pixivであげてたとある乙女ゲームの妄想駄文
『ねぇ、もしも二人が』5(終わりだよ)
私がそんな事を思って桜を眺めていると原田さんが名前を呼ぶ。
「千鶴。」
「はっ、はい?」
私は驚いて声が裏返る。
「何を考えてたかしらねぇが少しは機嫌直ったか?」
「え?どうしてですか?」
「簪買う時お前、機嫌悪くなってたろ?」
その言葉に胸の鼓動が早くなる。
何故、この人はわかるんだろう・・・。
そんなに顔に出してなかったはずなのに。
「そっ、そんな事ないですよ。嫌だな、原田さんたら・・あはは・・。」
私が引きつった笑いをしながら答えると原田さんは少し深くため息をつく。
「まぁ、お前のことだから聞いても口はわらねぇと思うからきかねぇけど、機嫌はよくなってたみたいだな。」
「はい。とても綺麗な桜です。ありがとうございます。」
「ん・・ああ。」
短く返事をする原田さんの顔は何か考えてるみたいな表情をしていた。
しばらく原田さんの顔をみていると原田さんは意を決したように私のほうに向く。
「あっ・・あのよ、千鶴。」
「はい?」
「これ、受取ってくれねぇ・・か。」
原田さんが懐から出したのは私が選んだ簪だった。
「これって・・・。」
「お前、今はこんな格好させちまってるけどよ、そのうち女の姿に戻るときもくるだろ。そん時につけてやってくれや。」
簪を渡したい女って私の事だったんだ・・・。
ばかみたい・・一人で変に落ち込むような事しちゃって・・・。
「ここでよ、手渡してやろうと思ってよ。お前自身に選ばせといてすまねぇな。」
私は首を横にに振る。
「いえっ・・とても嬉しいです。」
いつの間にか私の頬に涙が伝っていた。
「あ、あれ・・すみません・・嬉しいはっ・・ずなのに・・・。」
原田さんの優しさに心が温かくなって、心に痞えていたものが解けたせいか涙が止まらない。
ああ、私はこの人に恋をしていると気がついた。
泣きじゃくる私を原田さんは抱き寄せる。
「はっ・・原田・・さん。」
「いいから、俺の胸でよけりゃ貸してやるから泣けよ。」
そう言って優しく包み込むように抱きしめてくれた。
しばらく私は原田さんの胸を借りて泣いた。
原田さんは黙って優しく私を抱きしめてくれていた。
「千鶴、泣き止んだか?」
頭の上から声がする。
私は顔をあげて赤い目をして原田さんの顔をみて「はい」と答える。
その返事をきくと原田さんはすっと体を離し私の頭に手を乗せるとくしゃくしゃと撫でてくれる。
「千鶴、お前が頑張って俺等の役に立とうしてる事はわかる。でもよ、辛い時もあんだろう。そんな時は俺に言えよ。泣きたくなったら俺のところに来い。また、胸くらいいくらでも貸してやるからよ。」
言うと彼は優しく微笑む。
「はい。ありがとうございます、原田さん。その時はよろしくお願いします。」
「おお、まかしとけよ。」
原田さんはニっと笑う。
「簪、その時がきたら大事に使わせてもらいます。」
「ん?ああ。」
私は薄紅色の花があしらわれた簪を大事に懐にしまいこんだ。
「んじゃ、もう少し街中でもみてまわるか。」
「はい。」
私達は時間がくるまで町中を歩き茶屋にはいってお団子を食べたりお店をみてまわったりした。
屯所に帰ると土方さんに帰参したことを告げてそのまま自室まで原田さんに送ってもらった。
「また、こんな機会があったら今度はどこをまわるか決めてから行こうな。」
原田さんはそう言うと私がほほ笑み返事をするのを確認して自室へと廊下を歩いていってしまった。
私は襖をしめ、今日原田さんから頂いた簪を大事に小箱にしまった。
ねぇ、もしも二人が一緒にいられるならその時は彼にこの簪を髪に挿してもらえると嬉しいな。
神様がいるならどうかそんなささやかな夢を叶えてくれるといいのに・・・。
END
うは・・・ 。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。すんません、最後かなり雑です。
だめだめじゃんねぇ・・・・ 。・゜゜・(≧д≦)・゜゜・。