。

但し、キャッシュレス支払いシステムの運用側が負担するシステム維持費用は、基本的に固定費だと思っている。100件であろうが10,000件であろうが利用する設備は基本同じ。せいぜい処理を行う際の電気代にわずかな差が出る程度かと。

つまり、費用は基本的に一定。取扱件数の増による収入増は、かなりの部分がそのまま収益に繋がっていると考える。そうであれば、決済手段として現金と並ぶ状況を考えると、手数料率も下げる方向で見直しを掛けてもよいと思う。

そう思っていたら、既にその動きは始まっている。但し、さすがにゼロにはならない。これをゼロにしてしまうとサービス提供事業者のおまんまの食い上げにつながってしまう。

また、各種大幅ポイント還元の原資もこの手数料なのだから、この点はやむを得ないものだと思っている。

今後は事業者間の吸収合併も進むだろう。ある程度のところで落ち着くことが予想されるが、当面はどのような状況であっても対応できるようにしていくしかないな、と思っている。

お読み頂き、ありがとうございました。

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辻六道🥚
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