銀行の劣化を感じたできごと(前編)
今日は昼からかなり温かくなりました。ちょっと我慢すればコートなしでも何とかなりそうなくらいです。こういう日が長く続くとよいのですが、そうもいかないでしょうね。
さて、……。
何回かお話したように、私は現在相続手続を鋭意実施中。相続自体は既に父の時に経験済だったことから、母の銀行預金についても銀行での手続が必要なことは分かっていた。
そして、これは諸刃の剣でもあることも知っている。というのは、銀行に「親が亡くなりまして……」という話をすると、彼らは鉄壁の防御ラインを構築してくるから。要は、権利者が死んだからにはその相続手続の瑕疵なき完遂を遺族に要求してくるのだ。
少なくとも相続人(例えば私)は、銀行から見れば「自分の口座でもないのに預金をよこせと要求してくるうさんくさい奴」でしかない。その「うさんくささ」を脱臭するために正当な権利者である証明と遺族で話し合った結果を持ってこい、揉め事を持ち込むなというのが彼らの基本スタンスである。
ぶっちゃけ、銀行に一切の迷惑をかけない保証を求められているのだと考えれば分かりやすい。
故人の相続から死亡までの一連の戸籍謄本の持参を要求するのは、それを確認することで他に相続人がいないことを明らかにするためである。これを要求されるのは、普通の人生を歩んでいる人にとってはトバッチリに近いものとも言える。
でも、たまに被相続人(故人)がバツイチで先妻との間に子がいる場合はある。この場合、先妻の子は相続人となるためその子も含めた遺産分割協議書を作成し、それも銀行に提出しなければならない。
こういうケースは日本では少数派である一方、そうでない多数の家族は、アリバイ作りのために面倒な戸籍謄本収集の作業に追われることになる。
今は法定相続情報一覧図を作成すれば、集めた出生から死亡までの戸籍謄本の束を銀行に出さずに済む。しかし、法定相続情報一覧図を法務局に出してもらうためには戸籍謄本の束はやはり必要となる。
そういう面倒を乗り越えて書類を整えて銀行に行ったのだけど、父の時とは異なって今回の銀行の対応は劣化を強く感じることになった。以下の3つの誤りを経験させられたからである。
①渡された残高証明書の様式が違っていた
②印鑑証明書の原本と写しを取り違えて写しを返却された
③印鑑証明書は、相続手続後に返却されないと誤った認識を告げられた
嘘でも作り話でもなく、本当にこういうことを銀行の担当者がやってしまったのである。私は「お堅い銀行で何でこんなに間違いを連発できるのか」と空いた口が塞がらなかった。
(続きます)