『幼子の誓い』
小さな妹の手を繋ぎ
ハラハラと舞落ちる桜の下で
泣いていた。
二人で見上げて泣いていた。
父さま、母さま、恋しくて。
抱きしめて欲しいと泣いていた。
父さまと母さまが消えてなくなった桜の下で泣いていた。
泣く僕達の上でハラハラと桜の花弁が舞い落ちる。
僕達を包み込むように柔らかな風が吹く。
父様、母様が柔らかく胸に抱きすくめてくれた時の感覚に似ていた。
泣いていた妹も僕もいつの間にか微笑んでいた。
父様と母様を感じる事ができたから。
父様、母様、僕が妹を確り守り生きていきます。
父様、母様、どうか何時までも僕達をこの桜と共に見守っていて下さい。