こんなん書いてましてん『あの人のために』(薄桜鬼 沖田)
夕暮れ時・・・。
障子の隙間から覗く空を見上げた。
もうどのくらいここでこうして寝たきりでいるのだろう。
あの人に役に立ちたくて僕はここにいたはずなのに・・・。
今の僕ではあの人を守ることすらできない。
どうして、僕はここでこんなになっているんだろう。
こんなはずではなかった・・・・。
この病葉の如き体を横たえることしかできないなんて・・・。
あの人を守る力がほしい。
あの人と共にありたいと願うのにこの体はいうことを聞いてくれない。
障子の隙間からこぼれる夕日の赤が僕の顔を照らす。
今の僕にこの光は嫌なものでしかない・・。
僕は僕の血に染まりたいわけじゃない。
僕はあの人を守り剣を振るい、敵の血に染まることを望んでるのに・・・。
ああ、どうか、どうか、僕に少しの力を与えてください。
神様がいるというなら、どうか、どうか、僕にあの人を守る力を再び与えて下さい。
この病葉のような体をどうかどうか・・・・。