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「光る君へ」が低視聴率であった理由を考える
今日は出社したものの、強い歯痛に襲われました。そのため午後からお休みして、かかり付けの歯科医に電話、予約の隙間で診てもらいました。レントゲンを撮ったところ、どうも根の近くで折れているそうです。今後の処置はご相談となります。
さて、……。
昨夜、大河ドラマ「光る君へ」の最終回が放送された。私にとっては率直に内容がとても興味深く、面白く、見応えのあるものであった。1年間楽しませてくれたことに、一視聴者として深くお礼を申し上げたい。
大河ドラマで平安時代の「ど真ん中」を取り上げたのは初めてのこと。その英断にも敬意を表したいと思う。
「ど真ん中」と限定したのは、私の推しの真野響子さんが出演した「風と雲と虹と」において、平安時代に地方で起こった承平天慶の乱が取り上げられていたから。
私の感覚だけど、大河ドラマは戦国時代ものが定番。これに赤穂浪士と幕末・明治維新ものが加わる。これらの合間に近現代を含めて他の時代を取り上げるのだけど、総じて視聴率を取れない。
ちなみに、この「光る君へ」も視聴率自体は振るわず、「いだてん」に次いでワースト2らしい。
大河ドラマ制作に要する実際の準備期間を考えると、2年以上前から翌年の大河ドラマの概要は決まっていると推測。だから視聴率のせいだけではないとは思うものの、しばらくするとまた戦国時代ものに戻る、を繰り返している。
このことは、別の問題を引き起こす。戦国時代ものといえども取り上げられる人物は限られていて、信長・秀吉・家康ばかりでは飽きられてしまう。そのため、そんな人がいたのかと大河ドラマで初めて知るような人物が主人公になることもある。
井伊直虎はまさにそれで、「おんな城主 直虎」は、わずかな伝承を基に一年分のドラマに耐えられるまで話を膨らませなければならず、脚本家が苦労したと何かで読んだ。でも、視聴率は低調だったと記憶している。
視聴者にとって馴染みのない人物は興味を持てず、最初から拒否されやすい。興味を持てない人間を描いたドラマを観るのはやはり苦痛。かと言って、同じ人物の別の面を取り上げると言っても、同一人物では手垢がついた感は拭えない。
この点で、今回の大河ドラマは、皆が主人公の名前を知っているアドバンテージがあり、しかもこれまで取り上げられたことがない。本来は興味を持たれる対象ではあった。
ただ、元々日本においては貴族全般によいイメージを持つ人が少ない。陰険・権謀術数に長けている・欲深い・プライドだけ高い・人を人とも思わない・信念がない……。このようなマイナスイメージが付きまとうため、好ましく思われない。
加えて長い不況を経た今の世の中では、貴族=特権階級に対して厳しい目線が注がれている。貴族より上のいずれ天皇になる高校生の大学合格、本来ならばお祝いすべきことのはずだけど、SNS上では批判の声が雲霞のごとく沸き起こっている。
このような世相こそが、視聴者の獲得が困難になった一因だったのではなかろうか。残念なことではあるのだけど。
お読み頂き、ありがとうございました。
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