こんなん書いてましてん『居場所』続きだお!(薄桜鬼 永倉 千鶴)
「千鶴ちゃん、起きてるかい?」
原田が部屋からいなくなってそんなに時間がたたないうちに襖越しにまた、人の声がする。
「はい、一応、目は開いてます。」
千鶴はか細く答える。
「永倉だけど入るなっ。」
声の主は二番組組長永倉新八だった。
永倉にしては静かに襖を開けて中に入ってきた。
「大丈夫か?千鶴ちゃん?」
そう言いながら永倉は千鶴の額の手ぬぐいに触る。
「なんだ、温くなってんじゃねぇか。熱あがっちまったんだな。」
永倉は手ぬぐいを水に浸すとしぼり千鶴の額におく。
「千鶴ちゃん、喉かわいたろう。水もってきてやったから少しでもいいから飲んどけよ。」
そう言って千鶴の体を支えながら起こして水を飲ませてくれた。
「総司のヤツがあまり近づくなとか言いやがるから中々様子見にこれなくてよ。」
「ああ、それはみなさんに風邪が感染るといけないからだと思います。」
永倉にゆっくり支えられ横になりながら千鶴はか細い声で答える。
「俺が風邪ごときひくわけねぇだろう。俺様は風邪ひかないのだけが自慢なおとこだぜ!鍛え方が他の連中とは違うからなっ。」
そう言うと永倉はいつものようにカラカラと豪快に笑う。
千鶴は先程の原田との会話を思いだしクスッと笑う。
「先程、原田さんもいらしてくださって同じ様なことおっしゃってました。」
「左之のヤツも来てたのか。じゃぁ、この水の入った桶と手拭いは左之がもってきたんだな。」
「はい。」
「みんな、心配してるぜ。千鶴ちゃんいないと華がないからな。早くよくなってくれよ。」
永倉はニっと笑みをつくる。
「ありがとうございます。」
「おう。んじゃ、俺は行くな。千鶴ちゃん、しっかり寝て疲れとれよ。あと、頑張りすぎは禁物だぞ。」
永倉はそういうと千鶴の頭を優しく撫でて微笑む。
「はい・・。」
千鶴が返事をすると永倉は再びニっと微笑んで立ち上がり部屋を後にした。
”永倉さん、ありがとうございます。”
千鶴は心の中でお礼をいった。