国だけの一本足救済では限界がある
週末の帰宅時に胸いっぱいに広がる安堵感は、何とも言えないものがあります。皆様、お疲れ様でした。
さて、……
今回はいつもにも増して独断に基づくので、信憑性はほぼないと思って頂きたい。
日本の景気が回復しない。そして、日本の貯蓄割合は高い。この二つはある意味当然の帰結を生む。というのは、収入の一部が貯蓄に回った分、消費は減るからだ。消費が減れば景気は回復しにくいのは論理必然である。
ただ、この点において、なぜ海外の人達は消費できるのだろうとの疑問が浮かぶ。リーマン・ショックの頃などは、その影響を日本よりも深刻に受けていたはずなのに。有事に備えて貯蓄しないのは不思議である。
日本人が爪に火をともして節約と貯蓄に励む一方で、海外では節約は広がっていない。マータイさんの「もったいない」運動は広がったけれど、「節約しよう」という運動は特段広がっていない。
SDGsが広まって、不要なものを買わずに環境負荷を下げる動きはあるようだけど……。
欧米の場合、政府の国民生活に対する保護が手厚いと言われる。それに比べて日本は……というのが野党の政府批判手法であるのだけど、それだけではないと思っている。
欧米には教会とボランティア精神が根づいている。これがセーフティネットとして働いているというのが私の見立て。この点は明らかに日本と異なる。
日本の場合、お寺や神社が生活に困った人達のために何かをするというのはあまり聞かない。しかし、欧米では教会が率先してチャリティー活動をすることが多い。
ボランティア活動も、自らが神の許しを得て天国に行くに値する行動をして証を得たいという心理を否定しきれないけれど、人々の行動として染みついている。
このように、政府の他にセーフティネットがあり、それが間違いなく安心感を与えている。だからこそ、消費をしようという気持ちにもなる。この差は大きい。
今から寺社仏閣がチャリティー活動をするようになるまでには、かなりの時間が掛かるから難しい。また、こども食堂等の活動も基盤がまだまだ弱いのだけど、せめて政府がもっと国民から信頼され安心感を与えようと努力しない限り、永遠に景気は良くならない。
学校で経済循環についても教えているのだけど、この部分にもっと力点を置いて、経済の何たるかを理解させていくことが、今後益々必要なのではないかと考える。
そして、政府の側は信頼を得ようとするだけでなく、国民を信頼しお金を回していくことが大事。給付金不正等は厳罰を以て対処すべきであるが、だから国民に金を回さないのは、景気回復から遠くなる。
よくよく考えて頂きたいと思う。
お読み頂き、ありがとうございました。