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【閲覧注意】尾籠の極み
直近の天気予報はよく当たりますね。午後から予報通り雨が降ってきました。そして一段と寒くなっていくのでしょう。
さて、……
タイトル通り今回は本当に尾籠なお話なので、この先は自己責任でお読み下さい。
ある日、社外との打合せのため出掛けようと思ったら、お腹が張ったので出掛けにトイレに立ち寄った。
そこは一階の共用スペースで、社外の人も入れる仕様になっている。たまたま1つ空いている個室があったので、これ幸いとそちらに入った。
ちょっと臭気を感じたけれど、他に空きはなかったので是非もなし。おもむろに人生について考える姿勢を取ろうと思って便座を覆う蓋を開けたところ、恐ろしい光景が視界に入った。
洋式トイレの水が貯まった部分手前の坂の部分に、厳かにブツが鎮座していたのである。状況を理解するのに2秒ほど掛かった。そして、疑問が4つ浮かんだ。
1.何で流されていないのか。
2.そもそも、何でこのポジションにブツがあるのか。
3.これを置いていった人は、どういう身体の構造をしているのか。
4.自分で何とかしようとは思わなかったのか。
申し訳ないが、この状況を作出した人の人格を大いに疑った。そして、取り敢えず2回ほどフラッシュして流そうと試みた。しかし、びくともしない。その瞬間、もっと恐ろしいことに気付かされた。
(俺、どうやってここから出れば良い……?)
ドアを開けて、というのは分かっている。しかし、不特定多数の人間がいつ入ってくるか分からない。
もちろん、その人は小さい方に用事がある可能性の方が高い。しかし、そうでなかったら……
それを考えると、自分がかなり危機的な状況にいることに気付かされた。たまたまトイレに入っただけなのだが、それが完全なトラップと化している。
自分が個室のドアを開けたタイミングで誰かが入ってきたら、しかもそれがたまたま知り合いで、これ幸いとこの個室に入ろうとしたら、どうだろう。「私じゃない」と言っても、信じてもらえるかを考えると、深い絶望感にとらわれてしまった。
そっと蓋を閉じてしばし黙考する。しかし名案は浮かばない。後は是非に及ばずである。耳を澄まして人の出入りがないのを確認し、エイヤーで外に出る……幸い誰も入って来なかった。
しかし、このまま外に出るのは危ういと思い、敢えて小さい方に立った。小用を足しているふりをしてしばらく経つと知らない人が入ってきて、私から1つ置いた小さいところに立った。
このタイミングを逃さずに出口の方に向かい、手を洗って外に出た。見事に濡れ衣を回避できたのである。思わず(ああ、助かった)と胸を撫で下ろしてしまった。
このような心理戦に神経をすり減らしたため、当初の自分の欲求は雲散霧消してしまった。つい早足になりながらも全力で打合せ先に向かったのは言うまでもない。
お読み頂き、ありがとうございました(もしお読み頂いた人がいたのなら幸いです)。
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