pixivであげてたとある乙女ゲームの妄想駄文
「優しい手」
夕日を背にして2人は並んで歩いていた。
今日は近藤さんの計らいで少しの自由時間を貰えた。
でも、やっぱり一人では外出はできないので監視役として原田さんがつけられた。
でも、まぁ、一人で放り出されても私は途方にくれてしまうだろうからなんだかほっとした。
町に連れ出してもらっていろいろなお店を回って一旦休憩のためお茶屋さんで一休み。
原田さんは私のたわいのない質問にもいろいろ答えてくれたり、平助くんや永倉さんの面白い話をしてくれた。
私は始終笑顔で彼と話ができた。
今は、その帰り道。
屯所に戻る道すがら。
「千鶴、今日は楽しかったか?」
不意に原田さんが聞いてきた。
「はいっ、とっても!」
「そっか、なら良かった。」
私が不思議そうな顔をしていると。それに気がついたのか原田さんが困った顔で笑う。
「あのぉ…原田さん?」
私がといかけると原田さんはゆっくりと口を開く。
「いや、お前にはよ、いつも窮屈な思いさせちまってるってのにお前は一生懸命自分のやれること探しだそうとしてよ。それなのに…。」
原田さんは少し申し訳なさそうに私の顔をみて続ける。
「それなのによ、今日みたいに自由な時間を俺みたいのが監視役についちまってすまねぇって思っちまってよ…。」
原田さんの瞳に複雑な色が浮かぶ。
申し訳ないって思ってるのと何かもうひとつ心にある思いと複雑にからみあったような…。
私は原田さんの顔を覗きこむ。
そして、笑顔で原田さんに言う。
「そんな事ないですよ!私は皆さんに父様の事を手伝ってもらってますし、それに私がお手伝いできる事があれば嬉しいです!」
息をついで続ける。
「それに今日は原田さんと一緒で良かったって思ってます。」
道が不馴れって事もあるけど、原田さんと一緒に歩けた事は嬉しかった。
この感情をどう表現すればいいのかわからないけどほんとに心からそう思えた。
原田さんは私の言葉にすーっと目を細め優しく笑い私の頭をぽんぽんと軽く撫でる様に叩いて言う。
「お前はいい子だな。正直よ、恨み言の一つでもでるんじゃねぇかって思ってたんだがな。お前はいい女になる素質をもってるよ。」
褒められたのかな?
いい女って…。
言われた瞬間私の顔は赤くなる。
「そっ、そんな事ないですよ。私がまさか…あはは…。」
恥ずかしくてなんか変な笑い方になってる…。
「どうした?何か可笑しな笑い方になってんぞ?」
はっと我にかえり、慌ててとりつくろう様に私は言う。
「あっ、あのぅ!」
急に大きな声をだしたから原田さんは少し驚いていた。
「おっ、おう、なんだよ。急に?」
「少し遅くなってしまっているのでいそぎましょう!土方さんに怒られちゃいますし。」
私の言葉に原田さんは「にっ」と笑って私の手を取り走り出した。
それでも、その走る速さは私に合わせてくれたものだ。
「なぁ、千鶴。」
「はっ、はい。」
「俺もよ、監視役とはいえお前と一緒に町歩けて正直嬉しかったぜ。」
「へっ!?」
「おらっ、急げよっ。土方さんにどやされんのは勘弁だからな」
驚いている私に原田さんはまた、優しく微笑む。
「はいっ!」
私が返事をすると握っていた手に少し力が入り私を引っ張ってくれる。
槍を握るから豆ができているゴツゴツした大きな手。
でも、その手には優しさがつまっていて私の心を安らげてくれる。
いつか、いつか、望みが叶うなら原田さんのような男の人と一緒に歩んで行けたらいいな…。
終わり…。
すいませんm(__)m
駄文です<(_ _;)>
原田愛してます。
宇宙の塵となるが良い…俺/(^o^)\