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人減らしは同等の業務遂行可能が前提だったはずなのに
昼間は暑くなりましたね。天気予報の通りでした。それがまた夕方には冷え込んで、帰りは羽織るものが欲しくなりました。
さて、……。
昨今、何でこんなことが起こるのだろう? と思うできごとが頻発している。それは事件や事故のレベルではないにせよ、ちょっと看過できないものが多い。少なくとも昔はこんなことはなかったはずだと不思議になる。
ハインリッヒの法則ではないけれど、これが積み重なるといずれ大きな災厄につながる可能性があるのではないかと不安を感じてしまう。
なぜそうなったのかを考えてみると、正直なところ人を減らし過ぎたことに帰結するのではないかと思うようになっている。
長い不景気が続く中で、企業として生き残るための方策としてリストラした企業は多い。私の勤務先ではそれはなかったが、採用をかなり絞った。いずれにせよ、従来いた社員の数が減ることになった。
このような傾向が長く続いたために、職場の余力が著しく損なわれることになってしまった。そして、職場で人を一人前に育てることもかなり難しくなっている。
日本の職場教育は、座学である集合研修と配属先のオンザジョブトレーニングの二本立てが基本。中でもオンザジョブトレーニングは、中堅社員が一定期間指導にあたることが多い。
中堅社員は業務に必要なシステムの操作はもちろん、他部署の誰がキーマンか、どういう段取りで仕事を進めれば早く終えられるかといったマニュアルには書けないノウハウに近いものまで伝授していた。
そういう中で社員は一人前に育ってきた。少なくとも自分はそうだった。
しかし、今はそれが難しくなっている。若者が定期的に職場に配属されていた時分なら上述の指導も可能だけど、今の人員では難しい。私がこれまで在籍した職場の中では、20代と50代しかいないという経験もした。
システムについてはいつまでも昔のままではないし、新しいものだと新人の方が習熟が早かったりする。育った時代背景も異なる状況で気軽に話せる関係を築くのも一苦労であるし、何よりも教える側に時間的余裕が少ない。
そういう環境の変化によって、これまで言外に伝えられてきた社員としての意識の継承が難しくなってきている。これが、本稿冒頭の「何でこんなことが起こるのだろう?」を招いている気がしてならない。
もちろん、これだけが原因だとまでは言わないけれど、一因であるとは思っている。なぜそう思うのかについて根拠を示すことはできない。でも、仮説としては成り立つと思っており、これについてご意見を頂ければ幸いである。
お読みいただき、ありがとうございました。
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